経営面の理由で「集客したい」「売上を伸ばしたい」と考えているとき『来店アンケート』がとても役に立ちます。
しかし、「どうやって作ればいいのか」「何を聞けばいいか」わからないこともあるでしょう。
本記事では、これからお店のために効果を発揮する『来店アンケートの製作時に考えること』を紹介します。
目次
来店アンケートの目的を明確にしよう
そもそも来店アンケートを実施するには『目的』があるのではないでしょうか。
『顧客満足度アップ』『集客率アップ』『売上アップ』など、経営や運営に携わる人だけでなくアルバイトで活動している人も、お客の考えを知ることで「店の今後」を考えられるようになります。
来店アンケートを目的別に実施した場合、以下のような結果に繋がりやすくなります。
顧客満足度アップ
『顧客満足度』は、お客が店や商品に対して満足しているかを数値で表したものです。
来店アンケートを実施してデータを集計し、実際のお客の心理を数値化します。
お客が購入した商品に対し「満足度は5段階でどの程度ですか」という質問事項などが役立ちます。
アンケート結果を見て、満足度が低い商品には改善策を考え、商品開発や主に売り出す商品を変更するなどの工夫を凝らします。
結果、お客が満足する商品を提供できるようになれば運営に好影響を与えます。
来店率(集客率)アップ
『来店率(集客率)』は、売上に直結する重要なものです。
1日あたりお客が何人来店しているかを調べ、1カ月の集計や年間の来店数を把握できるようになります。
多くの個人経営のお店では来店率を『売上÷単価』で集計していることが多いでしょう。
レジなどに表記される数値を利用したり、感覚的に把握している場合もあるかもしれません。
そのような時に、来店アンケートを実施することによって、正確な数値を把握できるようになるため、今後の対策を考えやすくなります。
売上アップ
『売上』は、全ての企業が意識している重要なポイントでしょう。
来店アンケートを実施することで、顧客満足度を向上させ集客率をあげます。
結果的に売上を上げる目的がある場合が多いのではないでしょうか。
企業の目的は『利益の追求』であるため、来店アンケートは利益を目的としていると言っても過言ではないでしょう。
来店アンケートの種類別【メリット】
来店アンケートを実施する場合、どんな方法でお客にアンケートを依頼するかを考えなければなりません。
『紙面』『Web』『直接』の3つの方法についてメリットを紹介します。
紙面でのアンケート記入のメリット
店舗に足を運んでくれたお客に対し、紙面の来店アンケートを実施する方法です。
飲食店などではテーブルの端に置いてあることが多いのではないでしょうか。
提供した商品への満足度や店員の雰囲気などを考え、お客が手書きします。
紙面アンケートのメリットは、店舗の雰囲気を肌で感じているお客の『生の声』をもらえる点です。
空想上の考えだけでなく、実際の商品に対する意見や店員の態度などを厳しい目で記入してもらえます。
Webでアンケート記入のメリット
ホームページなどに『Webアンケート』を載せると、お客の声を貰える場合があります。
お客側からすれば「直接言えない」と感じていることも、Webでアンケートすればお客の隠れた意見を見るきっかけに繋がります。
Webアンケートのメリットは、お客の隠れた意見を把握できる点です。
また、紙面と比べると集計しやすくデータに残しやすくなります。
事務処理が簡単であるため、店員の業務過多を防げます。
直接お客に聞くメリット
『お客に直接聞く』のは古くから使われている手法です。
商品を購入した方に対し、会計時などに口頭で意見を求めます。
お客と親しくなれる可能性が高く、確実性が高いため多くの店舗で取り入れている方法です。
直接アンケートのメリットは、お客の「生の声」をその場で聞けることです。
商品や店の雰囲気などだけでなく、なぜ来店したかなどの理由を聞けます。
お客と会話することになるため、親密度が上がり常連客を増やせるようになります。
来店アンケートの種類別【デメリット】
続いては、それぞれの来店アンケートのデメリットを解説していきます。
紙面でのアンケート記入のデメリット
紙面アンケートのデメリットは、多くのお客が「アンケートは面倒くさい」と感じる点です。
強制的に来店アンケートに協力させるわけにもいかず、不満があるお客が記入するとは限りません。
結果的に『良い意見』ばかりが集まることが多く、参考にならないときがあります。
Webでアンケート記入のデメリット
Webアンケートのデメリットは、ほとんどのお客が店舗のホームページを見ていないことです。
来店してから店舗ホームページを確認するのは珍しく、『本当に言いたいこと』がある場合にのみ『クレーム』や『喜びの声』が寄せられます。
データとなる母数が少なくなる傾向があるため、役に立たないと感じる運営者もいるかもしれません。
直接お客に聞くデメリット
