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店舗・ブランドのDX実現に向けたCRMアプリの比較 -おすすめ9選-

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  • hatena

これから訪れる市場の激変に対応するためには、「DXの推進」は企業が自己変革を遂げるべきアクションの一つです。このDXを推進する上で、顧客との関係強化が欠かせません。その顧客関係強化を図るためにはCRMの構築が必須です。この記事ではCRM構築に向けておすすめのCRMアプリを比較してまいります。

 

CRMを比較する前に:DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

将来に向けた企業自身の行動変容が求められている

本稿はCRMアプリの比較が大きなテーマとなりますが、まずはCRM導入の前提となる「DX」についてお話いたします。

最近、DXという言葉をよく耳にします。DXとはDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略称で、企業においてデジタル技術を用いた業務やビジネスの変革を指します。今では、IT化をどこの企業でも当たり前のように推進しており、IT化の必要性に疑問を呈する経営者はいませんが、DXとなると、IT化との違いが分からない経営者も少なくありません。

IT化も広い意味ではDXの一部なのですが、ITはDX推進の道具ですが目的ではありません。最近、コロナ対策として全ての組織や人に「行動変容」が求められていますが、DXにおいてもまさに将来に向けた「行動変容」が求められているのです。

 

DXとは具体的に何をするのか

CRMの比較の話をする前にDXを簡単に説明すると、最近注目されているAIや5Gなどのデジタル技術を用い、業務革新やビジネスモデルの革新によって新しい商品やサービスを構築し、ネットとリアルの両面から顧客エクスペリエンス(体験)の変革を図ることであり、新たな価値を創出し、競争優位性を確立することです。

一時期、デジタルシフト(Digital Shift)という言葉をよく耳にしましたが、DXはさらに踏み込んで、デジタル技術を駆使して全てを変革してしまうという考え方です。そして、そのターゲットは顧客です。

つまり、「顧客の感動を得られるような体験を創出することが、顧客の支持を得て、売上拡大や利益獲得、永続的な成長につながる。それを実現するためには企業が自ら変革しなければならい。そのためにデジタル技術を積極的に利用していこう」ということを意味します。

 

CRMを比較する前に:DX推進におけるCRMの位置づけ

CRMを比較する前に:DX推進におけるCRMの位置づけ

DXの成果は、顧客体験の変革、顧客満足の飛躍的な向上によって示されると考えます。顧客に必要とされ、顧客に支持されることで企業は収益を伸ばし、成長できます。

顧客に必要とされ、顧客から支持されるには、顧客との接点を増やし、顧客との関係を近しいものにしていく必要があります。それを実現する手段としてCRMがあります。CRMはCustomer Relationship Managementの略で、顧客関係管理と訳されます。

CRMは年々、その必要性が増し、注目されるようになっています。それは、高度経済成長が終わり、市場が縮小に向かっているからです。市場が拡大している間は、製品やサービスを開発し、提供していれば売上は伸びました。

 

市場が縮小傾向をたどっている今、顧客が振り向いてくれなければ、どんなに新しい製品やサービスを開発し、提供しても売れない時代に突入したのです。

だからこそ、一人一人の顧客に向き合い、顧客のニーズを知り、顧客のニーズに合致する製品やサービスの提供が求められているのです。

より顧客のことを知り、顧客のニーズを把握するには顧客との接点を増やす必要があります。顧客に認知され、喜ばれ、積極的に利用してもらえる仕組みが必要なのです。

 

大変な労力をかけて、顧客情報を収集し、それを用いて大量のDMを配る「顧客管理」の時代は終わりました。顧客との距離を縮め、顧客との接点を増やし、顧客に満足や感動を与えられなければ、企業の成長はありません。

この命題を解決する一つの方法がCRMです。そして、CRMの導入、CRMによる顧客体験の変革、顧客満足の実現がDX推進の一つの鍵になるのです。

幸いにして、既にCRM導入を支援してくれるCRMアプリは数多く出そろってきました。しかし、どのCRMアプリを導入するのか、比較し、検討するのはたやすくはありません。

 

店舗DX推進におけるCRMの必要機能の比較

店舗DX推進におけるCRMの必要機能の比較

先ほど、DXの推進には「行動変容」が求められると述べました。企業や店舗自身が「行動変容」しなければ、DXの推進は不可能です。

CRMの導入に当たっては、店舗や本部でCRMに関わる関係者全員の意識を合わせることが必要です。トップダウンで仕組みだけを導入しても、運用が回らず失敗するケースが少なくありません。しかも、CRMは途中で止めてしまうと、顧客にも迷惑を及ぼし、店舗や企業のイメージも悪くなります。

