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中小企業が抱える採用課題とは?解決方法とIT活用事例の紹介

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  • hatena

中小企業は深刻な人手不足に直面し、人材を採用できるか否かは将来的な企業の存続を左右する重要な課題と言っても過言ではありません。
今回は中小企業が抱える採用課題とその解決策について、IT活用事例も含めて紹介していきます。中小企業の採用担当者必見の内容になっていますのでぜひ最後までお読みください。

中小企業の採用担当が抱える課題とは?

一般的に大企業に比べて企業認知度の低い中小企業は人材を採用する際に大きな課題に直面します。ここでは中小企業の採用担当が抱える課題について紹介します。

人材が集まらない/選べない

中小企業の採用担当が一番初めに抱える課題は、人材を採用しようとしても求人に対して応募者が集まらないことです。

下記のグラフは過去25年間の「新卒有効求人倍率」の推移ですが、従業員数1,000人未満のいわゆる中小企業の求人倍率は2~4倍付近を行き来している状況です。

直近だと2019年卒で3.97倍、2020年卒で3.34倍と、人材1名に対して3~4社が求人を出している状況で、限られた人材を複数社で取り合っていることがわかります。

一方で、従業員数1,000人以上の大企業では直近の求人倍率は0.7倍程度で推移していることからもわかる通り、求人数に対して応募する人材が多い状況となっています。

出典元:リクルートワークス研究所_ 第36回ワークス大卒求人倍率調査(2020年卒)

 

このような状況において、中小企業の採用担当はいざ人材を採用しようと思っても応募者が集まらず、結局採用したい人材に出会えないという課題を抱えることになります。

さらに、求人に対して応募があったとしても母数が限定的なため人材を選べないこともしばしばです。「優秀な人材を採用したい」と思っても、限られた応募者の中に優秀な人材がいる保証はなく、やむを得ず応募者の中から採用するということも多くあります。

採用予算が限られている

中小企業においては大手企業に比べて、採用費にかける予算が限られていることも、中小企業の採用担当が抱える課題といえます。

限られた予算の中で、人材を採用しなければならない点は中小企業の採用担当にとっては最も悩ましいことでしょう。

2019年卒向けにマイナビがまとめた『企業新卒内定状況調査』によると1社あたりの採用費の総額は557.9万円(上場企業:1,783万円、非上場企業:375.1万円)となっています。
また、入社予定者1人あたりの採用費平均額は48万円(上場企業:45.6万円、非上場企業:48.4万円)も掛かることがわかっています。

採用費用の平均グラフ出典元:マイナビ_ 2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査

中小企業は大手企業に比べ、応募者数が限られているにも関わらず1人あたりに掛かる採用費は同等以上のコストを掛けなければ、人材を確保するのが難しいという現状があります。

採用課題を解決するには?

中小企業が抱える「人材が集まらない/選べない」「予算が限られている」という採用課題において、その解決策を紹介します。

企業認知度向上

「人材が集まらない」という課題に対しての解決策としては、企業認知度を上げることで応募者数を集めることが可能です。

企業認知度を上げるといっても、CMなどの広告を打つという短期的な目線の手段ではなく、中長期的な目線で認知度を上げる取り組みをしなければなりません。

中長期的な目線で知名度を上げていく流れは以下の通りです。

企業認知度向上のプロセス図

①社内環境改善

業務効率化を推進することで残業を削減することが出来ます。さらに有給休暇の取得奨励を積極的に行うことでワークライフバランスの取れた働き方ができます。

②社員のモチベーションUP

社内環境が改善されることで、社員一人ひとりが「時間内で効率的に働く意識」を持つようになり、意欲的に働くようになります。

③業績UP

社員一人ひとりがモチベーション高く働くと、生産性が向上して、結果として企業の業績UPに大きく貢献してくれます。

④優良企業として認知

企業の業績が上がってくれば、中小企業だとしても世間から『優良企業』として認知度が上がっていきます。

⑤応募者数拡大

企業認知度が上がれば、例え中小企業であったとしても求人を出せば、応募者は増えていき、母集団を確保することが可能になります。

人材育成制度の拡充

「人材を選べない」中小企業においては、優秀な人材を選べないのであれば自社で育てるための人材育成制度を整えていくことが必要です。

人材育成の基本的な考え方は「鍛錬→成長→自立」の3ステップになります。

 

