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費用対効果の高い販促ーガスト事例にみるヒント

投稿日:2015年10月20日 最終更新日:2015年10月20日

大手外食チェーンすかいらーくでは「キャンペーン内容が顧客の特性にマッチせず、クーポンを配っても費用対効果が上がらない」という課題を抱えていました。
そこで2014年上半期の広告宣伝費を前年同期比で10%以上削減しながら、同時にビッグデータを活用してPOSレジのデータからブランド別キャンペーンの成果を集計、分析、改善したところ、売上高39億円2.4%の成長という結果につながりました。
クーポンの費用対効果の見直しにより、販促成功事例の新しい形を確立させたのです。
売上と広告宣伝費での例

出典:SAP 広告費のデジタルシフトでROIを大幅に改善。外食大手すかいらーくのデジタル化戦略

 
また、グループ内の「ガスト」ではアプリの導入により新聞広告の100分の1程度で、マーケティングROI(投資対効果)は大幅に改善しました。
ガストの広告のデジタルシフトの事例から費用対効果の高い販促のヒントを見つけていきましょう。

POSデータを分析し、費用対効果の高いメニュー開発の方向性を改善

ガストでは、ビッグデータ分析を始める前、同社ではキャンペーンの内容が顧客の特性にマッチせず、クーポンを配っても思うような効果が上がらないという課題を抱えていました。
 
具体的には、同じクーポンを配信していたAとBの2つのブランドに対し、ブランドAではキャンペーン期間の後半まで客足が落ちないのに対し、ブランドBは後半に失速しました。
 
そこで、その原因を深掘りして調べてみると、ブランドAはカフェ使いが中心で来店頻度が月1回程度の顧客も多いのに対し、ブランドBは食事利用が中心で来店頻度は3カ月、5カ月に1回程度の顧客が中心と、顧客特性がまったく異なることが主要な原因とわかりました。
ブランド課題

出典:SAP 広告費のデジタルシフトでROIを大幅に改善。外食大手すかいらーくのデジタル化戦略

それまでのクーポンは、デザートやサイドメニューが中心でしたので、カフェが中心で来店頻度の高いブランドAのお客様には効果があっても、食事中心のブランドBのお客様には響きませんでした。
 
そこで、ガストでは膨大なPOSデータを分析し顧客別のメニュー開発に活用しました。ブランドBではグリル中心のクーポンに切り替えたところクーポンを使って単価を下げても粗利は落ちることがないように工夫した結果、売上効果、利益効果ともに4倍の改善効果が見られました。
 

広告のデジタル化で収益率アップ

一般的にレストランチェーンは、宣伝媒体としてテレビCM、新聞広告を中心としたマス広告を採用していますが、顧客1人あたりの獲得利益が高い化粧品業界や自動車業界と比べて、顧客1人につき数十円の利益に過ぎないレストランチェーンが同じ枠を争うことはそもそも効率的とはいえません。
 
さらに消費者のニーズの細分化が進み、マス広告で広くアピールすることも難しくなっています。そこで、コストベースで活用できる自社媒体、かつ消費者1人1人にアプローチできる媒体として、スマートフォン向けのアプリを自社開発することになりました。
ガストでは2014年10月にアプリをリリースしました。来店で貯まるポイント、限定クーポンの提供、フェア情報の発信、メニュー紹介、SNSなどの機能を備えたガストアプリはリリースから半年で約300万件のユーザーにダウンロードされ、アプリでのデジタルクーポン提供により費用対効果は上がり、収益率は上がっていきました。
ガスト アプリ

出典:日本経済新聞 「ガストアプリ」集客着々 配信内容、顧客に合わせ

ガストのアプリでは、配信する内容が一人ひとり異なるのが特徴です。年齢や子どもの有無、誕生日といった利用者がアプリのダウンロード時に登録した属性やクーポンの利用履歴に合わせてクーポンを配信している。例えば未成年の客にアルコールの割引クーポンを配信しても効果がないため送らない。
 
配信の頻度も個人によって変えています。前日に利用した客にクーポンを配信しても邪魔に思われてしまうため『そろそろ食べたい』と消費者が思うタイミングで配信している。
 
アプリにクーポンを配信して来店してもらえる確率はメールマガジンの10倍にものぼります。アプリから店舗への送客効果で毎月数億円の売り上げ増が見込めているという。手薄だった30~40歳代の女性らの開拓にもつながり、着実に効果を上げています。
 
ガストの広告の7割を占める新聞広告のターゲットと比べて、アプリのユーザー数は10分の1に過ぎないがクーポンの利用者数は1.5倍に達しています。コストでいえば新聞の100分の1程度で、マーケティングROIは大幅に改善しました。
アプリと新聞折込チラシの比較

出典:SAP 広告費のデジタルシフトでROIを大幅に改善。外食大手すかいらーくのデジタル化戦略

販促効果を高めたガストアプリ成功の秘訣

ガストアプリの成功の秘訣「セグメントを切り分けて、ターゲットを絞った広告を配信したこと」です。これまでの新聞広告やCM広告などの「分母を大きくして、集客率を上げよう」というマスマーケティング戦略では顧客属性を深く絞り込みにくく、たとえば、子供を持つファミリー層の顧客に限定して出した方が効率が良い案内でもすべての顧客に向けてしか配信できませんでした。
 
しかし、アプリに切り替えてからは、登録時の顧客情報やキャンペーン情報の閲覧状況などから顧客属性を予測し、セグメントを絞ったメール配信に切り替えています。その結果、クーポン送付者の来店率は4倍になったといいます。
 

デジタル広告実施時のポイント

ガストの事例からデジタル広告へのシフトで「収益率高く消費者へリーチができる」傾向にあるということが分かりました。
 
デジタル広告化=自社アプリの導入が有効という訳ではありません。
・メルマガなどの会員データからの属性グループ作り
・POSデータからのユーザーニーズの分析
・HPのアクセスデータ、メルマガの配信実績からタイミング分析
・クーポンの利用率・内容の分析による適切なキャンペーン案の立案
など、今あるデータを分析し、ターゲット毎の広告戦略を立てる事、「どのようなお客様に」「どんな風に使ってもらいたいか?」という戦略を立ててデジタル(メールやネットクーポン)配信をすることで広告のデジタルシフトは出来るのです。
 
スマホアプリも自社開発しなくても、スタンプス(https://stamp.sc/?from=bg_footer)のような集客・囲い込みのための機能をたくさん備えたアプリを導入する事によって自社のお客様に対してのアプリで販促をすることは可能になります。
 
広告のデジタル化によって属性や過去の利用履歴などデータ分析を活用し、タイミングを見計らいながらお得な情報を発信し続けることで、費用対効果が高く、継続的に来店していただけるような販促策を行っていきましょう。

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