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ブランドロイヤリティとは?基本から向上させる4つの方法までを紹介

マーケティング
  • hatena

マーケティングに携わっている中で、ブランド設計や育成を課題に思ってらっしゃる方も多いかと思います。ブランドを育成する上で重要な考え方として、「ブランドロイヤリティ」があります。本稿では、ブランドロイヤリティとはからブランドロイヤリティを向上させるためのポイントをご紹介します。ぜひ参考にしてください。

ブランドロイヤリティとは?

ブランドロイヤリティとは、ブランドに対する顧客の忠誠心や愛着のことであり、ブランド・エクイティを構成する重要な要素の一つです。ブランドロイヤリティが高いと、消費者は他の代替商品があっても購入したいと顧客が考えます。従来、ブランドというと、購買を促進するためのマーケティング戦術の一つと思われていました。しかし、マーケティングの大御所、デビット・アーカーによりブランドエクイティ−という考え方が提唱され、ブランドは経営における資産の一つと考えられるようになりました。その結果、現在ブランドをどのように育てるのか、設計するのかが重要になってきています。

ブランド・エクイティとは?

ブランド・エクイティとは、「ブランドが持つ資産価値」のことであり、ブランドがビジネスに大きな影響を与えるが消費者には見えていない5つの要素で構成されています。構成要素は、「ブランド認知」「知覚品質」「ブランド連想」特許や商標などの「その他の知的所有権のある無形資産」「ブランド・ロイヤリティ」です。ブランド・エクイティの中でもブランド認知や連想と比較して、売上に直結する要素であるためブランドロイヤリティは最も重要な要素と言われています。

ブランドロイヤリティを向上させることのメリット

ブランドロイヤリティについてご紹介してきましたが、ブランドロイヤリティを向上させることのメリットをご紹介します。

既存顧客からの売上アップ

ブランドロイヤリティが高いということは、ブランドが顧客にとって特別な存在であるということです。ブランドが特別な存在になることで、例えば価格が高くても購入される可能性があったり、類似商品があったとしても、指名買いしてくれる可能性が高くなります。このように既存顧客から特別な存在と思われることで、価格競争に巻き込まれなかったり、高い売上や利益率を維持することができます。

リピート率の向上

ブランドロイヤリティが高いことによって、リピート率があがると言われています。商品の満足度が高いとブランドロイヤリティが高まり、リピート率アップへつながります。完全な相関ではないため注意しなければいけない点もありますが、ブランドロイヤリティが高いほどリピートにつながったり、解約率の低下につながります。

口コミの拡散が期待できる

ブランドロイヤリティが高い層を、ブランドへの愛着が高いため新規顧客への拡散が期待できます。現在、SNSの普及などに伴い企業からのメッセージ以上に、実際に商品を使ったことがある人の感想や評判が重要になってきています。ブランドロイヤリティが高い人はブランドの愛着や忠誠心から積極的に情報を発信してくれます。ブランドロイヤリティが高まることは、既存顧客だけでなく、新規顧客拡大にも繋がります。

ブランドロイヤリティを高める4つの方法

ブランドロイヤリティが高めることは、既存顧客の売上げアップはもちろん、新規顧客の拡大にも繋がります。実際にブランドロイヤリティを高めるためにはどうすればいいのかの4つの方法をご紹介します。

1.高い商品価値を提供し続ける

ブランドロイヤリティを高めるために最も重要なことは、当たり前のようですが高い商品価値を提供し続けることです。商品を通して、どのような経験をしたかなどが大きくブランドロイヤリティに影響します。プロダクトの品質、性能、使用体験などはもちろん、ブランドイメージやパーソナルティーなどの要素を精査していく必要があります。そのためにも、常に競合の商品や技術をチェックしたり、今の顧客がどのようなことを求めているのか、どのようなトレンドがあるのかなどを把握し、商品をブラッシュアップすることが必要です。

2.アフターサービスを充実させる

2点目は、アフターサービスを充実させることです。現在多くのサービスが従来の買い切り型からサブスクリプションビジネスなど課金サービスになってきています。その結果、企業と顧客の関係は商品を購入して終わりではなく、商品した瞬間から始まるものに変化してきています。そのときに重要になってくるのが、アフターサービスです。サービスでわからないことや疑問点があったら適切に対応してくれるなど顧客体験が充実することでブランドへの愛着心や忠誠心は大きく変化します。商品だけでなく、アフターサービスを充実させることでブランドロイヤリティが向上します。

3.ユーザーコミュニティの形成

3点目は、ユーザーコミュニティーの形成です。ユーザー同士でファンコミュニティーを形成することにより、同類意識が高まったり、新しい情報のやり取りが可能になります。たとえば、今まで知らなかった商品の使い方やお役立ち情報、ブランド情報を交換することでブランドへの好意度が高まります。現在はSNSなどの普及により、簡単にユーザー同士での情報交換がより簡単になってきています。

4 .ロイヤリティプログラム

4点目は、ロイヤリティプログラムです。例えば、ポイントプログラムを導入することで利用し続けることにより割引があったり、特別のプレゼントが貰えるなどです。このように直接的に顧客にメリットを作り出すことで、ブランドロイヤリティが高められます。しかし、ロイヤリティプログラムの際に重要なのは、顧客がポイントを貯めているということをしっかり認識していることです。たとえば、いつの間にかポイントが貯まっていては、顧客がブランドへのメリットを把握できません。ポイントを認識し、メリットを把握で切るような仕組みをしっかり作りましょう。

ブランドロイヤリティの把握方法

ブランドロイヤリティの高める方法をご紹介しました。しかし、ただ施策を実施するのではなく、数値的に把握することにより、施策の改善やPDCAなどに活用できます。ブランドロイヤリティの把握方法には下記のようなものがあります。

購入意向

購入意向とは、DWB(Definitely Would Buy)ともいわれ、購入意向度の高さを測定するものです。例えば、消費者に対して「絶対に買いたい」「買いたい」「どちらでもない」「あまり買いたくない」「全く買いたくない」の5段階で調査を行い、「絶対に買いたい」と回答した層をブランドロイヤリティが高いロイヤルカスタマーと定義し、割合を見ます。

NPS

NPSとは、Net Promoter Scoreの略であり、「商品を友人や知人に推奨したいのか」という設問を行い、消費者のブランド推奨度を数値化した指標です。消費者は、自社の商品やサービスを友人や知人に薦める可能性があるかどうか、0~10の11段階で評価を行い、評価段階は、「10~9:推奨者(プロモーター)」「8~7:中立者」「6~0:批判者」と設定します。最終的に、推奨者の比率や批判者の比率を引いた数値がNPSとなります。NPSが高いほど推奨者が多いことを意味します。

ブランドロイヤリティとは?についてまとめ

いかがでしたでしょうか。店舗運営や商品の展開をしていく上でブランドロイヤリティは重要な指標の一つです。

ブランドロイヤリティを高めることは、既存顧客からのリピートにつながったり、売上げアップにつながることはもちろん、口コミ拡散などからの新規顧客獲得につながるなど大きく売上に影響します。そのブランドロイヤリティを高めるには、商品やサービスの価値向上やアフターサービスの充実、ユーザーコミュニティーの形成、ロイヤリティプログラムなど様々な方法があります。ブランドロイヤリティはすぐには上がりません。そのため、常に状況を把握しながら様々な施策を実施していくことが重要です。

まずは自社の顧客のブランドロイヤリティの現状の把握のために購入意向やNPSの調査からはじめてみてはいかがでしょうか。