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企業にとって必要な人事制度の構築を図るにあたって何をするべきか

HR
  • hatena

人事制度とは社員が楽しく働きだす評価の仕組みです。
一人ひとりが前向きに能力を発揮し、会社の成長に向かい働きだすためにどんな人事評価制度が求められているのでしょうか。
変化が早い市場環境に合わせた評価の仕組みやエンゲージメント向上が必要となります。

人事制度を構築するにあたって

人事制度とは、人員管理の効率化を図ったり、従業員のモチベーションやスキルの向上を図るため社員の処遇や働き方など、人事に関わる様々なルールを定めるものです。
主に、評価制度、目標管理制度、等級制度、賃金制度、退職金制度などがあります。
また、独自のユニークな制度を採用している企業もあります。

似ている言葉に「人事考課」があります。
意味上の違いはなく、同一視してもまったく問題はありません。
実際に人事考課と人事評価を区別せずに使用している企業も多く見られています。

企業のビジョンや目標を実現するためには、人的資源を有効活用することが不可欠です。
従業員一人ひとりのパフォーマンスを最大限に引き出し、
組織全体の生産性を向上させる必要があります。

そのために、企業はさまざまなマネジメント手法を駆使して、
人材管理に取り組んでいます。この人的資源を管理する人的マネジメントの
最も基本的なツールが「人事制度」です。

もしも企業に人事制度がなかったら、適切な人材管理が難しくなります。
資源を管理できていない状況で企業が成長し続けることは難しいでしょう。

このように、人事制度は企業が業績向上を目指すための要の戦略だといえます。

実際に人事制度を構築する

人的資源を最大限に活かすために「人事制度が担う役割」とは何なのでしょうか。
端的にいえば「人を育てること・モチベーションを引き上げること」ということです。

人事制度は「等級・評価・報酬」の3つの柱から成り立っています。
等級制度によってキャリア目標が明確になれば、その目標に向かって努力する意欲が生まれます。

評価制度によって強みや改善点を発見することは、その人材の成長に直結します。
自分の行動が認められれば、報われた気持ちになってモチベーションが上がります。

さらに、人には「ある行動をとって何か報酬が得られれば、その行動をとることが多くなる」という特性があります。組織のために一生懸命に働いた結果、適正な報酬を得ることができればその行動がさらに強化されていきます。

紹介した「等級・評価・報酬」の3つの柱を基軸とする人事制度は
現在、多くの企業で採用され主流となっているものです。

しかし、人事制度には「時代の流れとともに変遷していく」という特徴があります。
特に近年は、既存の人事制度に対して、以下の問題点が指摘されることが増えています。
主に、働き方の多様化や業務の個別化、ランク付け評価の限界などが問題となります。

店舗&ブランド運営企業が構築すべき人事制度とは

店舗やブランド運営を行っている企業が構築すべき人事制度について、現在の人事制度の問題点も踏まえて必要な概念としては、
個々の成長欲求を理解して、それぞれに「成長」を「実感」させることで 前向きな力を生むこと
だと考えます。

「成長している」「成長の可能性」を実感できるか?

まずは仕事ではなく、趣味やスポーツに置き換えて考えてみましょう。
例えば野球。始めたばかりの初心者のころは、こんな小さなボールをわざわざ打ちにくい道具を使って、大の大人がなぜこんなに夢中になるのか、さっぱりわからなかったのではないでしょうか。

ですが上手くなる方法を考えて、いろんな人にアドバイスももらって、ある時きれいな軌道でヒットが打てたり、想像した場所に上手く投げられたりするとちょっと気持ちが晴れやかになったことがありませんか?

スイングを少しずつ改良して、練習を重ねて努力をすると、その成果が確実に表れてくる。
まさに自分が成長していることがわかってくる。

そうしたら、気が付いたら寝ても覚めてもずっと想い描くほど夢中になっている…

人は成長を実感すると、ワクワクして、もっと成長したくなるもの。
仕事も一緒です。人は仕事でも成長を実感できると仕事が楽しくなり、簡単には辞めなくなります。
そして「もっと成長したい」という前向きな気持ちが生まれます。

以上を踏まえた上で構築すべき人事制度とは

1.自分が望むべき成長が描けているか?成長を実感できる指標があるか。
2.自分が望む将来性のポジションや成長の可能性を提示できているか。

代表的な人事制度構築の事例

ここでは、代表的な人事制度である「等級・評価・報酬」とは別に、成長を実感することがしやすく、企業の理念やブランド向上を目的とした事例を紹介したいと思います。

フリマアプリで一躍有名になった株式会社メルカリを例に考えてみましょう。
同社の人事評価制度は「OKR(定量評価)」と「バリュー評価(定性評価)」の2軸で
四半期ごとに評価を実施しています。

「OKR(定量評価)」は、アメリカのGoogleやIntelが取り入れて実際に成果を出していたことから着目されるようになりました。
評価の際は、OKRの達成度合いではなく、プロセスに注目して評価を行います。
四半期ごとに設定した個人OKRに対して、達成するプロセスの中で上げられた成果やパフォーマンスを見ているそうです。

「バリュー評価(定性評価)」では、会社の3つの行動指針をどれだけ実践できたかを評価しています。メルカリではバリューの重要性を日々言い続けているそうです。
バリュー評価を行うための材料としてピアボーナスのタイムラインを参考にしている他、ピアボーナスを多くもらった人・送った人を表彰して個人の成果を共有しているようです。

出典:GLOBIS知見録 『メルカリの「バリュー」を実現するための人事制度とは?

人事制度の構築まとめ

本記事では、人事制度の構築方法や、成功している企業の実例を紹介させていただきました。

店舗やブランド運営企業をはじめベンチャー企業等が、創業期から成長期に移行し、中規模化や大規模化をしていく中で、人事制度の見直しを迫られるケースが見られました。
近年は働く環境を整備する目的で人事制度を見直す傾向が強まり、人事制度の再構築に注目が集まっています。人事制度は企業の事業目的や事業戦略、人事戦略と一体で考えることが必要です。

適切な人事制度を構築することで、社員が気持ちよく働けるようになるだけではなく、企業の業績向上にもつながっていきます。
企業によって求められていることは異なるので、最適な人事制度を日々模索していく必要があるでしょう。