直接アンケートのデメリットは、会話を好まないお客もいる点でしょう。
例えば、ラーメン屋に1人で来店した女性など、「単にお腹が減った」という理由だけかもしれません。
たまたま近くに店があっただけという理由で来店したお客に「なぜ来店したか」「店の雰囲気は?」などの質問はストレスを与えます。
結果的に再来店に繋がらないこともあるでしょう。
来店アンケートで聞くべき内容と工夫の仕方
「来店アンケート」には長所も短所もあります。
しかし、運営者が求める意見を集めるための方法として有効なのは間違いありません。
「運営側はお客の意見がほしい」「お客はアンケートは手間がかかるので面倒くさい」と考えています。
そのため、来店アンケートは可能な限りシンプルでなければいけません。
主に来店アンケートで聞くべき内容は以下のとおりです。
- 年齢
- 性別
- 職業
- 商品をどうやって知ったか
- 商品を購入した理由
- 商品に対する満足度
上記の4点を5段階評価で丸をつけてもらう程度のアンケートが理想的でしょう。
お客も「そのくらいなら協力する」と、気軽に記入してくれる場合が多いです。
お客の意見を「コメント」で求める場合にも「その他のご意見」などの項目に言い換えるなど、自由にお客の意見を記載できるような項目を作りましょう。
ここまで述べてきた「来店アンケート」は、どれも効果を期待できるものです。
しかし、お客にストレスを与える原因にもなります。
これまでの方法では、お客の「自由」が制限されるためストレスになる傾向があります。
そのため、近年ではスマホアプリを活用した「来客アンケート」を実施する店舗が増加しています。
アプリの「来客アンケート+クーポン」や集客率アップスマホアプリでの「来客アンケート」を、多くの人が使用しているiPhoneやAndroidに店舗アプリを入れてもらうことで、お客に情報を与える方法です。
店の情報を与えるだけでなく、「プッシュ通知」によりアンケートを実施できます。
アンケートをしてくれたお客に対しクーポンを発行するなど、工夫を凝らせば来客率アップに繋がりやすいでしょう。
また、「プッシュ通知」はお客が来店を意識していない場合でも「お店のことを思い出すきっかけ」に繋がりやすく、クーポンがあるならという理由で来客になります。
来店アンケートの作成手順
続いては、来店アンケートを実施するための作成手順を紹介します。
まず何から始めたら良いのか分からないという方は、参考にしてください。
目標・目的の設定
冒頭でもご説明の通り、まずはなぜ来店アンケートを実施するのかという『目的』や、来店アンケートを実施して最終的に集客や売り上げアップするなどの『目標』を設定しておきます。
これを最初に設定しておけば、後の手順もスムーズに進めることができるでしょう。
アンケートの種類を決める
紙面でのアンケート・Webアンケート・直接お客に聞くアンケートと、大まかにこの種類からどんな形で来店アンケートを取るのか決めます。
それぞれのメリットとデメリットを理解して、どの種類が自社に合っているのか考えましょう。
設問文・回答形式を決める
続いては、来店アンケートの設問文や、回答形式を決めていきます。
設問文を考えるのにそこまで考える必要はありません。
アンケートに適した設問文を作成するには、知りたい情報や欲しい情報から逆算して決めましょう。
また、主な回答形式は以下に記載したとおりです。
- 複数の選択肢から1つのみ選択
- 複数の選択肢から複数選択
- 複数の選択肢から重要だと思う順にランク付けする
- 自由に記載できるように回答枠を設ける
どこも大体、この中のいずれかの形式になっているはずです。
アンケートの作成
種類によって異なりますが、アンケートを作成するには以下の方法で行うといいでしょう。
紙面の場合は、ExcelまたはWordなどで作成したり、テンプレートのあるサイトを利用。
また、Webアンケートの場合は、フォームの作成ツールを利用したり、アンケートリサーチサービスを活用すると良いでしょう。
【まとめ】来店アンケートは目的を明確にして再来店の工夫が必要
あなたの来店アンケートの目的は何でしょうか。
来店アンケートは、単に実施するだけではデメリットがあります。
そのため、『目的を明確にする』ことが最優先であり、お客にストレスを与えない方法を考える必要があります。
近年ではアプリでアンケートに答えてもらう方法が、お客にとって最も気楽にアンケートを実施できる手段かもしれません。
店舗運営をしている方は、お客に満足してもらうことだけでなくストレスを軽減できることを意識しておくべきなのかもしれません。
来店アンケートは、どれも効果を期待できるものですが、近年では昔ながらの方法が受け入れ難い傾向もあることは否めません。
時に、お客にストレスを与える原因にもなりえるため、お客様に来店アンケートに答えるメリットを感じてもらえるようにする工夫が必要です。