近年、飲食店や小売店、ECサイトなどで商品を購入すると、何かしらの「ポイント」が付与されることが多くなりました。店側で顧客のポイントを管理・分析することで、マーケティングに利用することが可能です。本記事では、ポイント管理のシステムについて、詳細をまとめていきます。
ポイント管理システムとは
ポイント管理システムとは、ポイントサービスの運用業務を行ったり、ポイントを貯めている・利用している顧客情報の管理を行うことに利用するシステムになります。最近登場しているポイント管理システムは、他のシステムと連携したり、アプリと連携するなど、複雑になってきています。
ポイント管理システムの主な機能は下記のものになります。
ポイント発行・管理機能
顧客に対して付与するポイント数、付与するポイントの有効期限、ポイントの発行数などポイント全般の発酵・管理を行う機能です。ポイント管理システムの基盤とも言える機能になります。
顧客、会員管理機能
ポイントを利用者の個人情報を管理する機能になります。個人情報の項目はシステムごとに異なってくるので、分析の際に利用する情報が揃っているかどうか事前に確認を行いましょう。
顧客の購買情報の分析
ポイント利用者の顧客情報をもとに、購買情報の分析を行います。顧客満足度を上げるためには、顧客の好みや思考を知っておくことが肝要です。ポイント発行とは直接の関係はない機能ですが、登録した利用者がどのような買い物を行っているか分析する際に重宝します。
販売促進機能
ポイント利用者に対して、メルマガを配信したり、クーポンを発行する際に利用する機能です。店舗情報やチラシ情報など各種情報、クーポンを配信して、顧客が店に足を運んでくれるよう促します。
ポイント管理システムを選ぶポイント
ポイント管理システムを選ぶ際は、下記のポイントに注意してください。
十分な機能を備えているか
ポイント管理システムを導入する際に、そのシステムが自社の利用目的に合っているかどうか、必ず確認しましょう。たとえば、販売促進を行うことがメインであれば、クーポンやメルマガの配信に対応しているかどうか、またどのような形でクーポン発行、メルマガ配信ができるかチェックします。
また、顧客情報の管理に重きを置く場合は、個人情報を何件まで管理できるか確認するようにします。ポイント管理システムによって、何件までの個人情報にシステムが耐えられるか変わってきます。自社が抱えている顧客数をカバーできるか確認しておかないと、システムを導入したにもかかわらず使えない事態になってしまいます。
導入実績が豊富化どうか
ポイントシステムの導入実績も必ず確認するようにします。特に、自社と同じ業界の企業でどれくらいの導入実績があるのか、チェックしましょう。ポイント管理システムによっては、小売業に強いシステムであったり、飲食店に強いシステムであったりと様々です。また、業界によっては特殊なサービスを提供する場合もあるので、それらに対応したポイント管理ができるかどうか、確認しておかないといけません。ポイント管理システムを導入する際は、システム販売元の営業マンがシステムの良い面しか言わないこともあるので、必ず自分の目で機能をチェックするようにしてください。
代表的なポイント管理システム
日本で使用されている代表的なポイント管理システムとして、下記のシステムが挙げられます。
ポイント管理システム
ポイント管理システムは、株式会社クレアンスメアードが提供している中規模~大規模向け企業のポイントシステムになります。ポイント管理システムは、導入の際にシステム開発を行う必要がなく、ネットワーク経由ですぐに機能を利用することが可能です。金融機関でも利用可能な高セキュリティを備えており、個人情報が流出する恐れもありません。初期費用、月額費用に関しては、業種や企業規模、顧客数によって異なってくるので、要見積となっています。
POINT QUIC
POINT QUICは、ポイント株式会社が提供するポイント管理システムです。個人店舗など、比較的小規模な店向けのシステムとなっています。ポイント端末機はiPad、ポイントカードはLINE@にて利用可能で、指定のQRカードを購入するだけですぐにポイントシステムを利用することができます。月額基本料金は0円で、カード代金(QRラベルシール)のみ、単価50円となっています。費用を抑えてポイント管理システムを導入したいと考えている事業主・企業におすすめです。
CROSS POINT
CROSS POINTは、株式会社アイルが提供している中規模企業向けのポイント管理システムです。CROSS POINTは、実店舗とECサイトでポイントを共有化することも可能で、オムニチャネルを実現するのに役立つシステムとなっています。もちろん、実店舗のみのポイント管理にも対応しており、顧客の購買データ分析や所持ポイントの分析など、各種分析機能も備えています。月額基本料金は30,000円となっており、1店舗ごとに月額3,000円のライセンス料金がかかります。
ポイント管理システムの導入には3ヵ月ほどかかる
ポイント管理システムを導入する場合、要する期間は最低3ヵ月ほどで、システムが大規模なものになると5ヵ月以上かかることもあります。ポイント管理システムを導入する際は、ポイント付与の基本ルールやシステムの設計、会員体系の設定など各種取り決めを行う必要があります。ポイントの交換ルールや還元率などは、一度決めてから変更するのは難しいので、システム導入の段階で固めていきます。
ポイント管理システムの大枠が決まったら、実際にシステムの構築に入ります。店舗同士のデータ移行やシステム間連携の構築も合わせて進めていきます。この段階で、システムの以上や誤作動が目立つと、システム導入完了までの期間が延びてしまうので、スムーズに進めていくことが肝要になります。
システムが問題なく構築できたら、最後にポイントサービスのオペレーション指導です。店舗スタッフ・本部の社員にポイントサービス運用に関する教育を実施します。ポイントサービスの教育が行き届いていないと、顧客からクレームを受ける原因になりかねないので、妥協せずに行う必要があります。
これらの工程をすべてクリアした上で、初めてポイント管理システムの導入が完了となります。工程をすべて終えるのに最低3ヵ月ほどの期間がかかることを踏まえて、導入を進めていきましょう。
まとめ:ポイント管理システムを活用して、効率的な顧客管理・販促を行おう
ポイント管理システムを活用することで、効率的に顧客管理・販売促進を行うことが可能になります。ポイントを利用している顧客の購買状況を分析したり、ポイントの利用頻度を確認することで、展開するべき商品の種類を絞ったり、新商品の開発などにつなげることが可能です。
ポイント管理システムは、大企業が導入しているイメージですが、個人店や中小企業でも導入可能です。導入時の費用は事業規模によって変わってくるので、事前に見積もりを立ててもらいましょう。
ポイント管理システムの導入完了まで、おおむね3ヵ月ほどはかかってきます。ポイントのルールやシステム設計・構築、従業員への教育をすべて終えた段階で、ポイント管理システムの利用が可能になるため、3ヵ月ほどの期間がかかってしまいます。ポイント管理システムの導入を検討している場合は、導入までの期間を逆算して、導入を進めるようにしてください。