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パートやアルバイトが辞めない教育方法とは? 辞めない人材を育てよう

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  • hatena

採用してもすぐやめてしまったり、定着率が上がらなかったり、パートやアルバイトに困っている企業担当者の方も多いのではないでしょうか。
貴重な戦力として職場に定着させるためにも、パートやアルバイトの“教育”が必要不可欠といえます。
今回はパートやアルバイトの教育について必要なことを紹介していきます。

パート・アルバイトが定着出来ない理由と教育の重要性

パート・アルバイトが定着しない理由

パートやアルバイトの定着率を上げる、教育方法を知る前にまず理解しなければならないことは「なぜ辞めるのか?」ということです。

辞める際に本人に聞いてもなかなか本音では教えてくれず、さらにはパートやアルバイトの場合には突然連絡が取れなくなって辞めてしまう人も少なくはありません。

離職率推移グラフ出典:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/19-2/dl/kekka_gaiyo-01.pdf

 

上記グラフは2005年以降の正社員とパート(アルバイトも含む)の離職率推移を表したものですが、正社員に比べパート労働者の離職率は2倍以上も高いということがわかっています。

アルバイトが辞める理由TOP5の割合図出典:https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/45932/

 

パートやアルバイトを辞める理由で上位3つの理由は「職場環境」「人間関係」「給料」に対する不満となっています。

職場関係の不満とは、具体的には「忙しすぎる」「シフトを勝手に入れられる」などが挙げられます。また、人間関係の不満は「店長や社員の雰囲気が悪い」「バイト仲間がつまらない」などの意見があります。給料の不満は「時給が上がらない」「○○君より時給が安い」といった時給面についての不満があります。

このように離職理由も様々なことに加え、離職率も高いパートやアルバイトを定着させるには正しい“教育”が重要になってきます。

なぜパート・アルバイト教育が重要なのか?

パートやアルバイトの教育がなぜ重要になるかと言うと、定着率が上がることに他なりません。パートやアルバイトの定着率が上がると企業にとってのメリットは次の通りとなります。
なぜパート・アルバイト教育が重要なのか?
せっかく費用を掛けて人材を採用しても、すぐに辞めてしまった場合は再度費用を掛けて採用を行う必要がありますが、採用した人材が定着してくれると全体の採用コストを削減できます。

また、パートやアルバイトを戦力化するためには研修などの教育が必要になりますが、教育をするにも教育側の時間や人手といったコストが掛かりますが、辞めなければその手間は最小限で済みます。

さらに、パートやアルバイトの立場でも時間が経つにつれて仕事の習熟度は上がっていき、仕事のクオリティが上がることで顧客満足度が高まります。

その結果、企業全体の売上UPに繋がっていくと言えることから、パートやアルバイトを教育して定着させることは非常に重要なことと理解できるでしょう。

パートやアルバイトの教育で必要なこととは?

パート・アルバイトの教育方法

パートやアルバイトの定着率を上げる教育方法はどのようなものがあるか紹介していきます。教育する際に重要な考え方は「気持ち・態度」「マニュアル」「行動基準」の3つになります。

パートやアルバイトの教育で必要なこととは?

もう少し詳しく解説していきます。

①仕事を丁寧に教える(面倒くさい態度はNG!)・・・(気持ち・態度)

正直言ってパートやアルバイトを教育するのは非常に骨が折れる仕事でしょう。一言にパートやアルバイトといっても主婦から学生まで幅広い年代の人がいるので、経験値や能力は様々です。

だからと言って、面倒くさそうに教えたり、自分でやった方が早いからと言って適当に教えたりすることはNGです。パートやアルバイトに対しても丁寧に仕事を教えなければ「社員の雰囲気が悪いし、辞めたい」「忙しそうで、仕事を教えてくれない」という状況を生み出してしまいます。

そのため、パートやアルバイトに対しての教育の大前提は方法論というより、むしろ教える側の気持ちや態度面を注意しましょう。

②仕事の再現性を高めるマニュアルを用意・・・(マニュアル)

パートやアルバイトの中には仕事の経験が乏しい人も多くいます。現場の戦力として働いてもらうためには社員や他の先輩と同じように仕事ができるような手順書やマニュアルを用意する必要があります。

