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店舗・ブランド運営のマーケティングのカギは「ターゲット設定」

マーケティング
  • hatena

店舗運営やブランド運営にもマーケティングが欠かせません。前回は新規顧客獲得に活用できるマーケティング手法をご紹介しました。文字数の関係で一部しかご紹介できませんでしたので、今回もさらに新規顧客獲得に活用できるマーケティング手法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

新規顧客に重要なマーティングのターゲット設定

新規顧客に重要なマーティングのターゲット設定店舗運営をする上で新規顧客の獲得は必要不可欠です。新規顧客を獲得するためには、無闇矢鱈にチラシを配布やデジタルマーケティングを行ったとしても効果をかんたんに得ることはできません。

店舗においても新規顧客を獲得する上で、どのような人を狙うのか、その人がどのようなことに興味があるのかを把握するといったターゲットの設定が重要です。このターゲット設定はマーケティングにおける基本ともいえるため、マーケティングをする際には必ず考慮するようにしましょう。

ターゲットを絞る際、ただ性別や年齢だけで考えるのではなく、より具体的に候補を挙げて計画していくことが重要となります。その消費者がどのような趣味をもっており、どのように毎日を送っているのかなど、消費者を具体化させ、様々な観点から行動を考えていく必要があります。

そうすることによって、どのタイミングでお客様が店舗に来店するのかなども予測することが可能となり、コミュニケーション手段やコミュニケーション内容も明確になっていきます。

この記事では、ターゲットマーケティングで得られるメリットや、ターゲットの趣向、コミュニティやエリアを軸にした具体的な手法をご紹介します。

ターゲットマーケティングのメリット

ターゲットマーケティングのメリット昨今、消費者の求めるものは多種多様になっており、一部を除外して決まったマーケティングの方法を取ることは難しくなっています。その中で注目されているのが「ターゲットマーケティング」です。ここでは、ターゲットマーケティングを行うことで得られるメリットをいくつか紹介します。

1.他社との競争を回避できる

一部の市場に限って言えば、必ずしも大企業が勝利しているわけではありません。ターゲットを絞ることで、独占市場を作ることも可能なのです。他社がまだしていないアプローチを見つけマーケティングを仕掛けることが重要となるでしょう。

2.顧客のニーズ把握

一般的なマーケティング手法では、広く分析する代わりに、特定の分野に対しては理解が浅くなりがちです。その反面ターゲットマーケティングは必然的に顧客ニーズへの理解が深まるため、顧客情報を詳しく把握することができます。

3.コスト活用の有効化

コストをいかに有効利用できるかは企業にとっての大きな課題です。その点、ターゲットマーケティングでは、消費者全員を分析する必要はなく、ほとんどを特定の範囲の調査に費やすことができるため、時間や労力といったコストを削減することが可能となります。

SNSがターゲットのマーケティング手法

SNSがターゲットのマーケティング手法主流なターゲットマーケティングの一つとしてSNSを用いたものが挙げられます。

「SNSマーケティング」とは、言葉のとおりソーシャルメディアを活用したマーケティング手法です。現在多くの消費者がFacebookやInstagramを活用しており、ほとんどの日本人は利用したことがあると思います。そのため、ソーシャルメディアをきっかけに商品が広く認知されるということも少なくありません。現在ソーシャルメディアの活用は企業だけでなく、店舗においても必須になっています。

ソーシャルメディアの活用メリットは大きく2点あります。SNS上はコミュニティが出来ているため、狙ったターゲットに向けて情報発信が出来る点です。年齢、性別以外に好みなど細かなターゲティングができます。もう1点は、顧客との双方向のコミュニケーションが出来ることです。通常のコミュニケーションでは、企業や店舗側から一方的になってしまいます。しかし、SNSの場合は例えばお客様の質問に答えたり、リクエストに回答するなどすることにより、顧客への信用も築けます。

次項で、SNS以外を対象としたターゲットマーケティングをご紹介します。それぞれ異なる視点からマーケティングし、コミュニケーションを行っています。

その他のターゲットマーケティング

MacBookProを使っている人

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、潜在顧客に有用な情報を提供することで、顧客をファン化し、最終的な購入に繋げることです。コンテンツはウェブサイト上でのブログやYouTubeでの動画、FacebookやInstagramなどSNSのポストなどがあります。

コンテンツマーケティングのメリットは、1点目は、店舗がもともと持っているナレッジなどをベースに作成できるため低予算で作成からはじめられることです。2点目は、従来の広告配信などの手法とは違い、コンテンツがホームページ等に蓄積されるため資産となることです。

その結果、継続的な顧客開拓が出来るとともに、SEO対策にも活用できます。一方デメリットとして、コンテンツマーケティングは配信費用がかからないが、コンテンツの作成に手間がかかること、そして自然流入を期待するため、成果が出るまで時間がかかることです。

コンテンツマーケティングのポイントは顧客が求めている情報を把握し、提供することです。常にどんな顧客を狙っているのかを意識した上で、コンテンツを考えるようにしましょう。

コーズ・マーケテイング

コーズマーケティングとは、自社のプロダクトや売上を通して社会貢献、環境保護などにつながることを訴求する手法です。例えば、「この商品を買うと売り上げの10%を寄付します」などの事例などがあります。

具体的には、TableForTwoなど食事代の一部が途上国の給食費として寄付されるなどNPOもあります。このように社会貢献や環境保護などに参加していることが店舗への信頼度に繋がり、新規顧客開拓のきっかけにもなります。

しかし、一方で取り組もうとしている中身が軽薄だったり、言葉だけだったりすると顧客からの信頼を失うことにも繋がるので注意しましょう。

エリア・マーケティング

エリア・マーケティングとは、地区やエリアなどを区切って特定の地域内でマーケティングをするというものです。例えば、GISと呼ばれる地理情報システムを元に商圏分析を行い、ファミリー層が多い層や競合店舗がいる周辺などに絞ってチラシなどのポスティングをすることなどがあります。

その他に、リスティング広告も配信エリアを、県レベルだけでなく、最小16㎞の範囲内までに設定することも可能であり、特定のエリアだけのコミュニケーションをすることも可能です。

また、近年はスマートフォンの位置情報機能やiBeaconを活用した事例もあります。例えば、店頭近くの10Km圏内に入った顧客に対して、アプリのプッシュ通知で本日のお得情報などを送ることにより、来店促進などに繋がります。

既存顧客に想起してもらうことが一つのゴールです。エリア・マーケティングをする際のポイントは、自社のターゲットを認識した上で、どのような層を狙うのか、どこにそのターゲットがいるのかという商圏分析をしっかり行うことです。

ターゲットマーケティングまとめ

本記事ではターゲットマーケティングのメリットやその具体的な手法などをご紹介してきました。いかがでしたでしょうか?

新規顧客獲得を狙う時に、ターゲット設定をせずに全方位的にコミュニケーションを行ってしまっていた方も多いのではないでしょうか。しかし、店舗運営においてもターゲット設定が欠かせないことは今回の記事でご理解いただけたと思います。

現在は、デジタルテクノロジーの発展により、顧客の様々なデータを把握することが可能になっています。自社が求めるターゲットがどのような人なのかを検討した上で、そのターゲットを狙ったマーケティングを実施しましょう。まずは、既存顧客にどのような人が来ているのかを分析することからはじめてはいかがでしょうか。