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消費者行動を理解し、その事例を分析するための方法とは?

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  • hatena

消費者行動の事例を分析し、消費者心理を深い洞察に基づいて理解することは大切なことです。

検索、比較、検討のプロセスにおいて消費者にどのような心理が働いているのでしょうか?

更に、消費者行動事例の分析に成功した代表的な事例であるGot milk?キャンペーンの説明も織り交ぜ、これからご説明していきます。

消費者行動を理解し、その事例を分析する基本的な考え方

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消費者行動を理解し、その事例を分析することの重要性

ビジネスにおいて、消費者行動を理解し、その事例を分析することはとても大切なことです。

消費者の購買行動に何が強く影響を及ぼしているかを掴むことで、消費者にとって最も効果的なブランディングやプロモーション活動を実現できるようになります。

また消費者が購買決定する時の思考プロセスを分析することで、より効果的なマーケティング活動が可能になります。

消費者は無意識的のうちに普段から多くの意思決定を下しており、それらの多くは購買活動に結びつく意思決定なのです。

ビジネスにおいて、消費者のインサイトを理解することは必要不可欠であると言えるでしょう。

消費者行動を理解し、その事例を分析する基本的な考え方~AIDA(アイダ)とAIDMA(アイドマ)

消費者行動を理解し、その事例を分析するうえで、最もポピュラーな考え方は、AIDA(アイダ)、AIDMA(アイドマ)でしょう。

AIDA(アイダ)とは、
・Attention(注意)
・Interest(興味、関心)
・Desire(欲求)
・Action(行動)
の頭文字からとったものです。

消費者はまず広告を見て、興味を引かれ、欲しいという欲求が生まれ、購買行動を起こします。

AIDMA(アイドマ)とは、AIDA(アイダ)にMemory(記憶)を加えたものです。Memory(記憶)とは、欲しいという欲求を記憶に留めておく段階のことです。

AIDMAの理論は、
・認知段階
・感情段階
・行動段階
の3つの段階に分かれており、認知段階にはAttention、感情段階にInterest、Desire、Memory、行動段階にはActionがあります。

AIDA(アイダ)に比べて、より消費者行動が細かく分析されていますが、いずれも今日での消費者行動を分析するうえで最もポピュラーで、ベースになっている考え方であると言えます。

インターネットの時代における消費者行動事例の分析方法

インターネットの時代における消費者行動事例の分析方法 イメージ画像

インターネットの時代になったことで、消費者行動にも大きな変化が出てきました。

そしてAIDA(アイダ)、AIDMA(アイドマ)から発展して、消費者行動事例の分析モデルは更なる進化を遂げていきました。

AISAS(アイサス)

AISAS(アイサス)とは、AIDA(アイダ)にSearch(検索)、Share(共有)が加わったものです。

AISAS(アイサス)も、認知段階、感情段階、行動段階の3つの段階に分けられます。しかしAIDMAでは行動段階はAttention(注意)だけでした。AISAS(アイサス)ではAction(行動)の他にSearch(検索)、Share(共有)が加わります。

インターネットでは、顧客が関心を持ったものに対して、Search(検索)という形で能動的にかかわることができます。またSNSでの情報発信により、情報がShare(共有)されるのが当たり前になり、これらが消費者行動事例を分析するうえで重要になっています。

AISCEAS(アイシーズ)

AISCEAS(アイシーズ)とは、AISAS(アイサス)に「Comparison(比較)」と「Examination(検討)」が追加されたものです。

インターネットでは、以前より複数の商品を比較して検討することが容易になりました。

逆に企業としては、競合相手との戦いがシビアになるため、顧客がどのように商品を比較しているかを分析することがより重要になりました。

そしてインターネット時代における新たな差別化を図っていかなくてはいけませんが、その際に重要になる概念として消費者インサイトというものがあります。

SNSが発達した時代における消費者行動事例の分析方法

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近年のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の発達により、消費者行動事例の分析方法にも更なる変化が出てきました。

VISAS(ヴィサス)

VISAS(ヴィサス)とは、
・Viral(口コミ)
・Influence(影響)
・ Sympathy(共感)
・ Action(行動)
・Share(共有)
の頭文字をとったもので、いかにSNSが私たちの生活に深く浸透するようになったかがこれを見てもわかります。

もともとはTVや雑誌が消費者行動を促していましたが、人々は今やそれらのメディアよりもネットでの口コミを信用します。

SNSで良い商品が紹介されると、そこに興味と関心が芽生え、やがて共感と共有の心理へと結びつきます。

昔であればCMが大ヒットを誘導し、引き起こしていましたが、今はSNSでバズるという言葉が生まれ、多数のフォロワーに影響力を持ったインフルエンサーが紹介しただけで商品がバカ売れするといった事例も起きてきているのです。

ULSSAS(ウルサス)

