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店舗&ブランド運営企業における「人財」とその育成とは?

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  • hatena

いかなる企業経営においても重要な要素となるヒューマンリソース問題。こと店舗&ブランド運営企業にとって常について回るのが、「人財」の確保という課題です。「人材」との違いに焦点を当て、ブランド力や企業価値の向上に寄与するような「人財」とその育成について考えてみましょう。

「人材」と「人財」の違いとは(人的価値という視点)

「人材」とは「才能がある人」「役に立つ人物」という意味を持ち、社会的に役に立つための素養を備えた人を指します。この場合の素養とは、適切な組織内配置のもとで発揮される仕事上の優れた力のことです。企業においては、その構成員として組織の中で業務をうまくこなす「オペレーション能力」を持っていることが重視されます。つまり、「人材」とは、その人が持つ「能力」にフォーカスした用語です。円満な企業経営をおこなうためには、この「人材」の獲得と活用は必ずついて回る重要な課題となっています。

こうした「人材」という言葉の代わりに、企業が「人財」という表記を使用することも近年では一般的になってきています。「物質的・精神的に効用を持つもの」「宝」といった意味を持つ「財」という字をあえて使用することで、その人の持つ能力だけでなく、人的価値に焦点を当てています。価値ある人物は企業にとってかけがえのない宝であり、投資することでさらに価値を高めることのできる存在であるというわけです。この「人財」がブランド力強化や競争優位性確立に貢献すると考える多くの企業で、時間とコストをかけて従業員の人的価値を向上させる取り組みがおこなわれています。「人財」という言葉は、従業員を人として大切にしようとする企業の姿勢を反映するとともに、「価値ある従業員であってほしい」という思いがこめられていると言えるでしょう。

「人財」に投資する

「人財」への投資を行うことは、会社が求めている人物像だけではなく、従業員自身が考えている未来に投資することにもなります。会社が決めた人物増を押し付けるのではなく、従業員自らがが「なりたい」と思い描いている将来を会社が後押しすればそれは本人のやる気や意欲にもいい影響をもたらします。結果的に従業員のスキルアップにつながり、会社としてもいい効果を期待できるでしょう。従業員の自立性を育てるという意味でも、重要なこと取り組みとなっていきます。

また、会社としては従業員に技術的なもののみではなく、コミュニケーション能力やリーダーシップといったヒューマンスキルも磨いてほしいことと思います。そのようなスキルに対しても会社が後押しすることで将来管理職として活躍する「人財」を育てることにもつながるでしょう。ヒューマンスキルは一朝一夕で身に着くものではありません。その分野も学ぶ方法も多岐にわたります。そのため、会社が求める人物像や経営方針を考慮して、まずどのような能力を伸ばしていくかをしっかりと見極めていく必要があります。いきなり完璧を求めるのではなく、方向性を絞って段階的に伸ばしていくことが大切になるでしょう。

「人財」の育成に必要なこととは(かけがえのない「人財」を育てるために)

一般的に、企業の価値を大きく左右するのは、事業環境や経営基盤といった要素に加え、従業員の質や成長意欲であると言えます。企業を構成するのは従業員であり、業務を担う従業員の成長は、売上やブランド力の向上を通じて企業の成長につながります。そのため、能力と成長意欲を併せ持った価値ある従業員こそが、競争力の源泉となる宝(=人財)となるのです。

では、この「人財」育成はどのようにして可能になるのでしょうか。

ここまで見てきたように、「人財」という言葉の示すところは「代替の利かない価値を有した人物」です。したがって、「人財」育成においては、通常の人材育成よりも個人の特性にフィットした内容を組み込むことが重要となります。能力開発はもちろん大切ですが、そこから一歩踏み込み、個人の成長意欲や志向に着目した上で従業員を育成することが大切です。成長しようとする意欲の程度、従業員本人が目指す方向性を理解し、それらに合った業務やカリキュラムを与えることでさらなる成長を促し、「その人ならではの価値」を高めることができます。成長意欲を削がないような待遇や配属の工夫といった、やりがいの創出も不可欠です。

また、従業員が常に成長しようと努力するための自律性を育てることも必要です。能力や素養を備えていても、自律性が十分に備わっていないために実力を発揮できていないというケースは多いもの。「どのような自分になりたいか?」を本人に問い、その目標に応じた努力を続けるための道筋を示すことができるとよいでしょう。自分の描くビジョンに向かって努力するのであれば、本人のモチベーションも高まることが期待できます。

様々なつながりを持つ従業員たち

店舗&ブランド運営企業に必要な「人財」とは(「人財」は向上心と自律性を持ち合わせた人物)

こうした一般論としての「人財」育成法を踏まえ、「店舗・ブランド運営企業に必要な『人財』とはどのような人物なのか?」を考えてみましょう。

近年、店舗&ブランド運営企業を取り巻く環境は劇的に変わりつつあります。ファストファッションが台頭して久しく、インターネットを主な販路とする企業の売上が伸長し、対面販売を主力とする企業は苦戦を強いられることも。人手不足も深刻な状況の中、ブランド力や企業価値の向上に貢献する「人財」の確保は企業にとって喫緊の課題です。

アパレル業界ではサブスクリプション方式のファッションサービスの出現やフリマアプリの盛況ぶりなどからも分かるように、競争の舞台は商品価値そのものよりも「いかに顧客に価値ある体験をしてもらうか」に着目したビジネスモデルへとシフトしています。店舗&ブランド運営企業で働く従業員はこのようなビジネスの潮流を敏感に読み、それに対応したサービスを考案・実行できる能力が要求されます。

店舗で働く従業員の場合、「どうすればインターネットショッピングに負けない付加価値を商品に添えて顧客に対応することができるか」といった、自分なりのサービス方法を自律的に考えられることが重要です。また、常に成長しようとする姿勢を持っていることもポイントです。従業員が自己研鑽を通じてサービスの質を高め、それが売上につながることで企業の成長を促す、という図式ができあがるのが理想的です。こうした「人財」を組織内に擁することができれば、従業員同士が切磋琢磨し、その能力をさらにブラッシュアップするという効果も見込めます。

店舗&ブランド運営企業に必要な「人財」まとめ

本記事では、店舗&ブランド運営企業に必要な「人財」とは何なのか、またその育成についてご紹介してきました。

1.向上心がある
2.自律的に考え、行動することができる

人物です。その他にも、コミュニケーション能力や協調性、専門性など、職場によってさまざまな能力が必要とされますが、それは育成によって個別に付加することも可能です。それに対し、「向上心」「自律性」は基礎的な素養として必ず備えていることが望ましいものであり、仕事を通じてさらに高めていきたいものです。こうした人物を「人財」育成によって「企業の宝」として育て、その定着を図り、組織の一員として大切にすることが店舗&ブランド運営企業に必要な戦略のひとつだと言えるでしょう。