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アパレル業界で見られるようになったO2O型サービスをご紹介

OMO
  • hatena

O2Oというワードは2011年下半期から注目を集めています。Webサイトで行われる活動やキャンペーンによって、実際の店舗へ足を運ぶきっかけ作りをする取り組みです。このO2Oを利用したサービス例を、アパレル業界に焦点を当て、それぞれの事例と特徴をまとめました。

O2Oサービスとは

O2Oとは、Online to offlineの略称です。これは、ウェブなどといったオンラインでの活動や施策をする事によって実店舗(オフライン)の購買へと繋げるマーケティングの事を指します。その行動の例として、「オンラインで商品の価格等を調べた上で店舗に行き、商品を購入する」あるいは「オンラインで配布されているクーポンを店舗で使用する」などの行動パターンが挙げられます。

お店を持つ経営者にとって、店舗へ足を運んでもらうかがものすごく重要になってきます。現在ではスマホなどのモバイル機器が普及したことによりより多くの情報と接するようになりました。その為、情報に触れる側も自然と好みの情報を選りすぐるようになり、やみくもに情報発信をしていっても効果が見られるとは必ずしも言えなくなってきた時代になりました。

その為にも、自社の商品に興味を持ってもらえるような集団に効果的に宣伝をするといったターゲットを絞った広告が重要になってくるのです。そういう点においてはInstagramやTwitterなどといったSNSが効果的です。加えて、今しか手に入らないような商品が割引価格でゲットできるといったようなお店に足を運んでもらうことでどんなメリットが得られるのかを一目で分かってもらう必要があるのです。

O2O出典:小さな会社の経営者の為のWeb集客実践塾

O2Oサービス事例その1:買い物を快適にする

UNITED ARROWS

UNITED ARROWS

UNITED ARROWSのホームページでは、初めて購入するお客様に対してもお買い物しやすくガイドが掲載されています。商品の探し方に関しては、絞り込み検索、特集、新着アイテム、オススメのアイテム、ランキング、スタイリストから探す事が出来て、色々な角度から商品を探す事が出来ます。

UNITED ARROWSのホームページで自分の欲しい商品の情報を確認することが可能です。取り扱っているサイズや、在庫有無もわかり、効率良く買い物をすることができます。こうすることで、店頭に行ってみたものの商品が無かったなんて言うことにならずに済みます。店舗とECのポイントを共通化することで、実店舗への誘導と再来店促進を可能にしました。

洋服の青山

洋服の青山 マイサイズ出典:洋服の青山

洋服の青山では、買い物をより簡単・快適にするために、自分のサイズをオンラインで登録することが可能です。マイサイズの登録を行うことで、自分の体にあった商品を検索することがきます。こうする事で、いちいち自分に合った服を色々試すなんていう手間を省けますよね。

洋服の青山 試着予約サービス出典:洋服の青山

オンラインで見つけた気になる商品は、試着予約をして店舗で試着することが可能です。実際に着てみたらなんかフィットしなかったなんてことも試着をすれば防ぐ事が出来てありがたいです。
このように、ウェブにアクセスしたお客様を実店舗に流し、来店促進を行います。

O2Oサービス事例その2:プレゼントが貰える、あげられる

BANANA REPUBLIC

BANANA REPUBLIC

2012年にアメリカのブランド、バナナ・ピパブリックが行ったFacebook連動型キャンペーンFASHION TAGGING」。スタイリスト考案のコーディネート20種類と、Facebookの友人の似合う組み合わせを探し、「似合うね!」ボタンを押します。「似合うね!」ボタンを押された友人には自動的にコーディネートに用いられたアイテムが当たる抽選券を送ることができ、バナナ・リパブリックの店舗で抽選に参加することが可能になります。

こうする事で、似合うね!を押された友人は嬉しいだけでなく、お得なキャンペーンに参加出来るのでまさに一石二鳥なのではないでしょうか。
「似合うね!」ボタンを押した本人にも新商品が当たる抽選会への参加券が与えられます。このユニークな取り組みは、ネット上でも反響を呼び、日本でのバナナ・リパブリックの知名度を上げることにつながりました。確かに、今までにない面白いシステムではあります。

GAP

GAP デジガチャ
出典:【ストア限定】夏休みは、Gapストアで毎日デジガチャにトライ! 「夏休みプレゼントキャンペーン Powered by デジガチャ」

GAPが行った2013年夏休み限定企画。スマホでGAPストアにチェックインすると、画面上でデジガチャがまわせます。

デジタルでもガチャガチャが回せれば何が出てくるのだろうとワクワクしてきますよね。デジガチャのくじびき結果画面を店頭のレジに呈示すると、その場で素敵な商品と交換でき、再来店を促します。良いくじが出たら、またやりたくなりますよね。

1つのアプリが多店舗への来店促進するO2Oサービス

ショプリエ

ショプリエ出典:https://itunes.apple.com/jp/app/shopurie/id494806491?mt=8

ショプリエとはお店に入って入店ボタンを押すだけでポイントがたまり、加盟店で商品券やノベルティと交換できるサービスの事です。Pontaカードなど、有名ブランドのお店で利用できるポイントカードなどを一括で管理してくれます。紙媒体のポイントカードが沢山溜まってしまうとお財布がかさばってしまいますよね。それで結局必要なポイントカードがあるのかないのか分からなくなってしまいます。アプリで一括管理という面では非常にコンパクトで使いやすくなるのではないでしょうか。

iPhone端末でもAndroid端末でも使えるアプリなので、スマホを持っていれば誰でも簡単に登録することが出来ます。例えばiPhoneユーザーは使えるけれどAndroidユーザーはアプリをダウンロード出来ないなんていうと少し不便ですよね。ダウンロードに関しては利便性が高いものになっています。
2015年の渋谷ファッションフェスティバルでは、ショプリエをダウンロードしているお客様に先着で5000円のクーポンを配信し、話題になりました。

最近のアプリはただ便利というだけではあまり使うユーザーが増えない傾向にあるようです。ショプリエをダウンロードしているお客様に先着で5000円のクーポンを配信するといったように何か目立つようなキャンペーンを行わなければ多くのユーザーに使ってもらえるようなアプリには成長しないのだと思います。

アパレル業界で見られつつあるO2O型サービスをご紹介のまとめ

今回ご紹介したように、O2Oはウェブサイトから店舗への来店促進のみでなく、キャンペーンやイベントとのつながりも強くなってきています。例えば、ショプリエのようにショプリエをダウンロードしているお客様に先着で5000円のクーポンを配信するなどと言った話題性に富んだキャンペーンを実施しました。

ただ利便性が高いという事を主張しても、似たようなアプリは存在する上に情報があふれている社会になってしまっているので、なかなか浸透しにくいのかもしれません。アパレル業界のみでなく、飲食店やコンビニ、電化製品店等様々な業界でO2Oが駆使されています。これからO2Oの時代がやってくるのかも知れません。

今後の顧客獲得のためにもO2O戦略に注目してみてはいかがでしょうか。