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え!?クーポンやポイントカードが顧客満足度を下げるの巻

顧客エンゲージメント
  • hatena

顧客満足度を上げるための販促としてよく用いられるクーポンやスタンプカード、ポイントカードなどですが、安易に実施すると逆に顧客満足度を下げてしまうことがあります。
意外と誤解されがちな顧客満足度について書いてみたいと思います。

顧客満足度とは?

そもそも顧客満足度とはなんでしょうか?
顧客満足度とは、製品やサービスのパフォーマンスに対して顧客が期待する水準を満たしているかどうかを示す概念である。満足度が高い顧客は繰り返し購入したり、他人に推奨する可能性が高い。(引用:コトバンク

満足度が高いと、リピーターになったり、他人に薦めたりすることは、なんとなくわかっている人も多いでしょう。ここで、重要なことは、顧客満足度の定義です。

つまり、少し大雑把にはなりますが、顧客満足度は下記の定義で決まると考えれます。

顧客満足度 = 実感値 – 事前期待値

よく誤解されるのが、この実感値さえ上げれば顧客満足度は上がるのではないかと考えられている点です。実際には事前期待値の引き算でもあるので、実感値が期待値を常に上げる構造を作り出すことが重要なのです。この単には正しく期待値を知っておくことが大切です。

期待値を下げると顧客満足度が上がる?

顧客満足度 = 実感値 – 事前期待値

このような定義になっているので、実感値が同じであると仮定すると、期待値を下げれば満足度が上がることになります。 つまり期待させない方がいい。

少し乱暴ですが、こんな視点もあります。

顧客満足度を高める上で、顧客からの期待が過剰に高まっている状態は危険だ。「顧客の期待値をあらかじめ下げることこそ、営業の仕事だ」(参考: 顧客の期待値を“下げる”IT営業、「満足の科学」のススメ
この文章でしっかり押さえておかなければならないことは「過剰に高まっている状態は危険だ」ということです。

期待値が小さすぎれば、当然来店してくれません。顧客満足度を上げるために期待値を下げることに注力してしまうというのは、本末転倒です。

ここで肝要なことは、顧客の期待値が上がりきっている状態かどうか意識している必要があるということです。期待値のインフレーションは、良いサービスを提供できていたとしてもなかなか顧客満足度を上げづらいという点をご理解ください。

販促施策が顧客満足度を大きく下げてしまうケース

顧客満足度向上のために顧客の期待値を下げるというのは施策とは呼べたものではありません。しかしながら、飲食店や美容室、ネイルサロンなどの店舗が発行するクーポンやスタンプカード、ポイントカードなどの施策実施にあたっては、注意が必要です。

例えば、顧客が折角持参したクーポンが条件に利用条件合致しなかったり期限切れなどで来店後に利用できないことがわかってしまった場合はどうでしょうか?

顧客満足度 = 実感値 – 事前期待値

クーポンによって、事前期待値が高かくなった。一方で、クーポンが利用できないことで、ガッカリしたりクレームに繋がったりしてしまい実感値が大きく下がってしまいます。定義に照らし合わせると顧客満足度としてはマイナスになります。

スタンプカードやポイントカードも有効期限やサービス終了といったことは同様の結果を招いてしまいます。

クーポンやスタンプカード、ポイントカードは利益を一部削減する施策のため、店の都合で期限やサービス終了という措置は高い可能性で起こるので注意が必要なのです。

顧客満足度マイナス事例

クーポンとは少し違いますが、顧客満足度を逆に下げてしまった例としては、こういうニュースもありました。

【ショボくなって】デニーズのパンケーキ食べ放題が思った以上に酷いまとめ【再登場】

この場合は極端ですが、「パンケーキ食べ放題」に期待値を上げた顧客に対応しきれず大きく実感値を下げ顧客満足度を下げてしまったわかりやすい例だと思います。

食べ放題というコンテンツは、期待値の中に「元を取ってやろう」というモチベーションが生まれます。食べ放題ならではのモチベーションです。このため、期待値が上がっていることが多く、実感値を上回るのは難しくなります。

多くの店舗では、ビュッフェ形式などで人件費を削減して原価率を上げることで、実感値を上げようとしています。

販促施策をうまく顧客満足度向上に繋げるために

「こんなことなら何も実施しない方が顧客満足度高くてよかった…」となってしまっては元も子もありません。
販促費、原価、還元率に気を取られすぎて顧客目線でない施策とならないように、クーポンやポイントなどは、過剰に短い期限設定や誤解招きやすい表記、現実的でない利用条件などを設定してしまわないよう気をつけてください。

お客様がクーポンやポイントの条件が分からずに、来店することの「過剰な期待値」を意味し、実感値を限りなくおとしめることなります。

顧客満足度を高めるために実施した販促施策が逆に顧客満足度を下げることになりうるということをよく考慮した上で、施策取り組む必要性についてご説明いたしました。ご参考いただければ幸いです。