スマートフォンの普及にともない、アプリを用いて販促する店舗の姿が当たり前になってきました。しかし、ITツールに馴染みがない店舗にとっては、アプリによる販促についてイメージが湧かないかもしれません。今回はアプリによる販促のメリットをはじめ、実際の導入事例や活用の注意点などを解説します。
目次
アプリを販促に用いるメリット
アプリで販促をするためにはソフトの開発や運用を行う必要があり、ハードルが高いと感じる方もいることでしょう。導入に迷っている方のために、まずはアプリを販促に用いるメリットからご紹介しましょう。
メリット1.新規顧客の獲得
アプリでは、クーポンやポイントカードの機能を搭載できるので、今まで以上にショッピングをしやすくなります。アプリで利便性の高さをアピールすれば、過去に店頭に直接訪れたことのない顧客層にアプローチできるでしょう。
メリット2.紙媒体のコストを削減
チラシやクーポンを発行すると紙を消費し、店舗の数が多いほどその量は膨れ上がっていきます。アプリでチラシやクーポンを配布すれば更新が楽であり、コストや時間を節約できます。
メリット3.販促活動を分析できる
チラシやクーポンだと顧客の反応が確認しづらいけれど、アプリを利用すればクーポンの使用状況がデータ化できるので、今後の販促活動に分析して活かせます。
メリット4.プッシュ通知が送れる
アプリではプッシュ通知というユーザーに直接メッセージを配信できる機能があります。携帯のホーム画面でメッセージが表示されることから、メールなどとは異なり開封されない可能性を減らせます。
アプリによる販促の事例
アプリによる販促について具体的なイメージが湧かない方もいるかもしれません。大手百貨店の高島屋もアプリによる販促を行っているので参考に紹介します。
高島屋は「タカシマヤアプリ」を提供しており、店舗のイベント情報や各階のフェア、折り込みチラシなどに携帯からアクセスすることが可能です。各店のイベントに関する情報は普段使っているカレンダーアプリに登録できるように工夫されています。
ポイントについてはアプリに表示されるバーコードから貯めること可能で、ユーザーは保有ポイントを気軽に確認できます。ギフトカードがもらえるキャンペーンなどもアプリからの応募を促しているのは、アプリのダウンロードに結び付けるための取り組みだといえるでしょう。
高島屋はほかにも複数のアプリも提供しています。「my daiz」というアプリではユーザーの呼びかけに応じて各店舗の案内をしてもらえたり、オンラインストアでギフト選びを手伝ってもらえます。「リング試着」のアプリでは、高島屋が紹介するブライダル&アニバーサリーリングをiPhoneの画面上で試着体験することが可能です。
単なるチラシやクーポンの表示だけでなく、商品の体験まで提供している点については、アプリによる販促の幅を広げたい企業にとっては参考になるといえるでしょう。
アプリによる販促を効率的に進める方法【オンライン編】
アプリを販促のために開発してもダウンロードしてもらえなければ意味がありません。アプリのダウンロードを促進して販促を効率的に進める方法についても確認しておきましょう。
たとえば、ASO(Application Store Optimization)と呼ばれるアプリストアの最適化が必要です。検索結果でサイトの上位表示を狙うように、アプリストア内でキーワードを検索したときに自社のアプリが上位に表示されるようにする方法です。
また、SNSの企業アカウントを使ってダウンロードについて宣伝する方法もあります。アプリ内のクーポン情報についても並行して宣伝すればアプリによる販促の効果を高められることでしょう。
SNSは双方向のコミュニケーションが取れる点に特徴があり、アプリの利用者から意見や感想を得られます。フィードバックを活かしながらアプリによる販促を見直していくことも重要です。
近年はアプリのダウンロードなどでウイルスが広まることもあり、知名度の低いアプリであると警戒されてダウンロードをしてもらえないケースもあるでしょう。アプリを愛用してもらっている方にレビューをしてもらう仕組みを整え、地道にレビュー数を増やしていくことも大切です。
アプリによる販促を効率的に進める方法【オフライン編】
オンライン上だけでなくオフラインの宣伝によるダウンロードの促進も有効です。たとえば、店内にポスターやポップを配置して告知することです。
レジや試着室など来店客から目につきやすい場所でPRし、クーポンやスタンプカードをその場で役立てもらえば、販促にもつながるでしょう。
また、アプリをダウンロードするときに検索すること自体を面倒に感じる来店者もいる可能性があります。そのため、あらかじめQRコードを用意しておき、興味を持った来店者がスムーズにアプリをダウンロードできる環境を整えておくことも重要です。
そのほか、携帯の利用に慣れていない世代がいることを踏まえて、テレビや新聞などで幅広い年齢層にアプリを認知してもらうことも必要です。その際は、ターゲット層に対して影響力の強いインフルエンサーを起用し、アプリに親しみを持ってもらうのも一つの手段といえるでしょう。
ただ、利用に慣れていない方がアプリをダウンロードしても、使いこなせなくては販促活動を行っても意味を成しません。スタッフが店頭で使い方に関する相談を受付・サポートする体制を整えておくことも大事でしょう。
そのほか、自社サイトでアプリの機能や使い方の内容について、年齢層問わずわかりやすいように説明することも大切です。
アプリの販促における注意点
完成して間もないアプリは発展途上であることが多い傾向です。アプリによる販促を急ぐあまりタイミングを考えずに宣伝してしまうと、不満を感じたユーザーによって低評価をつけられてしまう可能性が考えられます。
そうなってしまえばアプリの利用が浸透せず、アプリによる販促に結び付かない恐れも生じることでしょう。
一度低い評価をつけられてしまうと、はじめのマイナスイメージを払しょくする負担が増えてしまうので、可能な限りアプリの完成度を高めてから宣伝に打って出ることが重要といえます。
また、アプリを提供してもコンテンツの内容が長期間変わらないと、ユーザーが飽きてしまい利用者が離れて知ってしまう可能性があります。したがって、定期的にアプリのコンテンツを更新することも大切です。
同様の視点から、アプリの運用にリソースが割けずに通知がおざなりになると、ユーザーから悪印象を抱かれて最悪アプリを削除されてしまう恐れもあります。販促活動の際には、同じ内容を複数回送信しないように配慮したり、通知内容を臨機応変にカスタマイズしたりするようにしましょう。
そのほか、アプリを導入して販促活動を行っても、開発費のもとが取れないケースがある点に注意が必要です。開発にかけた費用を回収する収益計画についても慎重に吟味するようにしましょう。
アプリの販促ツールまとめ
以上、アプリの販促に関するメリットをはじめ、大手百貨店の活用事例や販促を効率化する方法などについて解説しました。アプリを販促に取り入れるメリットや活用方法を知って、早速導入してみたいと思えた方もいるのではないでしょうか。
ただ、過去にアプリを作ったことがない方であれば、導入のハードルが高いことには変わりありません。そこでおすすめなのが店舗アプリ制作ツールです。
パッケージ機能を組み合わせるだけで販促アプリを作成することができ、デジタルクーポンやプッシュ通知、デジタルチラシなどの機能を活用して顧客の購買意欲を高められます。
短期間・低価格で作ることも可能なので、アプリで販促を行ってみたい場合は、ぜひ店舗アプリ制作サービスの利用も検討してみるとよいでしょう。