店舗経営のDX(デジタルトランスフォーメーション)を科学するウェブマガジン

その集客方法は間違っている?効果的な集客手法と選定の仕方とは アイキャッチ画像

その集客方法は間違っている?効果的な集客手法と選定の仕方とは

マーケティング
  • hatena

集客手法が多様化している昨今、それぞれの特徴を把握し、効果的な選択をしていくことが重要となっています。ここでは新規の集客方法に最適な広告を見込み客やリピーター客の獲得に有効なものなど、特徴やそれぞれの具体的な集客方法の選択などについてご紹介していきます。

集客手法の多様化

GoogleやYahoo!などのインターネット広告にはじまり、FacebookやInstagramなどのSNS広告など、オンライン広告と一口にいっても、様々なものがあります。

そのうえ、従来の新聞広告や雑誌広告、テレビCMに折り込みチラシなど、いわゆるオフライン広告も含めると、私たちが選択できる集客のチャネル数は無数にあると言えます。それぞれに得意・不得意があり、業態によっても効果の良し悪しは変わってきます。多様化し、選択肢が多いからこそ、最適なものを選択して集客施策を実行していくことが、ビジネスの成否を握っているといってもよいでしょう。

集客方法を決める前に、ターゲットと目的を明確に

集客施策を実行する前に、まずはどういった人に向けて広告や宣伝をしていくのか。つまり、ターゲットを考える必要があります。たとえば、同じ美容室であっても、トレンドに敏感な10代・20代前半の女性に好まれる店なのか、中高年・シニアに好まれるような大人の雰囲気の店なのかによって変わってきます。もちろん飲食店や接骨院、もしくはBtoBのビジネスなど、業種が違っても広告や宣伝をする上でターゲット設定は必須と言えます。

また、集客の目的もしっかりと認識しておく必要があります。たとえばお店がオープンしたばかりなので、新規のお客様を増やしたいのか。もしくはリピーターになってくれるお客様が少ないのか。今の状況や将来的な計画に応じて、集客の目的も変わってきます。

それではどのような集客チャネルの種類があるのか、詳しく見ていきましょう。

オンライン手法による集客方法

いわゆるインターネットを介した広告全般のことを、オンライン広告と呼ばれます。現在は様々な集客手法があり、ホームページに誘導させるものであったり、もしくはその場で購入・決済まで進ませるものもあります。ここでは様々なオンライン広告について、ご紹介したいと思います。

その1:公式サイト・Webサイト

総称すると、いわゆるホームページと言われるもので、集客の要になるものです。公式サイトやWebサイトはその内容が充実していることが最も大事であり、内容が薄かったり分かりにくかったりすると、いくら他の広告で誘導してきても離脱してしまいます。特に現在はより良質な情報を提供するサイトを、検索エンジンが優先して上位表示する仕組みとなっており、コンテンツの充実化を図ることが重要となっています。

ホームページが作れない場合、無料のブログから始めるのも一つの手です。アメブロ、LINEブログなど様々なものがありますが、重要なのは利用規約に注意しておくことです。無料なので気軽に始めやすいのですが、商用目的ではなく、日記などあくまでも利益を目的としない情報発信でなければならないものもあります。

その2:ソーシャルメディア・SNS

ソーシャルメディア・SNSには様々なものがありますが、集客に有効なものとしては、Facebookページが挙げられます。ビジネスアカウントを取って会社やお店のビジネスページとして運用します。

特に、リピーターの獲得を目的とする集客に向いています。サービスや商品に関する投稿をはじめ、スタッフの日々の様子などの投稿もアップし、フォロワー数を増やしていきます。

ただ、世の中にはほとんど投稿されず、放置されているフェイスブックページも多くみられます。継続的に運用していくためには、社内で専任者を置くか、もしくは外部の専門業者に運用を委託する方法もあります。

加えて、タイムリーな情報の発信に向いているのがTwitterです。また、ビジュアル的な魅力が高い商材であればInstagramも活用されています。いずれも、無料で利用できるツールであるため、使い方次第では費用対効果の高い運用が可能です。ただ、フェイスブックページと同じく、継続的に運用を心がけなければ効果を発揮できないので、きちんとした戦略や運用設計を計画してからはじめることをおすすめします。

その3:オウンドメディア

オウンドメディアとは、一見ブログのようにも思われますが、広く定義すると自社所有の媒体になります。会社やお店が、その得意分野の専門的な情報を掲載することで、見込み客が集まる仕組みを作ります。ポイントは、質の高いコンテンツに仕上げることです。そうすることで検索エンジンから優良なコンテンツと判断され、上位表示を見込むことができます。企業としてのブランドを高めるだけでなく、見込み客の獲得にも効果的です。

関連記事:『オウンドメディア』とは

その4:リスティング広告

リスティング広告とは、検索エンジンで検索した際にページの上位などに表示される広告のことです。グーグルだと「アドワーズ」、ヤフーだと「スポンサードサーチ」と呼ばれるものです。低予算から広告出稿でき、クリックされたら課金される仕組みとなっています。その検索キーワードに興味を持つユーザの目に留まることになるので、見込み客を集めるのに最適です。

