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あなたの街はどんな街?エリアマーケティングで集客力アップしよう〜前編

マーケティング
  • hatena

「あなたの街はどんな街ですか?」この質問に的確に回答できる店長はおそらくそう多くはないでしょう。お店があるあなたの街がどんな街であるか分かれば、繁盛店になるのではないでしょうか?地域に合った集客やサービスを考えましょう。

立地が全てではない!エリアに合わせた施策で集客力アップ

業種を問わず、消費者を相手にした商売では立地がとても重要な要素になってきます。駅から何分の場所にあるのか、商店街の中にあるのかといった立地によって集客力のポテンシャルが異なります。例えば駅近であったり商店街の中にあったりすれば人通りも多くなるので来店するお客様も多くなっていきます。一方、駅から離れていて車でないと行きにくい場所(いわゆる郊外型の店舗)だと交通量にも」依りますが集客が難しくなると考えられます。しかし郊外型の店舗にも客単価を上げるなどと言った別の戦い方も出来ます。

しかしながら意外にも、重要なことがあります。それは、「地域性」に基づいて顧客ニーズをマーケティングすることです。どんな街にお店があって、その地域のお客様は何を求めているのでしょうか。それが分かっていればより利益を上げるマーケティングを仕掛ける事が出来ます。顧客ニーズにきめ細かく対応した販売戦略、通称「エリアマーケティング」を立案・実行することはとても大切です。そうすることで顧客の関心を惹き、購買行動へ誘導する事が出来ます。

前編では、そんな「エリアマーケティング」の活用例、後編では具体的なマーケティングの方法と流れを解説します。

集客力を上げるエリアマーケティング活用例1:ペット

エリアマーケティングの活用例の1つ目は、ペットを同伴したいという地域性を生かしたものです。

ペット同伴OKで、散歩中のお客様を囲い込み

ペット同伴Top pet-friendly restaurant chains

最近では、犬や猫などペットを飼う家庭も以前に増して多くなっています。背景には犬や猫に関する書籍が次々と発刊され、犬や猫の人気が急上昇していることがあります。加えてマイクロピッグやコツメカワウソなど、変わり種とも言えるペットを飼う人も増えてきました。そして都市部では散歩をしながら、カフェで一休みしたいという方も多くいらっしゃいます。ペットにとっても一休み出来るのはありがたいですよね。

お客様は、ペットを同伴して大丈夫があるという情報によって、お店を決めることになります。だから、飲食店では店頭に「ペット同伴OK」という掲示をするだけでペット同伴のお客様を取り込むことが出来ます。また、やってきたお客様が、ペットを連れている別のお客様と、ペットをきっかけに親睦を深めたら、またこのカフェで会いましょうという風になり、リピーターを増やす事が出来ます。確かにペットは鳴いたりうろちょろ動き回ったりしてカフェで一休みするのは扱いが大変かも知れませんが、思いがけない効果をもたらしてくれるかも知れないのです。

また、ぐるなび等の情報サイトでもペット同伴できるお店の紹介ページを設けるなどネット上の露出アップも期待できます。
参考:ぐるなび カフェ ペット同伴可 おすすめ情報

集客力を上げるエリアマーケティング活用例2:英語

ランチメニューEnglish menu available in vegetable restaurant “Nouka-no-daidokoro”

あなたの街が、観光地や外国人が多い迄あれば、英語メニューを活用しましょう。
東京でオリンピックが開催される予定し、今後ますます外国人の観光客、労働者が増加することが予想されます。また例えば、東京都目黒区などの場合は、大使館や外資系企業が多く存在し、約30人に一人が外国人になります。
観光地でなくても、外国人が多い地域では、英語メニューがあれば、その分注文数が増えやすいという訳です。

「インバウンド」というキーワードも注目を集めており、訪日外国人にターゲットを絞った集客方法をとる店舗も増えてきています。

仮に客単価3千円、1日の客数が平均120名のお店で、外国人が日本人と同様に来店された場合、月で約36万円、年間にして約430万円もの売上があがる計算になります。もちろん、外国語メニューを用意するだけで訪日外国人の来店に即つながるとは限りません。しかしながら、用意にかかる費用が数万〜十数万円程度であることを考えれば、英語メニューを用意しておくに越したことはないと思われます。

翻訳が苦手なお店も多いでしょう。なんと東京都では、無料でメニューを多言語化してくれる素晴らしいサービスが開始されたようです。活用されてはいかがでしょうか。

集客力を上げるエリアマーケティング活用例3;ハッピーアワー

3つ目はハッピーアワーです。ハッピーアワーとは本来、レストランやパブ・バーと言った飲食店が、酒類を割引する時間帯の事です。オフィスビルが近隣にあるビジネス街ではハッピーアワーを取り入れることが有効かも知れません。なぜなら、仕事終わりの時間帯になると飲み会をしたいなぁ、酒かビールが飲みたいなぁと思っているサラリーマン達が増えてくるからです。ですのでオフィスビルが林立している地域では、オフィスワーカーの帰宅途中を狙って、17時〜19時などピークタイム前の早い時間をハッピーアワーを設定し、その時間限定で、割引サービスを提供しているお店も多くあります。しかしこれから酒類の割引をしても他の店と同様になり、埋もれてしまう可能性があります。より多くのお客様に来てもらうには他とは異なるサービスをしなければなりません。であるならば、ハッピーアワーの意味にとらわれず、他の商品を安くしてみるなんていうのはどうでしょうか。例えば、ビールのお供(枝豆などのおつまみ)の格安お得セットを提供してみるといった事です。確かにPayPayの利益還元祭のように酒類を話題になるくらい激安で提供するというのも手ではありますが、他とは違うハッピーアワーを実施してみるというのはどうでしょうか。

あなたの街はどんな街?エリアマーケティングで集客力アップしよう〜前編のまとめ

いくつか分かりやすい活用例を挙げました。1つめはペットを連れているお客様を取り込む為にペット同伴を可とすること、2つめは訪日外国人を見据えて英語のメニューを用意してみること、3つめは仕事終わりのサラリーマン達を狙ってハッピーアワーを設定してみることです。「エリアマーケティング」による集客力アップについてイメージ頂けましたでしょうか?自分のお店はどういった地域にあって、その地域に住んでいるお客様は何を求めているかを考える事が大事です。
では、どうすれば効果的なエリアマーケティングを実現できるのか。次回の記事では、とても簡単な「エリアマーケティング」というテーマで方法・手順についてご紹介したいと思います。