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4C分析とは?具体的な事例や3C・SWOT分析などとの違いを解説

マーケティング
  • hatena

顧客に最高のサービスを提供したいけれど、思うように成果があがらないビジネスマンも少なくありません。そこで試してほしいのが4C分析です。顧客の視点に立って事業を分析できます。今回は4C分析の概要をはじめ具体的な事例や3C・SWOT分析などとの違いまで解説します。

4C分析とは

4C分析とは、顧客の視点に立った分析方法です。顧客価値(Customer Value)、顧客コスト(Cost)、利便性(Convenience)、コミュニケーション(Communication)の頭文字にちなんで4Cと表されています。

顧客価値(Customer Value)

顧客価値とは、商品・サービスによって得られるメリットを顧客が認めた価値です。ブランドのイメージや従業員の対応によっても変動します。商品・サービスの機能や適正なコストの検討を各企業が行うのは当然であり、一歩踏み込んで顧客価値を分析する必要が出てきます。

顧客コスト(Cost)

顧客コストとは、顧客が商品・サービスを購入・利用するための価格です。プライスではなくコストとあらわされている点に意味があり、単なる購入・利用後にかかる各種費用や経費まで考えなければなりません。

顧客にとっての利便性(Convenience)

利便性は商品やサービスの購入・利用しやすさをさします。質の高い商品であっても遠くの店舗に行くのは不便ですし、便利なサービスであっても手続きが面倒であれば利用しにくいでしょう。したがって、店舗の位置やネットショップの決済手段など、購入・利用の敷居を下げる工夫について検討する必要があります。

顧客とのコミュニケーション(Communication)

商品・サービスの提供者と顧客の間における意思疎通のしやすさを示します。たとえば、専用の問い合わせフォームを作成することで、顧客からの質問や相談を受けやすくなります。

4C分析の事例とは

4C分析の評価項目をお伝えしましたが、まだ分析方法についてイメージが湧かない方もいるかもしれません。実際の企業を4C分析の視点で評価してみましょう。

4C分析の事例1.サッポロビール

サッポロビールはホワイトベルグについて、コクを強調したゴールドベルグとセットで販売することによって、ビールの飲み比べという新しい顧客価値を提案しました。同価格帯ではベルギービールの味を楽しめる製品がほかにないので、顧客コストについても納得感を引き出すことに成功しています。

店頭での取り扱いが少なく、インターネット通販でしか購入できない点は、利便性の観点からはマイナスポイントといえます。サッポロビールはフェイスブックを活用することで、消費者とのコミュニケーションを取る仕組みを整えました。ツイートによる拡散などによっても、消費者の口コミを広げることに成功しています。

4C分析の事例2.ニトリ

ニトリはコストパフォーマンスのよい家具やインテリアを扱っている点に顧客価値が見受けられます。ただ、組み立ての依頼は有料であることから、自分で商品を組み立てる場合に時間や手間がかかります。顧客コストの観点では利用しづらいサービスといえるでしょう。

駅やショッピングモールに併設されている傾向があるので、気軽に訪れやすい点が顧客にとって利便性を感じてもらえるポイントといえます。また、基本的にニトリの簡易家具は1年、大型家具は5年の品質保証が設定されています。可能な限り不良品の交換や修理に対応してくれる点は、顧客の要望に応える仕組みといってよいでしょう。

4C分析とほかの分析法の違いとは

4C分析とほかの分析法の違いとは

ビジネスを分析するフレームワークは4C分析以外にもさまざま存在しています。中には名前が似通ったものがあり違いが気になる方もいるかもしれません。ここからは4C分析と3C分析、4P分析、SWOT分析の違いを解説します。

4C分析と3C分析の違い

3C分析とは、顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の頭文字から取ったフレームワークです。4C分析が顧客を中心とした分析方法である一方、3C分析は顧客だけでなく競合や自社まで対象としています。

4C分析と4P分析の違い

4P分析はProduct(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進)の観点からマーケティング戦略を立案するフレームワークです。4C分析における視点はすべて顧客に関係しています。一方、4P分析は企業の視点をベースにしている点が主な違いです。

4C分析とSWOT分析の違い

SWOT分析は、自社の資産やブランドといった内部環境、競合や市場といった自社を取り巻く外部環境などを長所や短所にわけて分析するフレームワークです。Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字をとって名付けられています。4C分析との違いは、顧客ではなく自社を中心に分析を行うところでしょう。

4C分析のメリットとデメリットとは

4C分析のメリットとデメリットとは

4C分析についての理解を深めるために、メリットとデメリットについても確認しておきましょう。

4C分析のメリット

競合他社によって商品やサービスが乱立している業界において、単によいアイデアを形にしても、生み出したものが埋没してしまう可能性があります。したがって、商品やサービスの販売方法や付加価値などが重要になります。

しかし、顧客の課題や願望が多様化・複雑化するほど、顧客の視点に立った販促活動は難しくなり、事業の方針に迷ってしまうケースもあるかもしれません。その点、4C分析は顧客の視点に立つことベースにした分析方法です。各評価基準をもとに分析していけば、迷わずに顧客の視点から事業の改善ポイントを見出すことができるでしょう。

4C分析のデメリット

4C分析は顧客目線の分析方法ですが、顧客の視点に立てば必ず事業がうまくいくとは限りません。企業には当然、商品やサービスを提供するための財源や人員が必要であり、経営資源をないがしろにしてしまっては赤字に陥ったり、従業員の労働環境が悪くなったりするケースもあり得るでしょう。

