スマートフォンでアプリを利用していると画面にメッセージが表示されるが事ありませんか?今回は、ジャストシステムの『プッシュ通知に関する実態調査』データをもとに「どんなタイミングでどんな内容を配信すると効果的なのか?」を考えていきたいと思います。
プッシュ通知とは?
これまではお店のキャンペーン情報や商品情報などを、メールマガジンを使ってお知らせをする事が主流だったと思いますが、スマホやLINEなどメッセージアプリの普及によって友達同士だけでなく企業からのメッセージの配信や受け取り方も変わってきました。
プッシュ通知とは、「アプリがユーザーに向けて発信するお知らせ」を、メッセージアプリの「新着メッセージがあります」、ニュースアプリの「午後のニュースが届きました」などiPhoneやAndroidなどのスマホの待受画面上に表示させる機能のことです。
そのアプリを起動していなくても待受画面にメッセージが届く機能のため、メールのようにユーザーが能動的にメッセージを受信する「プル型」と比較して、「プッシュ通知」といわれます。ユーザーにせっかくアプリインストールして会員登録してもらっても、なにもアクションを起こさなければアプリを忘れらたり、すぐに使われなくなったりしてしまいます。
また、逆にメッセージを配信しすぎても「うっとおしい」と感じられブロックやアプリ削除をされてしまうためベストなタイミングや内容を見極める事が大切になります。では、ユーザーはアプリのプッシュ通知についてどのような印象を持っているのでしょうか?
プッシュ通知を確認するタイミングは?
メッセージのプッシュ通知はスマホの待受画面にメッセージが届くため、ユーザーの目に触れやすいというメリットもありますが、そのタイミングや配信頻度によってブロックされやすいというデメリットも持っています。
プッシュ通知を確認するタイミングは、「プッシュ通知の内容によってはすぐ見るが後でまとめて見ることの方が多い」が57.1%、「基本的に来たらすぐ見ることが多い」が21.3%、「内容に限らず後でまとめて見ることの方が多い」が15.3%となっています。
画面上で、「メッセージが来た」という確認はするが詳細な内容やアプリを開いてチェックするのは後でまとめてという方が半数以上でした。
どのタイミングでまとめてチェックしますか?
「まとめて確認する」と回答した方に「どのタイミングでまとめて配信しますか?」という質問に対しては、「夕食から就寝までの間」が53.1%、「お昼休憩時」が49.0%、「帰宅から夕食までの間」が32.9%となっています。
お昼や夕方以降の仕事や家事の合間のタイミングでプッシュ通知で来たメッセージをまとめて開き詳しく内容をチェックしているという使い方をしている方が多いようです。
どんな内容であればプッシュ通知のメッセージが開封したくなりますか?
下図は、プッシュ通知の内容ごとにユーザーが開封するかどうかがまとめられた図になります。特に、濃い青色の「開封しやすい」と回答した人の割合と、濃い赤色の「比較的開封しやすい」と回答した人の割合に注意して、図を見ていきましょう。
「プッシュ通知のメッセージ内容ごとの開封状況」について質問したところ、開封しやすいと回答した中で最も多かったのは「内容やメリットがわかりやすいプッシュ通知」で35.5%でした。
「内容やメリットがわかりやすいプッシュ通知」と回答した人は、「開封しやすい」「比較的開封しやすい」を合わせると約75%となっています。
その一方で、「いかにも通知というようなフラットな文面のプッシュ通知」と「詳しい内容は分からないがインパクトのあるプッシュ通知」の「開封しやすい」「比較的開封しやすい」を合計した割合はともに、約40%となっています。
このことから、簡潔過ぎるプッシュ通知では、ユーザーの気を引けず、かといって、奇をてらったインパクトのあるプッシュ通知でもユーザーが開封する可能性は、「内容やメリットがわかりやすいプッシュ通知」よりも少ないことがわかります。
プッシュ通知の開封率の効果を上げるためには、待受画面に表示されるスペース上で、少ない文字で内容やメリットを簡潔表示できるようにまとめていると、開封されやすい傾向が高いようです。
どんなプッシュ通知は「やめよう」と思いますか?
下図は、プッシュ通知のタイミングについてユーザーがどう感じているかがまとめられた図になります。特に、濃い青色の「あてはまる」と回答した人の割合に注意して、図を見ていきましょう。
どんなプッシュ通知が来たら削除をしたくなるかという質問に対しては、「1日に何十件もプッシュ通知が来ると見る気が失せてしまう」が36.5%、「毎日同じ更新タイミングにくるプッシュ通知は内容を見ないことが多い」が28.3%、「大量のプッシュ通知が原因でアプリを削除したことがある」が22.4%となりました。
1日に数通くるアプリは「多すぎてうっとおしい」という印象を持たれやすい傾向があるようです。また、毎日プッシュ通知をしていたアプリがある日を境にプッシュ通知を停止したところ、停止した日からアクセスが減少し、開封率などが減少したというデータもあります。
プッシュ通知を行う際には、結果を出すためには継続的に続けていく事が大切なことがわかります。
<まとめ> プッシュ通知はタイミングと内容が大切
プッシュ通知は、メルマガと比較して「スマホの待ち受け画面に自動的に表示されるので見てもらいやすい」というメリットがあります。しかし、見てもらいやすいからといって1日に何通もおくると削除されやすいというデメリットがあるということも分かりました。
メッセージを送る際には
- プッシュ通知で表示される部分の文章(タイトルや、メッセージの上部など)に伝えたい内容を簡潔にまとめること
- メッセージ全体も長すぎると、読みにくいためなるべく短くまとめること
などを心がける事が大切になります。
来店するお客さんの特性や来店頻度、商品・サービスの内容によって配信内容や配信タイミングが変わってくるため、自分のお店に来店してくれる(アプリをインストールして登録してくれている)お客さんの心に響きやすい「タイミング」「内容」を試行錯誤を繰り返しながら掴んでいくことが大切です。
アプリのメッセージ配信をする際に利用する管理画面に「分析機能」がある場合には、ぜひ配信後の登録ユーザーの動向をチェックして、より効果的なタイミングを見つけてみてはいかがでしょうか?
登録ユーザーの中で、「プッシュ通知を受け取る」 → 「通知を開きアプリ起動」というサイクルが定着すれば、継続率が上がる可能性もグンと伸びます。プッシュ通知のメリットを活かしながら、お客様の開封・利用率の高いメッセージ配信を行っていきたいですね。