今回は、SHOPFORCE(ショップフォース)連携のアプリ「スタンプス」のメイン機能の一つであるスタンプ(ポイント)カードの歴史について触れてみたいと思います。ポイントカードの将来も示唆できるでしょう。
ポイントサービスの過去【アメリカ】
ポイントサービスはアメリカの小売業者から生まれました。1850年ころ、発注ミスで大量に入荷してしまった石鹸を売るため、石鹸にクーポンを貼り何枚かたまると絵画をサービスするということを行ったのが起源と云われています。絵画のサービスが、商品と交換するサービスに変わっていきました。その後、1896年、スタンプサービスをシステム化・商品化した会社が生まれました。トレーディング・スタンプといいます。トレーディング・スタンプは1960年代まで普及が続きました。
20世紀に入ると、1910年代にはガソリンスタンド、1920年代にはスーパーマーケットなどを中心に広がりました。およそ100年前、資本主義社会の先進国のひとつであったアメリカでは、すでにポイントカードは世の中に流布していたのです。
それでは、日本ではどのような歴史をたどってきたのでしょうか。
ポイントサービスの過去【日本】
日本でのポイントサービスの始まりは、1916年の北九州の久我呉服店が始めたとされています。(※諸説あり)
一般的には、日本でも商品を近所の店頭で買うことが主流だった時代。顔なじみの客に、おまけをしたり割引券を渡したりしていました。戦後になってからです。
お得意様への謝恩や販売促進が目的だったのです。そのサービスを一定にするために、ポイントサービスが作られるようになりました。
戦後、日本のポイントカードが始まったといっても、今現在のような普及にはさらに時間的隔たりがあります。
それでは、本格的な普及のきっかけは何だったのでしょうか。いつだったのでしょうか。
ポイントサービスの本格的な普及
ポイントサービスの普及の大元となったのは、航空会社の”マイレージ〔マイル〕”です。1984年にANA(全日本空輸株式会社)がマイレージカードを発行しました。
航空業界は変動費が低く固定費が高い。つまり飛行機一機はどれだけお客様を乗せようとコストはほとんど変わらないのです。これが、マイレージカードの導入に踏み切れた大きな理由です。
マイルで一人分余分に乗せてもコスト負担はほとんど同じなので、多くの航空会社がマイルを採用しポイントサービスを世に広めました。
この普及の背景には、クレジットカードの普及があります。翌年、ヨドバシカメラがポイントカードを発行しました。そして、21世紀に入り、IT革命の時代に入ると、インターネットマーケティングの一つに位置付けられ、バリエーションやその効果が広がっていきました。
このような歴史がポイントカードサービスにはありました。今日の私たちが当たり前に使っているポイントカードの歴史は長いようで短いといった印象をもったのではないでしょうか。
ポイントサービスのリスク
小売業や飲食業のような流通業は、変動費が大きいためお客が商品を買えば買うほどコストが増加します。
ポイントサービスによって実質的な値引きを行えばそれがそのまま利益に跳ね返ってくるのです。
例えば、マクドナルドやユニクロ。両社ともポイントサービスを全廃しています。
また、消費者は必ずしもポイントカードに満足していません。「いろいろなポイントカードがあって財布にかさばる」、「どうせポイントは特典まで貯まらない」、「なくす」などなど。ポイントカードを発行する企業が増えたことで特別感がなくなってしまったり、かさばってしまったりしているのです。クーポンと違い、値引き効果も消費者にとってはのちのちのことなので、お得感には必ずしもつながりません。
以上のような、ポイントカードのリスクがあることに、注意が必要です。
まとめ
小売業や飲食業の場合、自らの財務構造を見極めながら慎重に戦略を練ることが、ポイントサービスの成功条件です。
うまく活用し売り上を伸ばしている小売業も存在します。ポイントサービスをうまく使い優良顧客を増やし謝恩や販売促進してみましょう。
では具体的には、どうしたら?
次回はポイントサービスをうまく利用し劇的に売り上げを上げた会社とその利用法について書いてみたいと思います。