店舗経営のDX(デジタルトランスフォーメーション)を科学するウェブマガジン

スマホアプリの作り方-iPhoneとAndroidの違いや、プログラミング開発について‐ アイキャッチ画像

スマホアプリの作り方-iPhoneとAndroidの違いや、プログラミング開発について‐

マーケティング
  • hatena

スマホを利用する人の多くは、メールやSNS、Webと併せてスマホアプリを利用しています。スマホアプリは大変便利で、今や手放せない方が大半でしょう。

このスマホアプリを自作してみたい場合、どのような手順で進めるとスムーズなのでしょうか。ここではスマホアプリの作り方と、プログラミング開発の場合とツール活用の場合の注意点の作成について紹介します。

スマホアプリの導入数と活用の優位性

店舗運営に生かせるスマホアプリの作り方

スマホアプリを導入するべき理由として挙げられるのは、その普及率の高さです。マクロミルが全国の15~59歳男女に対し実施した調査によると、スマートフォンの利用率は約80%に上り、アプリのインストール数の平均は23個とのことです。20代の平均は26個、30~40代の平均は22個で、働き盛りの世代にとってアプリは欠かせない存在のようです。世代を問わず多くの消費者に活用されているからこそ、企業においてもスマホアプリを導入することが重要になってきているのです。

参考:https://honote.macromill.com/report/20180329/

スマホアプリを活用するユーザーの変化

内閣府の2020年版消費動向調査では、日本のスマホの普及率は84%を越えています。これは高齢者も含んだ数字ですから、現役世代では殆どの方がスマホを利用していると考えて良いでしょう。それほど普及したスマホをビジネス活用しない手はありません。

実際、多くの店舗がスマホアプリを作り開発し、顧客に提供しています。顧客はお気に入りの店舗での買い物の際に、スマホをアプリを開いてクーポンを取り出したり、バーコードをかざしてスタンプを集めるのが当たり前になっています。もはや、スマホアプリは当たり前のマーケティング手段になったと言っても過言ではなさそうです。

企業、店舗がスマホアプリを活用するメリット

スマホアプリを活用する企業(店舗)のメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
BtoCにおいてのスマホアプリは、クーポンやセール情報を顧客に届ける、あるいはスタンプカードの提供を主な機能としています。これにより顧客側はチラシやクーポン券など、紙媒体の管理が必要がなくなり、スマホ1台あればお得に買い物ができます。アプリによってタイムリーな情報伝達ができるため、顧客はホットな情報やクーポンをリアルタイムに得ることができます。

スマホアプリの種類と特徴

スマホアプリの作り方スマホアプリを作る際には、2種類のスマ―トフォンを意識しなければなりません。どちらか一つに絞って対応するという選択もありますが、一つに絞ると、他方のユーザーを取りこぼしてしまいます。それぞれ多くのユーザーに愛用されているOSですので、出来るだけ両方に対応したアプリを開発しましょう。

iPhoneアプリ

iPhoneは若者を中心に人気なスマートフォンシリーズで、日本国内のシェア率は毎年上がり続けています。イギリスにある調査会社のKANTAR社の調べによると、日本国内においては2020年時点で49.7%の国内ユーザーを誇ります。

Androidアプリ

前述のKANTAR社の調査によれば、日本におけるスマートフォンシェア率の50.2%を占めるAndroidは、開発時には『Android Studio』というGoogle独自の開発環境を活用するのが主流になっています。なお、この開発環境はWindowsでもMacでも利用可能です。プログラミングにはJava言語が必要となりますので、Javaを習得するか、この言語を扱える技術者を開発チームにアサインしましょう。

参考:https://simchange.jp/post-164095

https://www.programming-fun.net/article/article_34.html

スマホアプリの作り方

スマホアプリの制作工程は大きく分けて6ステップに分かれています。それぞれの流れを見てみましょう。

スマホアプリの作り方

スマホアプリの制作工程は大きく分けて6ステップに分かれています。それぞれの流れを見てみましょう。

マーケティング企画

誰に向けて、どのようなアプリケーションを提供したいのかを明確にし、マーケティング企画を練りましょう。企業で取り組む場合には、マーケティング部はもちろん、現場や事業部の各担当者の意見も取り入れた上で、企画を立案します。

収支計画

そのアプリケーション開発にいくら投資し、ダウンロードや利用を起点としてどのくらいの利益をもたらしたいのか、収支計画を立てていきましょう。アプリケーション提供には保守・運用の維持費や人件費もかかりますので、長い期間多くの人に提供し続けるためにも、ここは慎重に計画立てをします。