人材育成の目的は「自立」することにあり、そのためには基礎を固めた上で成長をしていくことが重要になります。

またこの3ステップを補完する育成制度としては、「1on1ミーティング」の実施と「階層別フォロー研修」があります。

定期的な「1on1ミーティング」において上司から部下に対して適切なフィードバックを行うことで、社員のモチベーションと仕事の精度を上げることが可能です。

また階層別フォロー研修とは入社2年目や4年目といった区切りにおいて、これまでの業務を振り返ることを目的としたフォロー研修です。定期的に自身の業務を振り返ることで、現状の立ち位置と今後の方向性がクリアになることから人材育成においては有効的な手段と言えます。

採用コストの見直し

中小企業では採用費の予算が限られているので、何にいくら掛けるか正しく取捨選択が必要になります。一般的に採用費として掛かるコストは「内部コスト」と「外部コスト」に分類されます。

 

採用コストの内部コストと外部コストの表

 

決められた予算内で採用活動を行う上では、まず現状、「内部コスト」「外部コスト」のそれぞれにいくら掛かっているのかを把握することが大切です。

人材を募集する際には、リクナビやマイナビといった大手キャリアが運営する求人サイトに自社の求人を掲載することが多くありますが、正直言ってこの費用が一番高額となります。

大手キャリアを使うメリットは登録人数が多いということですが、登録者数が多くても知名度の低い中小企業への応募は少ないのが現実です。
そうであれば、大手求人を使わずに自社ホームページを拡充させて募集をする方法と成果報酬型の採用エージェントサービスを利用することをオススメします。

特に成果報酬型の採用エージェントサービスであれば、採用に至れば数十万~100万円程度の報酬を支払うだけなので、かえって費用を抑えられる可能性も高くあります。

SNS利用による採用課題解決(認知度向上)

自社のホームページだけでなく、企業認知度向上の目的でTwitter、FacebookなどのSNSをうまく利用することで企業認知度を上げる仕組みを作ることも可能です。

また、最近ではYouTubeを使って企業PRをするところが増えていることからもわかる通り、若者のYouTubeの利用率を考慮すれば莫大な費用を投じてCMを打つよりも低コストかつ効果的なPRに繋がるといえます。

働き方改革促進で採用課題解決(職場環境改善)

新型コロナウイルス感染拡大の影響で急速に普及したテレワークですが、実態は大手企業の一部での導入に留まっているのが現状です。また物理的な店舗を運営している企業などはテレワーク導入のハードルが非常に高いのも事実です。

ただ、働き方改革を進める中でIT技術を駆使して生産性を向上させることは必須であり、それが出来なければ生き残っていけないのも事実です。

ITシステムを導入することで業務効率化を促進することや、店舗運営企業においてもシフト制の中にテレワーク日を設けるなどの取組みを進めていく必要性は今後ますます高まっていきます。

多くの中小企業で「うちには無理」と思っている時だからこそ、テレワークなどのIT化を進めること自体、他社との差別化になることに加え社員のモチベーションUPに繋がり、結果的に優良企業としての認知度向上に寄与することになります。

そもそもIT活用を促進することが人手不足対策に!

人手不足で人材確保が喫緊の課題となっている中小企業では、そもそもIT技術の活用を進めることで業務効率化に繋がり、それ自体が人手不足対策になります。

これまで2人で行っていた仕事を効率化によって1人で出来るようになれば、人員は1人余ることになるので、わざわざ新たに人材を採用する必要性がなくなるかもしれません。

中小企業が抱える採用課題とは?解決方法とIT活用事例の紹介まとめ

中小企業が抱える採用課題とその解決策について、IT活用事例も含めて紹介しました。
少子高齢化に伴い、日本の生産年齢人口の減少という構造的な課題を抱える中、特に中小企業においては深刻な人手不足に直面しています。
企業競争力の根源ともいえる人材を採用することが困難な状況である中小企業にとっては、人材を採用できるか否かは将来的な企業の存続を大きく左右する重要な課題と言っても過言ではありません。
一般的に大企業に比べて中小企業は、人材を採用する際に様々な課題がありますが、人材を採用するためには、自社の課題を把握し、その解決策を理解することが重要になります。多くの課題を抱える中小企業の採用担当の方は今回の記事をぜひ参考にしてみてください。