店舗アプリを導入する企業や店舗からは「コストをできるだけ削減したい」という本音が垣間見えます。
しかし、料金の内訳や安価な店舗アプリを把握していないがために無駄にコストをかけているケースは珍しくはありません。
そこで今回は、店舗アプリにかかる料金の種類、安い店舗アプリについて解説していきます。
店舗アプリの導入にかかる料金その1:基本料金
店舗アプリの導入にかかる料金の中で、多くの場合必ず支払うことになるのが基本料金です。基本料金には、開発費と維持費の2種類があります。
開発費
開発費は、アプリのシステム構築、機能の設定、デザインなどのアプリ開発の段階で必要となる費用です。開発費は一律で決められていることは少なく、多くの場合、業種やお店の規模、その他の条件などによって金額が変わります。
アプリの開発というと数百万円~数千万円規模の大きな費用がかかるというイメージを抱く方は多いですが、現在は比較的安価で開発してくれる店舗アプリ制作サービスなども多く登場しているため、以前と比べると店舗アプリの開発費を抑えることは容易になってきています。
維持費
維持費は、アプリの運営を維持していく上で必要になってくる料金のことを指します。
維持費には、サーバー費用、ドメイン費用、アップデート対応費用などが含まれます。また、店舗アプリの種類や利用した制作サービスなどによっては利用料などがかかることがあります。
維持費も開発費同様、お店の規模などによって金額が変化します。維持費は店舗アプリを利用している期間中、継続的に支払わなければならないため月額での支払いとなっていることが多いです。
店舗アプリの導入にかかる料金その2:追加料金
店舗アプリを利用する場合は基本料金とは別に追加料金がかかるという場合もあります。追加料金は、主に機能の追加やサポートにかかる費用です。
店舗アプリや業種、お店の規模によってはどんどん機能の追加が必要となってくる場合があるため、追加料金は高額になりやすいです。追加料金が基本料金を上回ることは珍しくありません。
では、追加料金の内容を見ていきましょう。
追加機能費
店舗アプリ内の機能を追加していく場合、追加するごとに料金を支払わなければいけない場合が多いです。
追加する機能の例としては、
- 店舗数の増加
- デジタルチケット機能
- オンラインショップ機能
- テイクアウト機能
- 分析機能
などが挙げられます。
店舗の拡大や状況の変化などが起こった場合、既存の機能だけで店舗アプリを提供していくことは難しいため、機能を追加することの必要性は高いです。そのため、追加機能分の料金を払うという前提で店舗アプリを導入した方が良いでしょう。
機能の追加にかかる費用は機能によって変わってきます。規模が大きく重要度が高めの機能を追加する場合は大きな金額の料金となることは珍しくありません。
サポート費
店舗アプリを導入した際に、アプリを開発した業者や店舗アプリ制作サービスの運営元から有償でサポートを受けることができる場合があります。機能やデザインについての相談やトラブルが発生した際の対処など、サポートの内容は様々です。
サポートは必須ではありませんが、トラブルが頻繁に発生したり業態を変更したりする場合はサポートを受けずに店舗アプリを運営していくことは難しい場合もあるでしょう。
サポート費の費用は業者やサービスによって異なります。サポート内容によって料金が変わる場合や定額で支払う場合などがあります。
料金の安い店舗アプリ①みせめぐ
株式会社ビジコムが運営する「みせめぐ」という店舗アプリは、完全無料で利用することができます。
みせめぐは約3500店舗という導入実績を誇り、会員数は60000人ほどいます。
株式会社ビジコムは、POSレジという販売情報の管理に優れたレジを販売しており、そのPOSレジを多く使ってもらうためにPOSレジと連動できるみせめぐを開発しました。POSレジの普及が大きな目的のため、みせめぐは無料で利用することができるのです。
みせめぐはオリジナルの店舗アプリとは異なり、色々な業種の店舗と共有して利用するという特徴があります。
複数の店舗で共有することによって開発費や維持費などの料金を削減できるという点も無料で提供している理由の1つでしょう。
他店舗と共有することのメリットは以下の通りです。
- アプリのインストールやユーザー登録にかかる労力を削減
- アンインストールのリスクが低い
これらの点は顧客満足度の向上につながります。
みせめぐの機能は以下の通りです。
- 店舗の位置情報の検索
- プッシュ通知
- ポイント付与
- 会員証
- 購入履歴
- POSとの連動
- クラウドサービスとの連動
機能の追加やサポートがないため、追加料金も不要です。機能の追加やサポートがないことは一見デメリットですが、みせめぐの場合は元々ある機能で集客・販促・顧客分析ができるため、店舗アプリとしての役割は果たしています。むしろ、無料で利用できる店舗アプリとしては十分すぎる内容と言えるでしょう。
料金の安い店舗アプリ②LINE公式アカウント
LINE株式会社が提供するLINEというソフトウェアは、月間8400万人が利用する個人間でのコミュニケーションツールです。
LINEは、一般人が使うコミュニケーションツールとは別に、「LINE公式アカウント」というツールも提供しています。
LINE公式アカウントは、個人や店舗、企業が不特定多数の顧客に向けて一斉配信ができるメルマガのような店舗アプリです。
料金プランは以下の3つです。
- 無料プラン・・・無料
- ライトプラン・・・5000円
- スタンダートプラン・・・15000円
完全無料で利用することが可能ですし、有料プランでも追加料金は支払う必要がなく、月額の安い利用料金のみで利用することが可能です。
プランによる違いは送信できる数にあります。無料プランは月1000通、ライトプランは月15000通、スタンダートプランは月45000通の送信が可能です。
LINE公式アカウントの機能は以下の通りです。
- 一斉配信
- 自動応答
- 1対1のトーク
- タイムライン
- ポイントシステム
- クーポン
- PRページ
- 抽選
- 投票
店舗アプリの機能としてはかなり充実していて使い勝手はかなり良いです。また、最近は多くの方がLINEを利用しているため、公式アカウントを登録するハードルは低く、尚且つアンインストールされるリスクが低いという利点があります。もちろん、ブロックされることはありますが、顧客とのコミュニケーションやキャンペーン、クーポン、イベントなどを工夫すれば回避できるでしょう。
料金の安さと使い勝手の両方においてレベルが高いLINE公式アカウントは店舗アプリとして非常におすすめです。
店舗アプリはできるだけ安い料金で導入しよう
店舗アプリを導入することが当たり前となってきている現代では、導入する店舗アプリや店舗アプリ制作サービスを厳重に見極めることが重要になります。無駄な機能や必要のないサポートで無駄なコストをかけることはできるだけ避けなければいけません。
企業や店舗だけの問題でなく、無駄が多い店舗アプリは顧客の満足度を下げることにもつながります。顧客満足度が下がってしまえば、集客・販促を抑制することになりかねません。
店舗アプリを導入する際は、業種や店の規模などから考慮した上で店舗アプリや店舗アプリ制作サービスをまんべんなくリサーチし、自分の店舗に合った機能のみがついている店舗アプリをできるだけ安い料金で利用しましょう。