レイアウト・機能設計

収支の計画が整ったら、実際にどのようなアプリケーションにしたいのか、UI/UXも踏まえたレイアウトや機能の設計に写っていきます。企画者とデザイナー、そしてこの後開発に携わるエンジニアの間で同じゴールと共通認識を持ち、目標達成に近づけられるようワイヤーフレームの作成を進めます。

開発

設計が完了したら、いよいよ開発に移っていきます。
iOS、Android各OSに適した開発環境を用意し、それぞれのアプリケーション開発に必要な言語を扱える技術者によりプログラムを組んでいきます。作業の手戻りを防ぐためにも、こまめに企画者やデザイナーとのすり合わせを行い、チェックをしながら進めましょう。

テスト

開発が完了したら、完成品が設計書通りに作られているかを確認していきます。
外部担当者に依頼している場合、「瑕疵担保責任」というものがあるので注意しましょう。瑕疵担保責任とは、クーリングオフの仕組みのようなもので、納品後に見つかった不具合を、一定期間内であれば無償の修正対応を行うことを言います。この期間内にきちんとテスト(動作確認)をし、不具合や想定と違うものが無いか念入りに確認しましょう。

申請・リリース

テストもクリアし、アプリケーションが完成したら世の中にそのアプリケーションを発表します。
iPhone用アプリの場合は『iTunes Connect』、Android用アプリの場合は『Google Playディベロッパーアカウント』で申請を進めていきます。iPhoneの場合には審査に1~2週間かかるので、その待機期間を含めたローンチスケジュールを引くようにしましょう。晴れてリリースできたら、ダウンロードユーザーの対応やアプリのアップデートなどの保守・運用に移っていきます。

アプリをプログラミングし作成する

スマホアプリの作り方がわかったところで、プログラミング開発によるスマホアプリ制作を行う場合には、どのようなメリットやデメリットがあるのか見ていきましょう。

メリット

自身でプログラミングをしアプリ制作する場合のメリットで最も大きいのは、アプリケーション自体を収益化しやすいことです。開発したスマホアプリを商品として発表し、売れた金額から手数料(多くの場合30%程度)を引いた金額は収益として得られるので、収入源としてスマホアプリの提供を考えている場合にはプログラミング開発がおすすめです。

また、スキルや知識レベルの高い開発者の場合、カスタマイズの自由度が高い点もプログラミング開発のメリットと言えます。一般的なツールには無い機能を使いたい場合や、自分なりの構築の仕方にこだわりがある場合にはプログラミングを選びましょう。

デメリット

独自開発のアプリケーションのデメリットとして考えられるのは、保守・運用コストです。
オリジナルでプログラミングをしているからこそ、何か問題が起きたときにはその開発者に依存してしまうのがデメリットです。

加えて、OSのバージョンアップに都度対応するなどの保守コストもかかります。バージョンアップをせずに放置しておくと、アプリがOSのバージョンに対応できず、最悪の場合はアプリが反応しないこともあります。また、セキュリティホールが出来てしまい、サイバー攻撃にさらされて個人情報漏洩などの問題を引き起こす原因になることもあります。

また、プログラミングの修得には、大変な時間と労力を伴います。本業を犠牲にしてまでアプリ開発にのめり込むことがもしあれば、それは本末転倒と言えるでしょう。開発スキルセットに時間がかかることも、独自開発のデメリットと言えます。独自のプログラミングで開発を行う場合には、これらのリスクがあることもきちんと理解した上でプロジェクトを進めましょう。

開発に用いられるプログラミング言語

先ほども紹介しましたが、スマホアプリ作り開発においては、iOSとAndroidそれぞれで対応している言語が異なります。下記、それぞれの対応言語ですので、制作の際の参考にしてください。

・iOSの場合:Objective-C、Swift
・Androidの場合:Java、Kotlin、C#

上記それぞれを修得するか、扱えるエンジニアに制作を依頼しましょう。

アプリ開発ツールで作成する場合

以前は、アプリの開発というとシステムエンジニアやプログラマーの領域と考えられていました。しかし、スマホの普及によって、さまざまなツールが開発され、その気になれば素人でもスマホアプリは作れるようになっています。それでも、作れるアプリにはどうしても限界があります。顧客に喜んで使ってもらえるアプリを作るには、オリジナリティが必要です。他店やライバルとの差別化ができなければ、せっかく作ったアプリが無駄になってしまいまかねません。

