FacebookやTwitterなどのSNSの台頭とともにメールマガジン(メルマガ)は、集客の王道から外れつつあるようにも見えます。しかし、データなどを見ていくと、実はまだまだ影響力がありそうです。そこで今回は、メルマガ活用方法をご紹介したいと思います。
メルマガの活用前提:意外と多いメール利用
総務省による、平成25年の「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」で発表されている「コミュニケーション手段毎の平均利用時間と行為者率」によると、下表のようになります。
全体で見た平日の平均利用時間では、メールが最も長く26分、次いでソーシャルメディアが15.5分となっています。メール行為者率は、50.7パーセントと半分ほどの人たちがメールを使っていることがわかります。
確かに、ソーシャルメディアの利用時間は増加傾向にあり、10~20代の若年層ではSNS利用が群を抜いていますが、それ以外の層(30~60代)においては、メールがまだ圧倒的なシェアを誇っているのがわかります。とくに30~50代はメールを1日平均30分弱使っていて、見逃せない数値といえるでしょう。
10代、20代が声高にSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)をつかっていることを受けて、実態よりもメールが衰退していると思い込んでいたのではないでしょうか。スマートフォンとfacebook、twitterといったソーシャルメディアの結びつきは意識していても、スマートフォンでもメールマガジンは開封できます。有効な集客ツールなのです。コミュニケーションツールとしてのメールは、まだまだ強い存在だと言えるのではないでしょうか。
メルマガ開封者の約50%がスマホで開封
セレゴ・ジャパンの運営するクラウド型英語学習サービス「iKnow!」のユーザーに対して行った、PC向けHTMLメールの受信環境調査によると、開封者の50.3%ものユーザーがスマホでメールを開封していることが明らかになりました。
特にiPhoneのユーザーが35%と3分の1以上を占めている点も特徴的です。(2012年11月30日配信メール 開封端末調査結果)
出典:MarkeZine メルマガ開封者の約50%がスマホで開封/約8割のユーザーが現状に不満【スマホでのメール閲覧実態調査】
企業からのメールを閲覧する際には、スマホとPCの使い分け
女性のほうがスマホで閲覧する傾向が強いものの、全体として88.6%もの人々がスマホとPCの両方でメールを閲覧しているという結果となりました。
スマホでのメール閲読に不便を感じているユーザーが約8割
何かしら不便を感じている回答は、85.2%に上りました。
「横にスクロールしないと全体が見られない」、「文字が小さい」などの回答が多く、企業が配信しているメールの多くがスマホには最適化されていないようです。また「メールが長い」、「テキスト量が多い」という回答も目立っており、スマホではPCと比較し、情報量を抑えて端的に訴求ポイントを伝えるメールが好まれる傾向が推測できます。
スマホでも読みやすいメルマガ:文章量
スマホでの受信を意識したメールマガジンの作成方法としてPC、スマホ、タブレットなど多デバイスで読まれることに配慮したデザインすることが大切になると考えられます。スマホに重心を置きながら、パソコンでもストレスなく見られる新たなメルマガの形を模索していく必要がありそうです。そのポイントの1つ目は文章量をダイエットすることです。
パソコンとスマホにおけるメルマガ表示の違いとして、画面の幅があげられます。スマホはパソコンより画面が狭いので、一行の文字数がパソコンの半分近くに減ってしまいます。このため、一文の長さを短くして改行試薬スします。また箇条書きなどにすることも読みやすくするポイントです。
出典:ECナビ
また全体の文章量を絞り込み、コンパクトにまとめるも大切です。改行が多くなりすぎると、スクロールが大変になってしまい、読むことが不快になってしまいます。スクロールが少ないほど、離脱率は低下する傾向があります。ファーストビューで概要だけでも伝えられるよう、冒頭に「まとめ」をつけるなどの工夫も効果的です。
無駄な改行を使い過ぎないようにしましょう。パソコン表示では違和感のない改行が、画面の狭いスマホでは冗長に見えてしまう場合があります。また、幼い文章、低俗なサイトや迷惑メールのような印象も与えかねません。できるだけ改行をしなくてすむように、一文の長さを短くするなどして、すっきりしたメール文面にしましょう。
スマホでも読みやすいメルマガ:デザイン
2つ目はスマホで見やすいテキストデザインを考えるということです。スマホ向けメルマガでは、画像や文字を手でピンチして広げてみなければ見えない場合や、機種によっては、表示そのものが行われないエラーもあるため、できるだけHTMLを使わないほうが無難です。テキストならではの強調表現で補いましょう。
具体的には、カッコを効果的に利用しましょう。よく使われる「」だけでなく、【】や《》などの機種依存文字でないカッコを使い、アピールしたいポイントを強調します。使いすぎると効果が薄れるので、メルマガ全体のバランスを重視しましょう。ダッシュ罫線で、すっきり区切ることも有効な手法の一つです。twitteの自己紹介欄をイメージするとわかりやすいでしょう。
いくつかの商材を並べて紹介したい場合など名詞を並べるときに有効です。テキストでの説明がだらだら続くと読みづらくなってしまいます。半角ダッシュ(-)で作った罫線で適宜区切ると、文面がすっきりします。画面幅が狭いので、短めの罫線にするのがコツです。以上のような点に気を付けて、スマホで読みやすいメルマガをめざしてみてください。
まとめ
企業側が、PC向けメールとして配信していても、実際にはスマホで閲覧されているケースが多くなっています。この傾向は、今後、スマホ端末の普及が進むにつれ、さらに加速するものと予測されます。
FacebookやTwitterなどのSNSに比べ、運用の歴史が長いメルマガ。登録メールアドレスや顧客属性データなど、すでに蓄積されたユーザー情報をお持ちの会社も多いと思います。そのデータを活用しながら、日々進化しているメール手法も活かしつつ、今後の方針を今一度考えてみてはいかがでしょうか。