マニュアルを用意する場合も、極力難しい言葉は使わないことや、文字だけでなく写真を使うなどして、初心者向けに作る工夫をすることで仕事の再現性が高まっていきます。

マニュアルを覚えてもらうことは、その企業で働く上での基礎になるので非常に大切な項目なのでマニュアル作りは時間を掛けてでもやるべき仕事と言えます。

③行動基準を示そう・・・(行動基準)

マニュアルを覚えるだけでは、1つ1つの作業としての再現性は上がりますが、仕事の全てに対応できるわけではありません。

マニュアル通りに仕事をしていても上手くいかないケースもありますし、予測不可能な事態も起こります。そのため、企業や現場として優先すべき事項は何かを示すことが重要になります。

この「優先事項」を示すことが出来れば、仕事を行う上で「何のためにするのか」という問いに対して、その現場が「優先すべきことのために行動する」という意識が生まれていきます。

例えば、飲食店の場合を考えると優先事項は「お客様の満足」だったとします。接客をする際のマニュアルにわざわざ「お客様の求めているものをオススメする」とは書きませんが、「お客様の満足」を最優先に考えた行動であれば自然とお客様に合わせたオススメを意識するようになります。

このように、企業や現場の「優先事項」は何かをパートやアルバイトにもしっかりと共有をして動いてもらうように働きかけることが教育をしていく中では最も重要になります。「マニュアル+行動基準」を示せる企業はパートやアルバイトでも素晴らしい戦力となっていきます。

正社員への教育と、パート・アルバイトへの教育との違いは?

正社員への教育と、パート・アルバイトへの教育との違いは?

正社員への教育とパート・アルバイトとの違いはどこにあるの?

実は正社員への教育とパートやアルバイトとの教育の違いはほとんどありません。ただ、決定的に違う点としては「対象年齢が幅広い」という点と「辞めるハードルが低い」という点で、これらに気を付つけて教育していかなければならないということです。

正社員であれば、ほとんどが新卒一括採用を経て入社してくるので、同期の多くが同年代になり、比較的早期に会社に馴染みやすいと言えます。また、中途採用の場合は前職での経験があった上での転職なので仕事の立ち上がりは早いと言えます。

一方でパートやアルバイトは主婦から学生まで老若男女問わず幅広い層の人がいるため、一人ひとりのペースや能力に合わせた教育を実施していく必要があります。
また、前述の離職率のグラフからもわかる通り、パートやアルバイトは正社員に比べて辞めるハードルは非常に低いと言えます。少しでも不満を抱えてしまうとすぐに辞めてしまうので、配慮をした教育を実施しなければなりません。

パート・アルバイトへの教育の前段階の素早く職場に馴染ませる方法

パート・アルバイトへの教育の前段階の素早く職場に馴染ませる方法
「老若男女問わず幅広い年齢層」「辞めるハードルが低い」という特徴を踏まえた際に重要になってくることは、少しでも早く職場に馴染ませて居心地の良い空間と感じさせることです。

職場に対して居心地の良さを感じてもらうためには出勤初日が特に重要で、具体的なステップとしては、次の通りです。

1.出勤初日は全体で歓迎する
→不安な気持ちを和らげましょう

2.仕事以外の会話も積極的に行う
→共通点が見つかれば馴染みやすくなります

3.終業後のフィードバックを忘れずに!
→「お疲れさま」以外に働いた感想など聞いた上で次回の期待を述べましょう

このように少しでも職場になれる工夫を図ることで、教育をする土台を作っていくことを心掛けましょう。

パートやアルバイトが辞めない教育方法とは?まとめ

今回はパートやアルバイトが職場に定着するために必要な、教育の重要性や方法について紹介してきました。
離職理由も様々なパートやアルバイトを定着させるための教育は、大変な業務ですが重要なことです。
定着率が上がると様々なメリットがあり、企業全体の売上UPに繋がっていくと言えることから、パートやアルバイトを教育して定着させることは非常に重要なことと理解できるでしょう。
教育する際には、重要な考え方の「気持ち・態度」「マニュアル」「行動基準」の3つに重点を置き教育していきましょう。
パートやアルバイトの定着で悩んでいる企業も多くありますが、そのような状況で困っているときは教育方法について見直してみるとよいでしょう。