メリット

アプリ開発ツールを利用するメリットは、知識のない初心者でも簡単にアプリ作りが行えることです。また、セキュリティ対策が万全なツールを選べば、自社で開発する場合に比べてセキュリティ事故の可能性を最小限に抑えることも可能です。

デメリット

アプリ開発ツールを利用する際のデメリットとしてまず挙げられるのは、月額などのサブスクリプションサービスが多く、ランニングコストがかかることにあります。そのため、自社の予算も踏まえた上で適切なベンダーを選ぶ必要があります。
また、アプリ開発サービスは多くの企業が提供しているため、ツール選定に時間と労力がかかることもデメリットと言えるでしょう。自社がスマホアプリを作りたい理由・目的と、対応させたいOS、運用時に欲しい機能などをリストアップし、自社に条件のあるサービスを選定しましょう。

アプリ開発ツール例

スマホアプリ開発に便利なツールは様々で、対応OSもツールによって異なります。以下、人気のツールを記載しておくので、制作の際の参考にしてみてください。

●iOS・Android 両OS対応
・ShoutEm
・appypie
・Yappli
・Appery
・Buildy
・GoodBarber
・SHOP FORCE

●iOSのみ対応
・XCode

●Androidのみ対応
・Andromo
・Android Studio

ツールによって、得意な搭載機能や対応OSは大きく変わります。自社がどのようなスマホアプリを開発したいのかを念頭に置き、企画と予算に合うベンダーを見つけて下さい。

スマホアプリを作るとき知っておきたい機能一覧

最後に、スマホアプリを作る際に知っておきたい、便利な機能を6つ紹介します。

集客機能

クーポンやスタンプ機能は、店舗アプリを開発したい場合に便利な機能です。来店スタンプなどを設定することで顧客の来店動機に繋がりますし、クーポンも販促のフックとして活用できます。プッシュ配信機能は、顧客のスマホ上に通知を送信できるので、顧客の日常における自社サービスとのタッチポイントを生み出せます。

サービス向上機能

アプリ内にアンケートや予約機能を搭載することで、顧客としては気軽にアクションを行うことができますし、企業としてはそれぞれの対応をするための人件費や時間を削減でき、双方にメリットがあります。

SNSやブログ連携機能

情報発信系のスマホアプリなど、多くの人に見てもらいたいサービスの場合には、SNSやブログでのシェアにより拡散を狙うことが認知度アップに繋がります。

顧客管理・分析機能

会員登録機能を搭載することで、そのアプリの利用ユーザーの行動傾向を分析することが可能になります。ECの場合には、POSや決済システムと連動した購買行動分析機能で、優良顧客の見極めにも活かせたりするので、売上を上げたい企業の場合にはおすすめの機能です。

決済連携機能

バーコード決済などのキャッシュレス決済機能と連携することで、顧客が普段使っているキャッシュレス決済アプリのポイント連携などができ、利便性向上に繋がります。最近では現金を持たない消費者も増えていますし、ポイントを上手く貯めてやり繰りする「ポイ活」なども流行っているので、購買動機を後押しできる機能といえるかもしれません。

EC連携機能

自社でECサイトを保持している場合、アプリ連携をさせることで店舗とEC共通のポイント付与ができたり、顧客満足度の向上に繋げられます。自社としても顧客の購買情報を一元管理できるため、マーケティング分析などに生かしやすいです。

まとめ

スマホアプリの開発には、自社でプログラミング開発するやり方と、スマホ開発ツールを利用するやり方の2種類があります。

プログラミングの知識が無いからと言って、アプリを一から作る必要はありません。開発費を抑えられるプラットホーム型の開発サービスも視野に入れてみましょう。また、基本をプラットホーム型とし、一部こだわりのある部分だけオリジナルアプリ開発という選択もあります。

今や社会インフラとも言えるスマートフォンですが、うまく活用すれば貴社のビジネスを発展する糸口にもなり得ます。自社の拡大を加速させるためにも、スマホアプリ開発に取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

無料ホワイトペーパー:アプリ開発ツールの比較

アプリ開発を検討しているけれど、どのツールが最適なのか分からないと悩んでいませんか?本書では、以下のことについて詳細に解説しております。

  • コロナ禍で求められる店舗経営のスタイルとは?
  • コロナ禍で求められるアプリ開発ツールの必須要素について
  • おもなアプリ開発・CRMツール一覧

ぜひ、アプリ開発に関する情報収集としてご活用ください。