その点、4C分析は企業視点の評価基準ではない点がデメリットといえます。したがって、分析の視野が狭くならないように注意して4C分析を活用しなければなりません。

4C分析をする際の注意点とは

4C分析をする際の注意点とは

4C分析は顧客を中心にビジネスを見つめ直せる分析方法ですが、分析の際には注意点があります。たとえば、フレームワークは不必要な分析に時間を使ってしまったり、分析結果を活用しないで放置したりしてしまうこともあるでしょう。作ることが目的になってしまっては本末転倒なので、結果が見えている部分については分析をしないという決断もときには必要です。

また、フレームワークの利用にあたって、強引に枠に当てはめて結論を導き出してしまうケースも少なくありません。特に、自社に関わる部分については都合にあわせて主観的に解釈してしまいがちなので、客観的な分析を心がけることが大切です。

フレームワークは万能ではなく、4C分析だけでは思うような改善策が導けないケースもあるかもしれません。フレームワークの利用について慣れていないのであれば、別のフレームワークと連携させて分析精度を高めるという手もあります。

たとえば、4C分析(顧客視点)は4P分析(企業視点)は対の関係になっており、二つを組み合わせることで企業と顧客の両方の視点から分析が可能になります。このように、フレームワークの型にはまらないよう注意しながら4C分析を活用してみるとよいでしょう。

4C分析をうまく活用するポイントとは

4C分析をうまく活用するポイントとは

ここでは4C分析をうまく活用するポイントを紹介していきます。

ターゲットを明確に定める

4C分析の際にはターゲットの存在を明確にしましょう。ターゲットが定まっていない状態では4C分析ができないため、具体的に定めるようにします。

顧客ベースを忘れない

まずは顧客ベースであることを忘れないことです。4C分析を行っていると思っていても、どうしても作成者の主観が入ってきて、自社視点の4P分析になってしまうことがあります。度々、しっかりと顧客ベースで考えられているか確認することが重要です。

実際のニーズを知っておく

分析を行う前に顧客の実際のニーズを把握しておくことも大切です。顧客が商品に対してどのようなニーズを持っているのか想像すると主観が入ってしまうこともあるので、確実に知りたいときは顧客満足度アンケートが効果的です。

各要素の繋がりを意識しよう

4つの要素の繋がりを意識することも大切です。4つの要素は別々ではなく、関係しています。そのため、4つの要素が一貫していることを忘れずに横の繋がりを意識するようにしましょう。例えば、店舗を駅の近いところにすれば、顧客は時間もお金もコストをかけず、利便性の高いものを求めるはずです。

4C分析と活用すべきフレームワークとは

4C分析と活用すべきフレームワークとは

4C分析は、4C分析一つだけを活用するよりも他のフレームワークと一緒に活用したほうが効果的である場合があります。ここでは一緒に活用するべきフレームワークをいくつか紹介していきます。ここで紹介するフレームワークを全て共に活用するのではなく、目的に応じたフレームワークを選ぶことが大切です。

4P分析

近年主流となっているのは顧客視点から商品を見る考え方ですが、自社からみる考え方が古いわけではありません。自社から商品を見る4P分析を4C分析と活用することで、より多方面から商品を分析しビジネスを柔軟に進められます。

ジョブマップ

ジョブマップとはジョブ理論を基にしたフレームワークのことです。顧客がどのような悩みを解決するために商品を購入するのか、どのような願望を満たすためにサービスを受けるのか、ということが見えるようになります。顧客のニーズを把握したうえであれば、4C分析をより効率的に行えます。

ペルソナキャンパス

ペルソナキャンパスとはどのような人に商品を売るのか、顧客像(ペルソナ)を明確に定めるときに使用するフレームワークです。ペルソナをより細かく具体的に定めることで、ターゲットを明確にした4C分析が可能となります。

4C分析の延長線上の考え方とは

4C分析の延長線上の考え方とは

ここでは4C分析の延長線上にある考え方を紹介します。それは「カスタマージャーニー」という考え方です。カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを購入する過程を顧客側に立って見ていくという考え方です。4C分析とは顧客のことを一番に考えるという点が共通しています。

顧客として商品の情報を手に入れるところから購入の検討、購入後のアフターサービスまでを顧客として体験していきます。顧客側を体験することで、購入の際に顧客がどこに不満を感じるのか、どこをうれしく思うのかが自然とわかってきます。

これらの発見点を基にすることで、より顧客に寄り添える商品・サービスへと改善していくことが可能です。つまり、会社側から顧客側の気持ちを想像するだけにとどまらず、実際に体験することで改善点を自ずと見つけ改善していく、というのがカスタマージャーニーの目的です。

近年では顧客の実際の声を聞くことや顧客の満足度を把握することなどが主流となっていて、4C分析の延長線上にあるこの考え方もより広まっていくでしょう。4C分析、カスタマージャーニーと難しそうに見える言葉ですが、大切な考え方は顧客主役で商品・サービスを捉えるということです。

4C分析で活用すべきものまとめ

以上、4C分析の概要をはじめ、具体的な分析事例や各種フレームワークとの違いについて紹介しました。4C分析の内容を知って、早速事業の内容を分析してみたいと思った方もいるのではないでしょうか。

ただ、フレームワークの活用が初めてだと、どのように4C分析を進めていけばよいのか、イメージが湧かない方もいるかもしれません。そのような場合は分析用のテンプレートを活用してみるのも一つの方法です。

たとえば、4C分析の簡易的なテンプレートであれば、顧客価値や顧客コスト、顧客にとっての利便性、顧客とのコミュニケーションなどの項目欄が用意されているものがあります。各社が提供しているフォーマットを探して、ぜひ活用してみるとよいでしょう。

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