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自社らしい人事評価制度を導入して業績アップに繋げよう

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  • hatena

企業によって求められている人事評価は異なります。適切な人事評価は、優秀な人材へと成長させ企業への貢献度にも影響を与えるでしょう。

ここでは人事評価制度の導入やどんな施策を実施すべきか、人事評価とは何かなど、特徴も踏まえて紹介していきます。

人事評価制度について

人事評価制度とは、従業員の能力や企業への貢献度、業務の遂行具合などについて評価を行い、その結果を従業員の処遇に反映させる制度のことになります。評価基準は企業によってさまざまですが、四半期・半年・1年など一定の期間ごとに評価を行う企業がほとんどです。
人事評価制度は、主に「評価制度」、「等級制度」、「報酬制度」の3つの要素からなります。

人事評価制度の変遷

従来の日本企業は「終身雇用」を前提とした年齢や勤続年数に応じて給与や役職を上げる「年功序列」の考え方が一般的でした。
しかし、近年の景気の変動や雇用情勢の変化、グローバル化や働き方の多様化などにより
終身雇用を取り入れる企業が減少し、それとともに業績や貢献度等で評価する「成果主義」や、プロセスを評価する「能力主義」に基づく人事評価制度が取り入れられるようになりました。

2016年12月に政府が発表した『同一労働同一賃金ガイドライン案』では正規雇用労働者と非正規雇用労働者の不合理な待遇格差の是正を目指し“業務内容が同じか同等であれば、雇用形態が違っても同じ賃金を支払うべき”という考えを示しています。実際の業務とは直接関係のない年次や雇用形態を理由とした給与の格差を無くすためのものであることから、政府の方針も成果主義に変わってきていると言えます。

店舗&ブランド運営企業が行うべき人事評価の制度とは

店舗やブランド運営企業が考える人事評価として、例えば、飲食店での人事評価について考えてみます。
人事評価のミッション、ビジョン、バリュー

飲食店での評価の作り方

飲食店での評価の作り方として、基本的には以下の3つの項目があります。

①売上高
②原価率
③人件費率

こちらに関しては単純に実績÷目標(予算や前年実績)で計算することができます。
例えば、売上予算が半期で3000万円で、実績が3500万円の場合は達成率116%というようになります。

ここで一つ気をつけなければならない点は、原価率と人件費率の達成率です。
原価率と人件費率は予算より実績数値が高い方の評価が下がってしまうので、逆の割り算となります。

例えば原価率予算が30%で実績が28%の場合なら
予算30%÷実績28%で達成率は107%となります。

また、店舗の修繕費や急な退職者補充の為の求人費等は事前の予算化が難しく、(積立)予算化する等の取決めも必要となります。

個人スキルについて

個人スキルに関しては、ホールであればお客様が来店してから退店されるまでに「やるべき事」=「あるべき姿」をまとめていきます。
もちろん業態等によって違いがあるので臨機応変に対応してくださいね。
「ポジション」×「作業カテゴリー」で設定していくと、簡単に評価項目を作る事ができると思います。

理念や行動指針が人事評価制度に与える影響

人事評価制度には理念/行動指針が大きく関わってきます。
前項と同様に、飲食店を例として人事評価について考えていきましょう。

「理念」では抽象的な表現が多く、評価を行う際の判断基準が難しいので、理念/行動指針として考えます。
例えば、経営理念が「食を通じて地域社会に貢献する」であった場合に、これだけでは曖昧なためスタッフを評価する事はできません。
この経営理念を体現する為に日々意識するべき具体的な行動を示す必要があります。
それが「行動指針」となります。
これら行動指針の達成度に関しては、「点数化」>「自己評価」>「上長評価」という流れで行っていきます。
行動指針や理念等はどうしても評価する側の主観が入ってしまうため、評価にバラつきが出るといった課題があります。
この課題に対して、定性評価においてスタッフを完璧に評価するのは非常に困難です。

しかし、評価制度において大切なのは「評価すること自体」では無く、その評価の結果を本人にしっかりフィードバックを行い、「経営者の想い」や「そのスタッフの職責における会社の求める姿」と「本人の認識」との目線合わせを通じて、新たな目標を設定していくことです。そうすることにより、スタッフの成長を促していくことができるのです。

人事評価制度システムを導入するメリット

定性評価においてスタッフを完璧に評価するのは非常に困難な中、システムを導入し、より理想に近い評価制度を実現した事例を紹介します。

美容サロン運営A社

『若手のキャリアアップを支えていける制度を』
約8年前、相対評価で人事評価制度をつくりました。
内容はブラッシュアップしてきましたが、人事評価システムの導入を決めたのは、現行の制度では、給与・賞与への反映が難しく、業績と連動させていくことに不具合が生じてきたことがきっかけです。
人事評価制度を内部だけで変えていくことは難しいですし、今では若い人のキャリアアップを支えていける、そんな制度が必要だと感じたため。

『「会社の全体感」を捉える中間管理職育成へ』
人事評価システム導入によるメリットは、評価することを通じて、中間管理職のメンバーが一層成長していくことです。
店舗が違えば、違う評価者が、これまた違う被評価者を評価することになります。
すると、やはり評価の甘辛が出ます。これを、本部だけで調整・精査するのではなく
評価者が能動的に集まり、お互いの評価を見てディスカッションをする。このように、自身の部下はもちろん、会社の全体感等を学びよりリーダーシップを高めることに繋がります。
参考:人事評価システム 「中間職の育成と自ら動ける人材への成長を求めて

人事評価制度まとめ

本記事では、人事評価をする際の方法や注意点、メリットをご紹介してきました。
企業によって求められている評価基準は大きく異なります。
人事評価の特徴を適切に理解し、自社にあった評価基準を明確にしていくことが大切です。適切な評価を行うことで、人事評価というPDCAを回すことになり、主体的に行動ができる優秀な人材の育成へとつながっていくでしょう。

それは結果的に、自社の仕事を通じて、従業員一人ひとりが輝けるキャリアを会社として用意することにもなるのです。将来、会社という看板を持たなくなっても個人としてどのような環境に立たされたとしても通用できる人材へと従業員を成長させ、企業への貢献度も上がるのではないでしょうか。