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新規顧客や来店促進に効果を出すためのO2O施策とは

OMO
  • hatena

「O2O」というと、メルマガやクーポン配信などのネットのツールを利用した告知や集客に目が行きがちですが、「来店者にいかにリピーターになってもらうか」「来店時間を心地よく利用してもらえるか」ということにも「O2O」が活用できるのです。

今回は、そのような「来店者に対してのO2O策」を紹介します。

O2O施策によるリピーターの来店促進は費用対効果が高い

「新規顧客や来店促進のためにクーポンをネット上に出しているけど効果があまり出ていない・・・」「FacebookやTwitterでのアクセスは多いのに、来店に繋がっていない・・・」と思ったことはありませんか?

自社ホームページやSNS、食べログやホットペッパーなどのポータルサイト上の自社のページに来たネット上のユーザーの内、実際にお店に来たことのある「来店経験者の割合」は、どのくらいでしょうか?一度来店していただいたお客様は「そのお店が生活圏内にあるため、再来店の可能性が高い」「お店の場所、道順を知っている」「商品に興味関心を持ったことがある」という3つの条件を満たしたことになります。

行ったことのないお店に、わざわざ所在地を調べて、地図を見ながら出向くのは、とてもハードルの高いことです。実際に一度来店して利用していただいたお客様というのは、紙面やPC・スマホ上の画面から伝わる情報と異なり、体感をしていただいているので来店のハードルは低くなります。

まずは新規開拓のために、集客にお店の商圏に住んでいる年齢や性別、住んでいる地域などの属性や、検索ワードでターゲティングして広告に予算を投入するよりも、上記3点を満たす「来店者」を対象として来店者の来店頻度を高める仕組みつくりをした方が、はるかに集客に繋がる可能性が高くなります。

【O2O施策による再来店のためのPR策】アプリダウンロードでお得に

GUモバイル会員特別価格出典:GU(ジーユー)のお買い物を割引クーポン・スマホアプリ・クレジットカードなどで安くお得にする方法

ファストファッションの「GU」では、売れ筋商品の値札に2種類の値段がついており、購入するなら「モバイル会員アプリをダウンロードした方が明らかにお得」ということが店頭で一目で分かるようにしています。「モバイル会員」と言っても、メールアドレスなどの個人情報を開示する必要はなく、レジで用紙に名前等を記入する手間もなく、アプリをダウンロードするだけ。

対象の商品と一緒にレジで「アプリ会員証」を提示すると割引が適用されます。また、不定期ではありますが、GUアプリをダウンロードするだけで、店舗やオンラインストアで使える割引クーポンがもらえます。

GUクーポン出典:GU(ジーユー)のお買い物を割引クーポン・スマホアプリ・クレジットカードなどで安くお得にする方法

このように“入会特典に〇〇プレゼント!!”という入会特典を設けるだけでなく、「アプリダウンロード&利用でお買い物がお得」という継続使用してもらえるような店頭策を実施し、店内で分かりやすい状況を作る事が大切になってきます。

また、SNS上などで利用シーンの提案をしたり、お客様が購入した商品や、利用したサービスの感想を公開する場を設けると、その後も度々閲覧してもらったり、ユーザーの満足度を高めることにもつながります。

【O2O施策による再来店のためのPR策】スタンプカードもアプリ化

スタンプカードやクーポンは再来店のためには欠かせない定番の施策です。

あなたのお財布には今、お店でもらえるポイントカードやスタンプカードは何枚入っていますか?出典:4割の女性が10枚以上持ち歩いている「ポイントカード」の利用実態

OCNブリエ読者の「ポイントカード利用の実態に関するアンケート」(調査期間:2009年12月21日~12月23日)によると男性の場合は、0枚~5枚の間に多くの回答が集まり、女性は10枚以上をお財布に入れている方が、39.8%と約4割に達しました。