その5:SNS広告

SNS広告には様々なものがありますが、代表的なのがフェイスブック広告です。友達の投稿などが掲載されるフィード上に主に表示される広告で、そのユーザの地域や興味関心などを設定して配信することができます。潜在顧客に認知させる新規集客方法の一環として用いることが多いといえます。また、フェイスブックページのフォロワー獲得やいいね数を増やす目的の広告タイプもあり、見込み客の集客にも向いています。ちなみに、フェイスブック広告で出稿した内容をそのままインスタグラム広告として配信することもできます。その他には、若年層のユーザが多いツイッター広告では、若者向けの商品やサービスを認知させるのに適しています。

関連記事:SNSプロモーションには使い分けが必要 インスタグラムを活用したキャンペーン成功のポイント

その6:ディスプレイネットワーク広告

ディスプレイネットワーク広告とは、各種サイトにある広告スペースに表示される動画や画像などの広告です。ユーザの過去の検索履歴や年齢などでターゲティングを行い、バナー等を表示させます。ビジュアルで訴求することができ、アパレルや不動産のように画像や動画で見せた方が分かりやすい商材やサービスに向いています。

その7:アフィリエイト

アフィリエイトとは、フォロワーを多く獲得しているブログや一定の訪問数が見込めるホームページなどの運営者に依頼し、自社のWebサイトへのリンクやバナーを貼ってもらい、集客していく手法です。クリック数、会員登録数、商品販売数などに応じて運営者に報酬が支払われる「成果報酬型広告」と呼ばれるものになります。成果報酬のため、費用がかかるのは成果が出た分だけとなるので、最低限の広告費で効果を狙うことができます。

その8:メールマガジン

いわゆるメルマガですが、インターネットの初期には有効な手法とされていました。しかし、昨今では様々なオンライン広告が生まれており、以前ほどは選択肢に選ばれることが少なくなっています。

一方で、同じメールマーケティングでも「ステップメール」と言われる手法は、商品やサービスの成約率を高めるものとして注目されています。たとえば、ユーザがHP上で資料をダウンロードしたタイミングや無料会員の登録をした段階で、あらかじめ用意しておいたメールを一定期間配信する仕組みです。ユーザのアクション直後や1日後、3日後といったタイミングでメールを配信しながら関係構築を行い、商品の本購入などを促します。見込み客を徐々に育成しながら、顧客になってもらう方法、つまり新規集客方法の一環として効果的といわれています。

オフライン手法による集客方法

いわゆるネットを使わない、古くからある手法のものをオフライン広告と呼んでいます。こちらも効果が見込める様々なものがあるので、ご紹介したいと思います。

その1:チラシ・折り込みチラシ

一般的なチラシや新聞の折り込みチラシは、スーパーやドラッグストアなど、多くの人が使う日用品を置いている小売店などに向いています。一方でやみくもに配布しても意味がありません。自分の商材やサービスの対象となる読者に届いているか、反響率はどのくらいなのか。それらをしっかりと把握しながら、効率的な配布を行っていく必要があります。地域を絞るなど、エリアに根差した商材を扱うときは非常に有効な手法です。

その2:ダイレクトメール

不特定多数の人に配布するチラシと違って、宛名付きでハガキや封筒を郵送して集客を行う方法です。最近ではメールマガジンなどに置き換わっていますが、依然として既存顧客への追加注文の促進、過去に商品を購入してくれたものの最近は購入履歴がない顧客(休眠顧客)の掘り起こしなどに使われています。特にインターネットを使わないシニア層などには有効とされます。

その3:新聞・雑誌広告・TVCM

いわゆるマス広告と言われるものですが、特にCMや新聞は影響力が非常に大きく、その分出稿費用も高額になります。たとえば新商品や新サービスを大々的に売り出したい場合や、広い範囲に素早く認知度を高めたい場合、企業としてのブランド価値を高める目的などに使われることが多いと言えるでしょう。より多数の人へリーチする際は最も効果的で、「商材のイメージを多くの人の頭の中に残す」という目的においては、非常に高い効果を発揮します。

その4:看板

こちらも古典的な集客チャネルと言えますが、リアル店舗を持つ飲食店や小売店にとっては非常に重要なものになります。たとえば看板の出ていないお店に進んで入りたい、という人は少ないと思います。看板がある無しでは入店率も大きく変わってきます。たとえば看板の写真をSNSにアップしてくれる可能性も高まるなど、オンラインを意識した設置も有効でしょう。

その5:店頭POP

店内外での集客ツールとして、POPも重要です。商品の近くに表示させるいわゆるPOPのほかに、のぼり旗やタペストリー、カフェの入り口などによく置かれている黒板なども含まれます。お店の前まで来ていたり、店内に既に入っている状態なので、購買意欲が高くなっている顧客をあと一押しするのに役立ちます。

