店舗経営のDX(デジタルトランスフォーメーション)を科学するウェブマガジン

クロスセル

クロスセルとは、顧客が購入しようとしている商品に合わせて他の商品を提案し、購入を促すこと。 一般的に、新規顧客の開拓には既存顧客の維持に比べて5倍のコストがかかる。よって、既存顧客により多くの商品を購入してもらうよう促すこの手法は有効な手法であり、効率よく売り上げを伸ばすことができる。一方で、クロスセルを薦めるにはその顧客個人の趣味嗜好、ライフスタイルや商品への期待値など、複雑な要素が絡んでくるため、そう簡単ではない。店舗の都合で売りたいものばかり進めていると、「この店は押し売りか?」と悪印象を与えてしまう。顧客個人個人の購入データなどから関連商品をピックアップするなど、事前の綿密な準備が必要である。 店舗経営でクロスセルを上手く用いると、顧客も購買意欲が刺激されて満足した買い物ができるはずである。クロスセルを成功させるには、店舗側は顧客の事をいかに理解しているか、いかに顧客のために商品を薦められるかにかかっている。クロスセルは押し売りでは成功しないのである。顧客が、「このお店は自分のために追加商品を薦めてくれている」、「この商品は自分が求めている商品の価値を高めてくれる」といったプラス方向に取ってくれるようなアドバイス的な提案ができてこそ、クロスセルの成功が見えてくるのである。そして、クロスセルを薦められた顧客は自信が納得して購買するのであるから、「このお店は自分にいい商品を薦めてくれた」と、ますます店舗とのつながりが強くなる。このように、顧客を大切にし、顧客の望む情報を先に提供し、より多くの顧客と強いつながりを持てたとき、クロスセルは非常に有効な手法となる。