ポイントカードで10枚というのは相当な数ですが、しっかりと持ち歩いてお店で買い物などをする時に、確実に利用をしているようです。

出典:SHOPFORCE 機能紹介

一方、紙のスタンプカードでは、持ち運ぶのが大変で財布がかさ張るのでたまに行くお店のスタンプカードは普段持ち歩かず、いざ利用しようとした際に「持って来ていなかった」など中々いっぱいになって特典を利用するのが難しいと言う事があります。

そういう場合には、「スマホアプリのスタンプカード」を導入すると以下のようなメリットをお客様は得る事が出来ます。
1、アプリ内で管理できるのでカードで財布がいっぱいにならない
2、データ管理なのでカード紛失の心配がない
3、QRコードの読み取りでポイントを得る事ができるのでカードを探す手間がなくなる
4、メッセージ配信により登録をしたお店のお得情報を入手できる
5、モバイルクーポンが付与されるので、来店時に「クーポンを持ってくるのを忘れた」という事を防ぐ事が出来る

もちろんお店側にも、「付随している機能を利用したメッセージ配信」「会員データの自動データベース化」「顧客分析機能」など紙のツールを利用するより遥かに作業効率や利便性を上げるメリットを得る事ができます。

マクドナルドアプリ出典:使いやすいマックのアプリ

メッセージも良い情報を見逃さない「プッシュ通知機能」で配信をするのでより”見てもらいやすい”情報配信をする事ができます。

来店時の利便性を高めるO2O施策

WiFiスポット出典:【サービス】WiFiスポット構築【サービス】WiFiスポット構築【サービス】WiFiスポット構築

お客様に「商品やサービス・接客対応など以外に”便利なお店だからまた利用したい”と思ってもらえるような店内で出来るO2O施策とは、どのようなことが考えられるでしょうか?その1つとして無料の無線LANサービスが上げられます。

株式会社 ICT総研の「2015年 公衆無線LANサービス利用者動向調査」によると公衆無線LANサービスの2014年度末(2015年3月末)利用者数は2,278万人、そのうち個人利用者は1,987万人、ビジネス利用者は291万人となりました。

2015年度末には22%増の2,779万人に拡大する見通しで、2016年度には3,000万人を突破、2018年度には4,000万人を超えると予想されています。

句集無線LANサービス利用者予測出典:2015年 公衆無線LANサービス利用者動向調査

また、スマートフォンユーザーの過半数(56%)が公衆無線LANサービスを利用していると言う結果もでています。

公衆無線LANサービス利用回答者数出典:2015年 公衆無線LANサービス利用者動向調査

実際に、セブン&アイ・ホールディングスは、O2O施策として無料の無線LANサービス「セブン・スポット」を東京23区内のセブン-イレブン、イトーヨーカドー、西武、デニーズなどの各店舗で提供しています。

7SPOT出典:セブン&アイ、無料ワイヤレス通信サービス『セブンスポット』の提供を12月1日より開始。東京23区から

デニーズなどの日常的に利用する飲食店で、無料のWi-Fiが使えるなら、それだけでもリピーター獲得に繋がりそうです。また、アプリ内のサービスを店内で利用する際にも無料の無線LANサービスがあればより活用されやすくなります。

<まとめ> 来店者のためのO2O施策とは

SNSやアプリその他様々なネットのツールを利用して来店促進効果を着実に上げていくためには、「来店者といかに繋がり、その満足度を高めるか」という工夫が不可欠だと考えられます。スマホなどによりネット環境に日常的に接している今の時代、ネット上のツールをうまく活用していく事が欠かせません。

現在のお客様の状況やニーズをうまく把握して来店頻度を高めるため、「たまたま立ち寄っただけ」という人を「常連客」へ、貴店が大好きな「ファン」へ、積極的に友人を呼び込んでくれる「パートナー」へと育てることにより「来店者の満足度を高め、本当のファンになってもらう」ことがで「新規開拓」にも繋がるのです。

現在のキャンペーンや販促に欠かせない手法のO2O施策、来店者の満足度を高めるために見直してみてはいかがでしょうか?