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オムニチャネルの事例を4つ紹介|メリットや共通点も解説

マーケティング
  • hatena

あらゆる流通経路を統合し、企業と顧客の接点を増やすという販売戦略である「オムニチャネル」ですが、今では様々な場所で聞くようになりました。

今回は、国内に存在する様々な事例の中から特に成功しているものを4つ紹介していきます。

オムニチャネルの事例①:ABC-MART


まずは1つ目のオムニチャネルの事例としてABC-MARTをご紹介します。

ABC-MARTとは、シューズや衣料品を取り扱っている小売業界の大手企業です。国内に1027店舗のチェーン店を抱えています。

顧客がシューズを購入する際に一番考慮しなければならないのはサイズの問題です。

  • 実店舗に求めているサイズがない
  • オンラインで購入するときにサイズ感が分かりにくい

などの問題が起こることが多いです。

そこでABC-MARTは、ECサイトで顧客が選んだシューズを最寄りの店舗で試着し、そのまま購入できるというシステムを導入しました。また、最寄りの店舗に顧客が求める在庫がない場合は他店舗の在庫を調査し、在庫がある店舗に取りに行ってくれるというサービスを行っています。もし近くの他店舗に在庫がなかった場合は店頭にあるタブレットを通してECサイトから在庫を探し、自宅までの配送を注文することができます。

このような販売戦略を行ったことにより、顧客が求めるシューズのサイズが実店舗になかった場合の機会損失を防ぎ、売り上げの向上につなげることができました。また、顧客の視点から見てみれば至れり尽くせりの状況になるため顧客満足度が上昇し、ロイヤルティの向上につながり、リピート率を向上させることができます。

ABC-MARTのオムニチャネルの事例は機会損失を防ぐという点で非常に分かりやすい例となっています。

オムニチャネルの事例②:スターバックス

続いて2つ目のオムニチャネルの事例はスターバックスからご紹介します。

スターバックスとは、世界に31256店舗のチェーン店を抱えるコーヒーをメインに取り扱う企業です。スターバックスは、スターバックスのアプリから顧客が実店舗に来店する前に商品を注文し、決済するシステムを導入しました。

結果は以下の通りです。

  • 全体の6%の決済が店舗に来店する前に行われた
  • 利用率が上位の600店舗で、最も利用が多い時間の注文、決済の20%がアプリのよって来店する前に行われた

アプリのよって実店舗に来店する前に決済を済ませることで、実店舗で行う処理が減り、作業の効率化につながります。また、顧客がアプリで決済する場合はスターバックスがクレジットカード会社へ支払う手数料を抑えることができます。

そしてもう1つ、機会損失を防ぐという点でのメリットもあります。実店舗のみの注文や決済のみの場合、込んできてしまう可能性があります。店舗が込み、行列ができている場合、スターバックスでコーヒーを買うことを避けようとする顧客も少なくありません。
しかし、アプリで事前に注文や決済を済ませている場合、顧客が来店してから商品を受け取るまでの流れがスムーズに進み、混雑を防ぐことができます。混雑を防ぐことができれば、込んでいる店を避けようとする顧客の機会損失を防ぐことができます。

スターバックスのオムニチャネルの事例は機会損失を防ぐという点だけでなく、作業の効率化という企業側のメリットも分かりやすい例となっています。

オムニチャネルの事例③:無印良品

3つ目のオムニチャネルの事例は無印良品からご紹介します。

無印良品とは、シンプルなデザイン、包装の自社開発の商品の販売を行っている企業です。現在は全世界に700店舗を抱えていて、自社開発の商品は7000アイテムを超えています。

無印良品は、公式アプリのユーザー、MUJIカードのユーザー、クレジットカードの所有者に対してなんの予告もなしに突然ボーナスポイントを配布しました。ボーナスポイントの通知が顧客に送られた翌日は、予想をはるかに超える数の顧客が来店しました。さらに、ボーナスポイントを配布してから1~2年経った後も来店客数の増加という形で良い影響を与え続けました。

また、ボーナスポイントを配布したことにより公式アプリのユーザーの数が増え、新たに強力な流通ルートを確保したことによりチラシを全面的に廃止することになりました。チラシを全面的に廃止したことにより、広告にかかるコストを大幅に減らすことができました。たった一度のボーナスポイントの配布によって中・長期的な売り上げの向上や広告費の削減、顧客のロイヤルティの上昇など様々なメリットをもたらし、事業に大きなインパクトを与えました。

無印良品のオムニチャネルの事例は最もインパクトが強く、利益の増加が目に見えて分かります。

オムニチャネルの事例④:セブン&アイ

最後はセブン&アイからオムニチャネルの事例をご紹介します。

セブン&アイは、コンビニエンスストアや百貨店、スーパーなど多くの系列店を抱えた大手の企業です。セブン&アイが手掛けるオムニチャネルとしての販売戦略として、「オムニ7」というスマートフォンアプリがあります。スマホアプリを顧客に利用してもらうことによって、企業と顧客がより簡単により自由にコンタクトをとることができます。

オムニ7を利用するメリットとしては以下の通りです。

  • セブン&アイ系列のチェーン店が販売しているオンライン商品を購入した場合、最寄りのセブンイレブンで受け取れる
  • セブンイレブンでオンライン商品を受け取った場合セブン&アイ系列の共通のポイントが貯められる

セブンイレブンでオンライン商品を受け取った際は現金やクレジットカード以外にナナコなどの決済方法が用意されていますし、セブンイレブンで返品、返金もしてくれるため顧客としては大変便利です。便利性の向上により顧客のロイヤルティを向上させることで売り上げやリピート率の向上につながります。また、サービスの利用時にポイントがたまることも再購入の促進を行うことができ、売り上げやリピート率の向上につながります。

圧倒的な店舗数を誇るセブンイレブンがあるからこそのオムニチャネルの事例でした。

まとめ:オムニチャネルの事例から分かること

ここまで4つのオムニチャネルの事例を見てきました。
これらのオムニチャネルの事例に共通しているのは、「オムニチャネルを取り入れたことが事業の発展につながった」ということです。それぞれの企業の形態や持っている流通経路などによってオムニチャネルの内容は変わってきますが、どの企業も巧みに顧客の機会損失を防ぎ、企業と顧客の接点を増やしています。
顧客との接点が増えればそれだけ注目され購入の機会が増えることは明らかです。
また、オムニチャネルは顧客側にとって利便性が上がったと感じることがほとんどです。企業の持つ様々な流通経路と顧客を簡単につないでくれることにより、顧客が購入する際にかかるコストを削減することができます。

オムニチャネルは企業にも顧客にもメリットのあるWin-Winの販売戦略です。スマホでショッピングをすることが当たり前となった現代では必要不可欠な存在と言えるでしょう。