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店舗アプリのポイントシステムがもたらす利益|メリット・成功事例を解説

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  • hatena

現在、多くの飲食店や小売店がマーケティング施策の1つとして公式の店舗アプリを提供しています。その店舗アプリの中で大きな特徴であるポイントシステムはどのような役割を果たしているのでしょうか。

店舗アプリのポイントシステムがマーケティングにおいてどのような影響を及ぼすのか詳しく見ていきましょう。

店舗アプリのポイントシステムとは

店舗アプリのポイントシステムとは

店舗アプリのポイントシステムとは、顧客が商品を購入した際にスマートフォンに対応した店舗アプリを通してポイントが付与されるシステムことです。
マーケティング施策の1つとして、多くの飲食店や小売店に導入されています。

ポイントシステムでは、顧客から支払われた料金の何%かを還元するという仕組みが広く使われています。買い物をするごとに還元されたポイントが貯まっていくシステムは、顧客の視点からは大変お得でかなり魅力的に見えるため、集客や販促には効果的です。

従来は実物のポイントカードがあり、そのポイントカードを商品購入時に毎回提示することでポイントが付与されるという形が一般的でしたが、最近ではスマホのアプリ上でポイントの付与・貯蓄ができるお店が増えてきました。
これは急速にデジタル化が進む時代の流れに乗ることや、顧客の不満を解消することを目的として起こった変化です。

店舗アプリのポイントシステムの導入は、新規顧客の獲得や既存の顧客の不満解消に大きく貢献し、結果的に企業や店舗の利益を増大させました。

ここからは、店舗アプリのポイントシステムを導入する具体的なメリット・デメリットや、成功事例などを紹介していきます。

店舗アプリにポイントシステムを導入するメリット

店舗アプリにポイントシステムを導入するメリット
店舗アプリのポイントシステムは企業や店舗の利益の増大に貢献しましたが、具体的にどのようなメリットを与えたのでしょうか。
集客や販促に役立つポイントを解説していきます。

ポイントカードが不要になる

スマートフォン上のアプリにポイントカードと同じ機能をつけることによって実物のポイントカードが不要になりました。ポイントカードが不要になったことは企業や店舗側と顧客側、双方に利点があります。

企業や店舗の視点から見た場合の利点として、ポイントカードの印刷・発行コストが削減できることが挙げられます。
ポイントカードは1枚1枚印刷し、発行したものを顧客に提供する必要がありましたが、店舗アプリの場合は一度システムを導入して配信すれば完結します。

そして顧客の視点から見た場合の利点としては、ポイントカードを持ち歩く必要がなくなったことが挙げられます。
従来はポイントカードを家に忘れた場合ポイントを付与することができませんでした。しかし、店舗アプリのポイントシステムの場合スマートフォン1台で完結するためポイント付与の機会を逃すことが少なくなりました。

ポイントで支払いや交換ができる

還元されたポイントは支払いに使用したり商品と交換したりすることが可能です。

貯まったポイントで支払い・交換が可能になった場合、顧客はお得に買い物をすることができます。

お得に買い物ができることが分かった顧客はポイントをためることを目的に購入機会を増やし、企業や店舗に多くの利益をもたらすでしょう。
また、お得なポイント還元に魅力を感じた新規顧客を獲得することにもつながります。

店舗アプリにポイントシステムを導入するデメリット

店舗アプリにポイントシステムを導入するデメリット

一見万能に見える店舗アプリのポイントシステムにもいくつか注意点が存在します。
デメリットを1つ1つ見ていきましょう。

アプリがインストールされている必要がある

店舗アプリのポイントシステムはスマートフォン上にアプリがインストールされていることが前提となります。
スマートフォンの損傷や買い替えなどの顧客の事情によってスマートフォン上からアプリがなくなってしまった場合、継続して利用してもらうことが難しくなるでしょう。

以前のデータを復旧させるシステムやアプリ経由のお得なキャンペーンを定期的に開催するなどのアプリをスマートフォン上にインストールしてもらう工夫が必要となってくるでしょう。

システムの開発・維持にコストがかかる

ポイントシステムの導入の際は必ず開発費や維持費がかかります。
本格的なアプリケーション開発スキルを用いたシステムの導入になるため低コストで済ますことは難しいでしょう。

また、アプリの運用にはトラブルがつきものです。
アプリ内のシステムトラブルや顧客のスマートフォンのOS関連のトラブルなど様々な問題が生じることが想定されます。
トラブルが起こった際の迅速な対応やトラブルを想定した事前の準備が必要となってきます。
そのような場合、プログラムの修正費や人件費、時間などあるゆるコストがかかるでしょう。

店舗アプリのポイントシステム導入成功事例

店舗アプリのポイントシステム導入成功事例

実際に店舗アプリのポイントシステムを導入して利益を増大させた企業は数多く存在します。
その中でも、特に代表的な事例をいくつかピックアップして紹介していきます。

Tポイント

Tポイントとは、株式会社Tポイント・ジャパンが運営するポイントプログラムのことです。
TUTAYAで利用できるポイントが提携先で付与されるサービスから始まりました。
現在では、提携先でもポイントが利用できるようになっています。

Tポイントは、

  • ポイントの付与
  • ポイントでの支払い
  • ポイントと商品の交換
  • キャンペーンへの応募
  • TUTAYAの会員証の提示
  • 加盟店の位置情報検索

などが行える公式の店舗アプリを配信しています。

Tポイント公式店舗アプリは顧客満足度の向上や新規顧客の獲得に大きく貢献しています。

マツモトキヨシ

マツモトキヨシは、株式会社マツモトキヨシが運営するドラッグストアで全国にチェーン店を展開しています。

マツモトキヨシは、以下の機能を持つ公式店舗アプリを提供しています。

  • ポイントの付与
  • 会員証の提示
  • クーポンの配布
  • 新着情報の発信
  • 店舗検索
  • オンラインストア
  • 処方箋送信
  • アクティブリワード
  • お薬手帳

公式店舗アプリの登場によりポイントカード作成にかかる作業が短縮され、ポイント利用者が増加しました。
また、その他の機能も利便性の向上に貢献し、販促効果を示しました。

店舗アプリのポイントシステムは集客・販促に効果的

メリットや成功事例から考えると、店舗アプリにポイントシステムを導入することで得られる利益は大きいと言うことができます。
顧客への購入機会の提供や新規顧客の獲得、利便性の向上など、様々な場面で利益をもたらしてくれるでしょう。

店舗アプリのポイントシステムは企業や店舗の一方的なマーケティング施策ではなく、利便性の向上や支払われた額の還元など、顧客にとっても利益があるwin-winのマーケティング施策です。多少のデメリットがあろうとも顧客のためを思ったら導入するべきであることは明白です。

飲食店、小売店はもはや店舗アプリにポイントシステムを導入しない手はありません。いち早くポイントシステムを導入し、顧客との関係構築に力を入れ、長期的な利益の増加を手に入れましょう。