関連記事:黒板POPで集客力アップ

その6:イベント・展示会

業界団体主催のものなど、イベントや展示会にも様々なものがあります。いずれにしても、その分野の商品やサービスに興味を持つ人が多く集まる場であるため、スピーディかつ効率的に見込み客を集客するのに向いています。その場で獲得する名刺なども、その後のDMやメルマガの送付リストとして活用することができます。

その7:FAX

低コストで一斉送信できるため、FAXが備えてある企業に対して大量にアプローチする方法として向いています。ただ、FAXは送信先の紙を使うことになるので、繰り返し送るとクレームに発展する恐れもあるので注意が必要です。

その8:電話・テレマーケティング

リストに対して1件1件電話をかけていくことになるため、労力は必要ですが、高額商品の集客方法として有効な場合もあります。また、資料送付の許可を取ったり、無料お試し商品の送付許可を取るなど、見込み客の集客を目的とするほうが効率的な場合もあります。ハードルを下げてアプローチすることで、その後の顧客獲得に向けた有効なリストを作成することもできます。

集客手法決定の流れ

ご紹介したように集客チャネルの種類としては、オンライン・オフライン含めて様々なものがあります。また有料のものもあれば無料のものもあります。集客施策を成功させるためには、どれを選んでいくのが良いのか。段階を追って選定方法をご説明していきます。

【Step1】 集客施策に必要な「予算」を決める

まずはどれくらいの予算を広告費としてかけられるのかを算定しましょう。やりやすい方法としては、目標とする売上高に対して、妥当と思われる広告費の割合を設定してしまうやり方です。たとえば売上高の10%を広告費に設定すると決めてしまって、各集客チャネルに割り振っていきます。

その他には、達成したい目標から逆算する形で広告費を決めるやり方もあります。たとえばリスティング広告であれば、これだけの購入数を確保するためには、これだけのクリック数や表示回数が必要で、そのためには予算はこれくらいになる、と算段する方法です。広告代理店では、業種や商材ごとに他社の事例などからシミュレーションしてくれます。見積もりの際に一緒にシミュレーションを提出してくれる場合が多いので、その内容を確認しながら予算を決めるのがよいでしょう。

もちろん、全く予算をかけられないのであれば、無料の集客チャネルを選ぶ方法があります。無料のものでも、自身の商材やサービスに合うものが変わってきます。ですので、優先順位をつけながら着手し、徐々に集客チャネルの種類を増やしながら試してみるのがよいでしょう。そこで得た結果データは、有料の集客チャネルを活用する際にも役立ちます。

【Step2】 集客施策の「ターゲット」と「目的」を決める

続いて、具体的に広告を出稿するにあたって、ターゲットと広告の目的を考える必要があります。世の中を見渡しても、同じようなサービスや商品は多くあります。そのような状況において、広告でありきたりなことを伝えても、集客力は弱いままです。他と何が違うのか。その点を考えながら、どのようなターゲット層であれば自分のサービスや商品を気に入ってくれるのかを考えながら、ターゲットを設定していく必要があります。

また、新規顧客の獲得なのか、リピーターの獲得なのか、集客施策を成功させるためには各チャネルで何を目的にするかをはっきりさせておく必要があります。そうでないと、効果を振り返る際に精度の高い検証ができません。リピーターを獲得したいのに、新規集客方法に適した集客手法を選んでしまう可能性もあります。

【Step3】 具体的な「集客手法」を決める

予算やターゲット、目的がしっかりと決まってから、ようやくどの集客手法を採用するかを決めていきます。新規集客方法に適した手法をとるべきか、それともリピーター獲得に重点を置いた手法をとるべきか。あらかじめ自社で検討した内容や広告代理店からのシミュレーションなどをもとに、最も効果が見込めそうな集客チャネルの種類を選んでいきます。オンラインのみでもよいですし、オンライン・オフライン両方を組み合わせても構いません。自分の商品やサービスに最も合うやり方を選んでいくのがよいでしょう。

まとめ: 集客手法の決定はPDCAを回しながら

いかがでしたでしょうか。従来の新聞広告や雑誌広告、テレビCMに折り込みチラシなどのオフライン広告だけでなく、GoogleやYahoo!などのインターネット広告やFacebookやInstagramなどのSNS広告などを含めると集客方法の選択肢は多岐にわたります。

様々な集客方法や集客手法の決め方などをご紹介してきましたが、いずれにしても実際に広告を出稿する前段階での工程が大切です。その部分をしっかりとしていないと、広告効果も正確に判断できません。広告は一度出したら終わりではなく、その後も検証を繰り返し、PDCAサイクルを回しながら広告効果を高めていくことが重要です。単発ではなく、ロングスパンで効果を検証しながら集客施策を見直し、売上と利益の最大化を目指していきましょう。

▶オンラインとオフラインを融合したマーケティングの心得