店舗経営のDX(デジタルトランスフォーメーション)を科学するウェブマガジン

アップセル

アップセルとは、顧客に対してより販売価格の高い商品を購入してもらうことである。これにより、たとえ顧客の数が増えなくても売り上げ自体を伸ばすことができる。一般に新規の顧客を増やすことはかなりのコストがかかるため、売り上げを向上させるには、既存の顧客に対してアップセルを行うのが効果的である。つまり新規の顧客が増えなくても効率的に売上高を伸ばすことができる手法である。
アップセルを成功させるためには、いかにロイヤリティが高い顧客をターゲットとして絞り込めるか、という点がまず挙げらる。その前提としてしっかりとした顧客管理が必要であり、アップセルが成功しそうな既存顧客を抽出した上で、その顧客に見合ったアップセルをしなければならない。またそうでない顧客に対しても常日頃から適切な営業活動を行ってうまくロイヤリティを高め、アップセルの対象となる顧客になるようにする工夫も必要である。
このように、店舗経営やブランド運営において、効率的に売り上げを伸ばすには新規顧客を増やすだけでなく既存の客へのアップセルも重要である。ただし、やみくもにアップセルを行うのは禁物である。必要のないものや無意味に高価な商品までむやみやたらと勧められると、顧客はかえって店舗に対して嫌悪感を持ち、二度と足を運ばなくなってしまうからである。既存顧客が減るだけでなく、ひいては店舗やブランドの悪いイメージが浸透して顧客が激減する恐れすらある。そのためにも既存顧客のニーズを常に把握し、顧客一人ひとりに合った営業戦略を進める必要がある。