ULSSAS(ウルサス)とは、
・UGC(ユーザー生成コンテンツ)
・Like(いいね!)
・Search1(SNS検索)
・Search2(Google/Yahoo!検索)
・Action(購買)
・Spread(拡散)
の頭文字をとったものです。

VISAS(ヴィサス)と一番違うところは、UGCを消費者行動事例の分析の起点としているところです。

UGCとはUser Generated Contentsの略で、ユーザーの手によって制作・生成されたコンテンツのことです。

もともと企業のSNS活用は「お客様の声」や「商品モニター」のような形で行われていましたが、まだまだ旧態依然の範疇を超えるものではありませんでした。

しかし実際には企業主体のものよりも、一般ユーザーによる投稿コンテンツの方が消費者にとっては遙かに真実味があり、またエンターテインメントとして楽しめるものだったのです。

企業は自社商品に関するUGCをSNS上から収集し、マーケティングに活用するようになっていきました。

特に海外ではそういった事例が顕著に見られます。Appleは一般ユーザーがiPhoneで撮影した写真をそのまま広告に使用しています。

顧客体験により近い立ち位置で商品の魅力を伝えることで、それまでの何倍もの宣伝効果を産み出すことが証明され、それは世界でもトップクラスの企業でさえ、ごく当たり前のことになったということです。

消費者行動事例の分析に欠かせない消費者インサイトとは?

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消費者インサイトは、消費者行動事例を分析するうえで、今の時代には欠かせません。

消費者インサイトとは、消費者を購買活動に促すような、もともとは無意識の内に隠されている心理の洞察のことで、これによって新たな需要が創出されます。

近年では、消費者の心理をより深く掘り下げ、注意を喚起し、興味を持たせるようなマーケティング戦略に企業の関心が集まっています。

多くの企業が長年に渡り、より消費者の多様なニーズを満たすサービスを開発してきました。

更にインターネット時代では、消費者にとって情報が豊富な分、数多くの他社との比較も容易に行われ、競合他社に対する差別化によるアドバンテージを打ち出すことがますます難しくなってきています。

消費者のニーズを満たすだけでは、もう消費者に強くアピールすることが難しい時代になってしまいました。

また消費者は時として、自分の欲求を正確に把握できていません。やはり消費者のニーズ把握だけではそもそもマーケティングの限界があります。

消費者インサイトは潜在ニーズとも微妙な違いがあります。

潜在ニーズとは、消費者自身が既に無意識に持っているニーズのことです。しかし消費者インサイトでは、最初の段階ではまだ消費者の心の中に欲求が存在しません。

しかし消費者行動の数々の事例を分析し、その心理を1つ1つ理解していくことによって、本来消費者の心の中にはまだ存在していなかった欲求を引き起こすことができれば、新たな需要を創出することができるのです。

消費者行動事例の分析に成功した消費者インサイトの事例~Got milk?キャンペーン~

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消費者行動事例の分析に成功した消費者インサイトの事例として、最も有名なものが、Got milk?キャンペーンです。

1990年代当時、牛乳の消費量は著しく落ち込んでいました。

「牛乳には豊富なカルシウムが含まれています」

「牛乳は美容にも最適です」

主に健康面のメリットを強調して、広告プロモーションを行いましたが、売上向上にはなかなか繋がりませんでした。

その後、ミルクを全く飲まない人よりは、今ミルクを飲んでいる人の消費量を増やすことが先決だと考え、モニターを募集し、消費者の心理を分析調査しました。

分析調査の結果、被験者はミルク単体でなく、「○○とミルク」といった形でミルクを連想することが多いのだということがわかりました。

つまり牛乳売り場に広告を置くのではなく、クッキーやチョコレートのような牛乳と一緒に食べたくなるような売り場に「Got milk?」の広告を置いたのです。またTVのCMも必ず特定の食べ物と牛乳のイメージを組み合わせるようにしました。

結果は大成功で、牛乳を飲むのが好きだった人だけではなく、それまで牛乳をそれほど飲んでいなかった人たちにもこの広告戦略はアピールし、キャンペーンの翌年にはこの会社は約5.3%増の売上を達成しました。

そして今日まで消費者行動事例の分析に大成功した消費者インサイトの好事例として語り継がれています。

消費者行動を理解し、その事例を分析するための方法とは?のまとめ

以上、消費者行動を理解し、その事例を分析するための方法についてご説明させて頂きました。

消費者行動を分析し、最適なマーケティングに繋げていくのは、近年においてはとても難しいことになってきています。

何故なら欲しいものなら、もう充分に手に入る世の中になってしまったからです。その中において競合他社との差別化は困難を極めます。

しかし消費者心理の奥底を理解し、新たな需要を掘り起こし、成功を収めることのできた企業の成功事例は世の中にたくさんあります。

その為にはインターネット時代の世の中の変化を見極め、消費者インサイトの視点からマーケティングを見つめ直し、より良い営業活動に繋げていくことが大切です。

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