CRMを導入して、それをどのように顧客体験や顧客満足に生かすのか、どんな店舗を目指すのかを全員が共有し、意思統一しておくことが求められます。

「何となくCRMの必要性は分かった、しかし、CRMを導入し、推進するには具体的にどんな機能が必要なのか分からない」と思われる方もおられるでしょう。

実はCRMはパッケージソフトやクラウドサービスとして既に世の中に出回っています。しかし、CRMと称しながら、CRMの一部機能しかもたないパッケージやサービスも存在します。その一部の機能だけを導入してもCRMは実現しません。正しく、効率的、効果的にCRMを導入するには、まずCRMアプリの機能の比較が必要です。

 

まずCRMに求められる機能を整理しておきましょう。CRMに求められる主要な機能は以下の通りです。

 

■顧客管理機能

・顧客の属性情報、購買履歴、問い合せやクレームなどの定性情報などを管理します。

■顧客分析機能

・得られた情報からさまざまな分析手法によって顧客を可視化します。自社の製品やサービス、マーケティング活動や営業活動が顧客のニーズとマッチしているのかを確認する指標です。

■プロモーション機能

・顧客管理から得られた顧客分析データをもとにして、プロモーションにつなげる機能です。DMやWEBサイトの更新、ECサイトの構築・連携、イベント管理、集客などの機能を持ちます。

■カスタマーサポート機能

・顧客との関係構築に向けた機能です。アンケート、問い合わせ、コールセンター、予約などの機能があります。

 

基本的にはこれらの機能を有していることがCRMシステムと考え、CRMの導入を進めるとよいでしょう。既にある程度導入している場合には、不足する機能を追加し、既存のシステムと有機的に連携させれば済むでしょう。必要な機能を洗い出し、機能を比較検討することが、CRM導入の早道です。

CRMの課題解決に役立つ9のアプリ比較

CRMの課題解決に役立つ9のアプリ比較
これから、CRMの課題解決に役立つと思われる10のアプリサービスをご紹介します。フル機能のものもあれば、一部の機能に特化したものもあります。

比較の前に、それぞれの特徴を簡単にご紹介してまいります。

 

CROSS POINT(クロスポイント):アイル株式会社

CROSS POINTは、アイル株式会社の提供する、実店舗とECサイトのポイントや顧客情報を一元管理するASPサービス。実店舗のPOSシステムやECシステムとの連携を図り、両チャネル情報の一元管理を可能にします。レディス専門店「flower (フラワー)」を運営するソラオブトウキョウ、レディスブランド「ダブルクローゼット」を運営する株式会社ウェアーズ、Magical Box(マジカルボックス)や20代を中心とする女性向けアパレルブランドPOU DOU DOU(プー・ドゥー・ドゥー)など東京・大阪・札幌・福岡に30店舗を展開する株式会社クーなどへの導入実績があります。

 

Yappli(ヤプリ):株式会社ヤプリ

Yappliは、株式会社ヤプリが提供するクラウド型のアプリ開発プラットフォームです。プログラミングが不要でさまざまなデザインのアプリが作成できるツールです。HottoMoto(ほっともっと)を運営する株式会社プレナス、YKK AP株式会社、ビューティーブランド「オルビス」を運営するオルビス株式会社などへの導入実績があります。

 

betrend(ビートレンド):ビートレンド株式会社

betrendは、ビートレンド株式会社が提供する店舗販促に強いスマートCRMプラットフォーム。スマホアプリや来店カウント機能、効果測定や顧客管理データベース機能を有します。焼肉店『焼肉やまと』やECサイト『特選松阪牛やまと』を運営する株式会社やまとダイニング、音楽教室に加えて楽器販売やレンタルスタジオなどを手がける島村楽器株式会社、アパレルブランド『LAUNDRY』を運営する株式会社KSプランニングなどへの導入実績があります。

 

UPLink(アプリンク):株式会社USEN

UPLinkは、株式会社USENが提供する、ひな形提供の店舗アプリ作成サービス。スタンプカード機能、ポイントカード機能、トーク機能、プッシュ通知機能を備え、店舗のニーズに合わせカスタマイズ提供します。東京都公衆浴場業生活衛生同業組合、美容室「BALLOON HAIR表参道」、女性中心に根強い人気を誇るファッションブランド「PINK HOUSE」を運営する株式会社メルローズなどへの導入実績があります。

 

