店舗未来ラボ

DXを強化する意義と事業者が今すべきことは?事例を紹介

投稿日:2020年07月16日 最終更新日:2020年07月16日

DXが重要だとはいうことは知識として知っていても、DXがなぜ必要なのかを十分に理解しているとはいえない方も多いです。そこで本記事では事業者がDXを強化する意義を紹介していきます。

事業者はなぜDXを強化すべきか

経済産業省が2018年5月に立ち上げた「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」が同年9月に発表した「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」では古くなった基幹システムの刷新が遅れることで、2025年以降に年間に最大12兆円の経済損失が発生すると指摘しています。

日本企業では既に局所的なデジタイゼーションやデジタライゼーションは起こっていますが、多くの企業ではDXに関して以下のような課題が残っています。

  • ICTを使って何かできないかといった発想になりがち
  • 将来に対する危機感が共有されておらず、関係者の理解が得られない
  • DXを実現するための経営としての仕組みの構築がなっていない

一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会の「デジタル化の進展に対する意識調査」(平成29年)に対しては、約8割の企業がレガシーシステムを抱えていると答えています。また7割の企業はレガシーシステムがDXの足かせになっていると答えました。

このようにDXの強化に課題を持つ企業は多いですが、経済産業省はDXの強化を行わない事業者の競争力は、以下のように大きく低下すると指摘しています。

  1. 全社最適でデータを使えず、変化へのスピーディーな対応もできなくなり、DXを実現できずにデジタル競争の敗者になる
  2. レガシーシステムの維持管理費が高額化し、IT予算の9割以上となり技術的負債が肥大化し、価値創出につながる投資に資金や人材を投じられなくなる
  3. 保守運用の担い手がいなくなり、トラブルやデータ損失等のリスクが増大する

特に注目すべきなのは2でしょう。2025年の壁に間に合わずにレガシーシステムのままでいれば、その後にDXを強化しようとしてもリソースが足りずに難しくなってしまいます。

一度デジタル競争の敗者になってしまえば、勝者になるのは難しいです。デジタル競争の勝者となるために、多くの企業が依然として DXの十分な強化を行えていない今、DXの強化を開始しましょう。

DX強化のために必要なこと

DXを強化する必要性は十分に理解していただけたでしょう。次に問題になるのは「どうやってDX強化するのか」ということです。

DXには経営戦略そのものが必要

DXには経営戦略そのものが必要になります。現状はDXの必要性に対する意識は高まっているものの、ビジネスをどのように変革していくかの具体的な方向性を模索している企業が多いです。

その中で経営者からのビジネスの変革に関する明確な指示がないまま「AIを使って何かできないか」と曖昧な指示を出された結果、ビジネスの改革に繋がっていないと指摘されています。

デル株式会社説明資料によれば、デジタル変革の実現における課題として、以下のものが選ばれました。

 

デジタル変革における課題 割合(日本) 割合(世界)
デジタルに対するビジョンと戦略の不足 69% 61%
スタッフの準備不足 62% 61%
技術的な制約 27% 51%
時間と費用の制約 42% 37%
法律及び規制 6% 20%

 

このように日本では世界と比べて、デジタルに対するビジョンと戦略の不足を課題としてあげる企業が多いです。

出典:『デジタル化の取り組みに関する調査2020』2019年度調査結果

 

また一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会の調査でもレガシーシステム脱却に最も必要だと認識されているのは「経営者の理解と承認」でした。

今度DXに最も必要になるのは新たなデジタル技術を活用し、どのようにビジネスを変革していくかの経営者の理解と承認に基づいた経営戦略だといえるでしょう。

戦略的なIT投資

DX強化のためのもう1つ重要なのが、戦略的なIT投資です。デル株式会社説明資料で、日本は技術的な制約や法律及び規制を課題とする割合が低い一方で、時間と費用の制約を課題とする割合が高いことがわかります。

DXを推進するための法律及び規制や技術は揃っていても、時間と費用の制約が足枷となっているということでしょう。次のグラフはIT投資における日米の違いを表したものです。

引用:一般社団法人電子情報技術産業協会「2017 年国内企業の「IT 経営」に関する調査」

 

米国はDXに欠かせないITを活用したビジネスモデルの変革などの攻めのIT投資を積極的に行っている一方で、日本は業務効率化など守りのIT投資を主に行っており、攻めのIT投資には積極的ではありません。

また別の調査では日本のIT関連費用の80%は現行ビジネスの維持・運営に割り当てられており、戦略的なIT投資に資金・人材を振り向けられていないとされています。

このままDXに十分な投資を行わずにいれば、競争力が落ちていく可能性は高いです。

経済産業省は2025年までに現行ビジネスの維持・運営が占めるIT関連費用の割合を60%、バリューアップが占めるIT関連費用を40%にすることを展望しています。今のうちからIT投資の戦略を再考するべきでしょう。

DX強化の事例

2004年にはじめて提唱され、2018年には2025年の壁で再注目されたDXにおいてすでに一定の成果を出している企業も存在します。それがANAホールディングス株式会社です。

ANAは経済産業省のDX グランプリ企業に選ばれた企業です。ANAは空港のスマート化やデジタルサービスプラットフォーム、アバター推進など全社イノベーションへの取り組みが本格的で画期的として評価されました。

具体的には

  • 空港ターミナル内では顔認証を利用したスマート搭乗モデルや画像認識を活用した保安検査
  • 従業員がオペレーションを行う空港駐機エリアやバックヤードでの空港ない車両の自動化
  • リモコン式牽引車、ロボットを利用した手荷物業務の省力化
  • お客様情報基盤はデータベースを仮想化し散在していた基幹システムのデータを統合、顧客情報の一元管理やカルテ化
  • お客様情報基盤を活用、全ての顧客接点におけるパーソナライズ化されたスマートで快適なサービスの創出
  • 遠隔地のロボットに意識・技能・存在感を瞬間移動させ、自分の分身のようにリアルタイムなコミュニケーションを実現するアバタープロジェクト

また空港における簡単かつ便利な顧客体験価値の提供や人の技術の融合や役割分担の再考による空港オペレーションの革新的生産向上などを行っており、レガシー刷新もほぼ終えています。DX への明確な経営ビジョンが成せる成果でしょう。

DX強化の意義

DX強化を早い段階ではじめ、レガシーシステムを刷新しビジネスを変革しなければ、2025年までにデジタル競争の敗者となります。そしてレガシーシステムの維持管理費が高額化し、IT予算の9割以上となり技術的負債が肥大化し、価値創出につながる投資に資金や人材を投じられなくなった結果、敗者のポジションから抜け出せなくなってしまうでしょう。なるべく早くからDXに関する明確な経営戦略を持ち、戦略的なIT投資を行いDXを強化していくのが重要です。

店舗未来ラボ一覧へ戻る

リアルとデジタルを統合活用して
お客さまとのつながりを築く
CRMソリューション

導入を検討されている方、機能の詳細をご覧になりたい方は
こちらからお問い合わせください

電話でのお問い合わせはこちら 電話番号0120-979-030 受付時間 | 平日10:00 - 19:00