飲食店を経営していく上で「テイクアウトによる売上確保」はかなり重要な要素です。今回は初めてテイクアウトを導入する店舗がどうすれば失敗しないのか?のポイントをまとめていきます。この記事を読んで、早速テイクアウトを取り入れましょう。
どうしてテイクアウトを導入するのか?
どうしてテイクアウトを導入するのか?いくつかの理由があります。簡単に見ていきましょう。
①共働き世帯が増えているから
飲食店でテイクアウトを導入する理由の1つ目は「共働き世帯の増加」です。日本では1997年頃から共働き世帯が方働き世帯を追い抜き、さらに増加傾向にあります。共働き世帯の場合家事に時間を割きにくくなり、夕食をテイクアウトで済ませる方は多いです。共働き世帯にもプロモーションをかけていくことは売上増加に繋がるため、魅力的です。どこでもいつでも食べられるという面でも、共働き世帯にテイクアウトは有効でしょう。今後も広がっていく可能性は高いです。
②新規顧客の確保
飲食店でテイクアウトを導入する理由の2つ目は「新規顧客の確保」です。日本を含め先進諸国では、高齢化社会が進んでいます。今までは外食をしてこなかったご高齢の方でも、気軽にテイクアウトを利用してもらう事で、新しい顧客になってもらえる可能性は高いと言えるでしょう。また、自宅までのデリバリーが出来れば更に販路は広がり、顧客の急拡大に繋がる見込みもあります。機動力のないお年寄りなどを取り込む意味でも、テイクアウトをうまく活用することは重要なのです。
テイクアウトを導入するポイント
テイクアウトを導入していくには、幾つかのポイントがあります。失敗しない為にもご説明しておきます。
①備品を充分に準備する
テイクアウト導入のポイント1つ目は「備品を充分に準備する」です。テイクアウトを導入すると、イートインで商品を提供する時とは、全く違う備品が必要になります。準備する備品もお客様のことを考えた備品がいいでしょう。「お店から自宅まで持ち帰りやすいか?」「オフィスまで持ち帰りやすいか?」などを考えた備品を充分に用意しましょう。
②テイクアウトに適した商品の準備
テイクアウト導入のポイント2つ目は「テイクアウトに適した商品の準備」です。具体的な商品選定のポイントは後述しますが、そもそもあなたのお店には「テイクアウトできそうな商品」があるでしょうか?自分でイメージして「これならテイクアウトで持って帰って食べたい」と思える商品を考えて準備しましょう。
③イートインとのバランスを考える
テイクアウト導入のポイント3つ目は「イートインとのバランスを考える」です。ランチタイムなどの繁忙期にも耐えられる仕組みは考えてあるかをチェックしましょう。メイン以外の調理は事前に済ませておく「部分別調理」や、テイクアウトは「事前オーダー制」にしてもらうルールなどを決めておくことが重要です。
テイクアウトの導入に向いているメニューとは?
では、テイクアウトで提供するメニューには具体的にどんな内容の物がいいのでしょうか?いくつか挙げてみました。
①食中毒を起こす恐れが少ない商品
テイクアウトでおすすめのメニュー1つ目は「食中毒を起こす恐れが少ない商品」です。生ものの様な食中毒にすぐに繋がってしまうものはNGです。すべて加熱された食材を提供するようにしましょう。また、どれくらいの時間内に食べてもらうのか?を伝えておくことが大切です。
②時間が経過しても味が劣化しにくい商品
テイクアウトでおすすめのメニュー2つ目は「時間が経過しても味が劣化しにくい商品」です。テイクアウトのメインは揚げ物、焼き物、煮物になりますが極力時間が経過しても味が落ちにくいメニューを考案しましょう。本来の味から極端に下がった物を提供してしまうと、お店のブランド力も下がってしまいます。実際に一定時間置いたものをテイスティングしてみられるのがおすすめです。
③車の中や外などでも食べやすい商品
テイクアウトでおすすめのメニュー3つ目は「車の中や外などでも食べやすい商品」です。テイクアウトされる方は、車でのドライブ先や公園などで食べられるケースも多いです。そういった時に気軽に片手で食べられるものにしているでしょうか?また、汚れが付きにくいように考えてある商品でしょうか?しっかり検証してメニューを考案することが大切です。
テイクアウトを導入するメリット・デメリット
テイクアウトを導入すると、メリットだけでなくデメリットもあります。ここでは簡単にメリット・デメリットについてご紹介していきます。
①メリット
テイクアウトを導入するメリットはこちらです。
・客席スペースが必要なくなる
・一定の家賃でさらに売上の底上げが出来る
・人件費を増やさずとも、売上の底上げが出来る
まず、テイクアウトを導入すると客席スペースを有効的に活用できます。どうしてもランチタイムには多くのお客様でごった返してしまい、キャパシティを超えたお客様に入店してもらう事は難しいです。しかし、テイクアウトを同時に行っていれば、客席スペースを気にせず売上が立てられるので、メリットになります。また、お店の広さを広げずとも、一定の家賃で売上の底上げが出来る事もメリットでしょう。新たな客席スペースは不要なので、収益性は高いです。
さらに、お店の外で売れていく物なので、お店を運営するための人件費を増やさずとも売上の底上げにつながる事もメリットです。飲食店にとって人件費は一番大きなコストです。人件費を抑えたまま売上を底上げできるのは大きいでしょう。
②デメリット
一方のデメリットは、以下の通りです。
・客単価を上げるためにはもう1本買ってもらう必要がある
・テイクアウトできない商品もある
・パッケージやPOPなどで商品の魅力を伝えなければいけない
テイクアウトにすると、消費者は大手のコンビニチェーンなどの商品と価格を比較し始めます。つまり、あまりに高単価なテイクアウト商品は売れにくいのが実情です。ただ、テイクアウトの際は「まとめ買い」をするお客様も増えるはずなので、セットで販売しやすい商品を考案するのもおすすめです。テイクアウトのデメリットとして、テイクアウトに向いていない商品があることが挙げられます。ひょっとするとお店の一番の売りメニューがテイクアウトに適していない場合もあるでしょう。そういった時は、新しい切り口でのメニュー開発が必要です。最後に、お店では簡単に伝えられる商品の良さをテイクアウトのお客様には伝えにくいというデメリットがあります。商品の「いい点」を伝える為に、パッケージに工夫したり、お店でのPOPに工夫することも必要でしょう。
【まとめ】魅力的なテイクアウトシステムを導入しよう
今回は初めてテイクアウトを導入される方に向けて「テイクアウトの失敗しない始め方」というテーマで記事を書いてきました。テイクアウトはイートインと違いちょっとしたコツが必要です。イートインと同じやり方を考えていては、失敗する可能性も高いでしょう。
しかし、本文中にも書いた通り、テイクアウトでしっかりと売上の底上げが出来れば、十分な利益にも繋がりやすいです。今回ご紹介したようなポイントをきちんと押さえ、あなたのお店でも魅力的なテイクアウトシステムを構築されることを期待しています。初めはうまくいかなくても、何度か試行錯誤することで、うまく出来るようになるかもしれません。早速研究してみましょう。