GMOおみせアプリ:GMOデジタルラボ株式会社

GMOおみせアプリは、GMOデジタルラボ株式会社が提供する、店舗集客、来店促進に必要な機能を盛り込んだ販促アプリ。機能としては、来店促進、つながり強化、情報発信、顧客管理、キャッシュレス決済などの機能を持ちます。ペットフードとペット用品の総合商社で大型ペット店「ペットランドピースワン」を展開する株式会社オフィスピースワン、女性でも安心して利用できる自由気ままに洗車ができる洗車スペース「WASH Facility KIMAMA」を運営する株式会社ENEOSフロンティア、「とんかつ」「らーめん」「うどん」「お好み焼き」「鶏」「中華」「カフェ」の7業種のレストラン事業を展開する株式会社きらくなどへの導入実績があります。

 

Zeetle CS(ジートル・カードサービス):株式会社スマート・ソリューション・テクノロジー

Zeetle CSは、株式会社スマート・ソリューション・テクノロジーが提供する、店舗の会員カードを紙からスマホベースに置き換えるプラットフォーム型サービス。顧客情報を利用せず、クーポンやスタンプのプッシュ配信に特化したツールです。長崎ちゃんぽん専門店『リンガーハット』やとんかつ専門店『濵かつ』を運営する、株式会社リンガーハットなどへの導入実績があります。

 

LINE公式アカウント: LINE株式会社

LINE公式アカウントは、LINE株式会社が提供するサービス。コミュニケーションプラットホームとしてLINEの機能を用い、企業と顧客の接点強化を図ります。LINEの基本機能を利用して店舗CRMを進めている例やLINEアプリで自社アプリを組合わせてCRMを進める例などもあります。幅広く利用されている事から、独自性に欠けるという難点はあります。第二新卒向けの転職支援を行う株式会社UZUZ、40代の働く女性を対象にしたラグジュアリーファッション誌『Precious』を運営する株式会社小学館、首都圏1都3県の東急沿線を中心に展開のスーパーマーケット「東急ストア」を運営する東急株式会社などへの導入実績があります。

 

MGRe(メグリ): 株式会社ランチェスター

MGReは、株式会社ランチェスターが提供する、モバイルアプリ開発から運用や分析まで、ワンストップで支援するアプリマーケティング・プラットフォームです。対面とデジタルの両方に対応して店舗からECまで、顧客ごとに優れた顧客体験の提供を図ります。MGReは既存アプリのリプレイスから新規導入まで幅広く対応します。スポーツブランド「デサント」を運営するデサントジャパン株式会社、ビューティーブランド「THREE」を運営する株式会社ACRO、「東急ハンズ」を運営する株式会社東急ハンズなどへの導入実績があります。

 

SHOP FORCE:ショップフォース株式会社

SHOP FORCEは、ショップフォース株式会社が運営する、オンラインとリアルを融合し、顧客に最適な体験を実現させるサービスです。CRM実現に必要な機能を全て実装し、さまざまな業種での導入が可能です。提供方法が3パターン用意され、「プラットフォーム型(Stamps)」と「オリジナルアプリ開発型」、「アドオン型」の中から最適なアプリ導入が可能です。ほぼ必要な機能は全て揃っているので、CRMを1から始めたい、現状システムを刷新したいという企業や店舗に最適です。「てけてけ」「the 3rd Burger」など様々な業態のブランドを展開しているユナイテッド&コレクティブ株式会社、スニーカーブティック「UNDEFEATED(アンディフィーテッド)」や「BAIT(ベイト)」「FIGURE(フィギュア)」等を展開する株式会社スタージョイナスなどへの導入実績があります。

 

CRMアプリサービス比較表

以上ご紹介したアプリサービスの比較表を作成してみました。優劣の比較ではなく、機能比較の視点で作成しています。機能でアプリを選定する際の参考にしていただければと思います。またCRMに着手されていない企業様には、フル機能のサービスやアプリを選定されることをおすすめします。

 

CRMアプリ比較表 イメージ画像

▶アプリを活用したマーケティング手法のメリット・デメリット についてはこちら

 

【まとめ】CRMは必要機能に絞って比較検討しよう

これからの訪れる市場の激変に備え、DXの推進が重要であることをお伝えしてまいりました。そのDXの中でも、直接顧客と接点を持つ店舗においては、CRMの導入や強化がDXの鍵であることをご説明させていただきました。

CRM導入への近道はCRMの必要機能を実装したアプリサービスの選定という観点から、9のアプリサービスを比較させていただきました。既にCRMの一部を導入されている企業様では、フルスペックのCRMアプリを導入する必要はありません。機能の再評価を行い、必要な機能に絞って比較検討され、選定すればよろしいでしょう。

最適のCRMアプリを導入され、顧客から愛され、信頼される店づくりを通じてDXの推進と実現されることを期待しています。