店舗経営のDX(デジタルトランスフォーメーション)を科学するウェブマガジン

スマホが普及した今だからこそ!CRMをアプリで実現しよう アイキャッチ画像

スマホが普及した今だからこそ!CRMをアプリで実現しよう

CRM
  • hatena

CRM(Customer Relationship Managementとは顧客関係管理」の略称で、顧客の獲得や売上増進を狙いとしていて、企業や店と顧客間にある関係構築、およびその管理手法のことです。今回は、この「CRMをアプリで実現する」というテーマで話を進めてまいりましょう。

CRMアプリに実装する基本機能

CRMアプリに実装する基本機能CRMを導入する目的は、固定客を増やし、売上の増進や利益の最大化を図ることです。CRMは「顧客に合った品ぞろえとサービスの提供」を支援するツールのことを指しています。

では、具体的にCRMとはどんな機能を持っているのでしょうか。CRM3つの機能CRMには大きく分けて、3つの機能があります。

① 顧客のデータベースを管理する機能
② プロモーション機能
③ 顧客をサポートする機能

これだけでは漠然としていて、少し曖昧かもしれませんね。上記の機能をもう少し細かく、アプリ機能レベルで見てみると、おおよそ次の6つの機能に分類することができます。CRMアプリの6つの機能

① 顧客管理機能
② お知らせ配信機能
③ キャンペーン管理機能
④ SMS連携機能
⑤ 顧客サポート機能
⑥ データ分析機能

多くのCRMシステムはおおよそ上記のような機能を持ち合わせています。CRMではITの力を利用することで、企業と顧客の間のダイレクトなコミュニケーションを可能とします。むしろCRMは顧客とのコミュニケーション向上ツールと考えた方が近いかもしれませんね。

顧客との関係を改善していくことで、新たな顧客の獲得や売上向上にも繋がります。続いて、これらの機能をアプリにして、CRMを実現する方法について次にご紹介しましょう。

アプリで実現できるCRMとは

アプリで実現できるCRMとはCRMが米国で導入されてから既に30年が経過しています。当時のCRMシステム構築にはメインフレーム(汎用機)やオフコンが用いられ、メンバーズカードやポイントカードを用いて顧客情報や購買情報を集め、DMを利用して集客を図るという形が大半でした。

そのシステム開発は大掛かりであり、メインフレームや店舗向けコンピューターの投資も膨らみました。近年はスマホやモバイル端末、クラウドサービスが普及することで、このハードルが一気に下がりました。

スマホの普及がCRMを後押し

今やスマホの普及率は85%に達していると言われています。特に10代から30代では約9割の人がスマホを利用しているというデータもあります。このスマホは企業側が新たに投資を必要としない社会インフラと見ることができます。

スマホユーザーがスマホを利用している時間の内、実に80%はアプリを利用しているというデータがあります。残りの20%がプラウザなどの利用時間です。

スマホという顧客のリソースをインフラとして利用し、CRMアプリを顧客が利用してくれれば、企業はアプリ開発だけの投資で済みます。

しかし、スマホで利用されているアプリは思いつくだけで、LINE、Facebook、地図、ニュース配信、乗換案内、ゲーム、Youtube、音楽、ゲームなどがあります。これらがスマホ利用時間の多くを占め、そこに決済アプリやポイントアプリが加わると、顧客は大変な数のアプリを管理しなければなりません。

現在でも、スマホにインストールされているアプリは70や80はあるでしょう。スマホの小さなスクリーンは、これらのアプリの陣取り合戦状態になっています。とはいえ、顧客がスマホで自社アプリを利用してくれれば、企業は莫大なインフラ投資を抑制することができます。使い勝手がよく、利便性を得られるアプリを提供できれば、顧客は積極的にそのアプリを利用してくれるでしょう。

CRMアプリがオペレーションに与える変化

CRMアプリがオペレーションに与える変化既にCRMアプリを利用して、顧客の購買行動から店舗のオペレーションまで大きく変革されているケースがあります。

例えば新型コロナへの感染が心配される場面としては、飲食店での注文や決済が思い浮かびます。「タッチパネル式のオーダー端末には触りたくない」、「店員との会話を避けたい」、「決済はタッチレスで行いたい」・・コロナ禍でそんなニーズが急速に広まっています。実は、これらの不安や懸念を一気に払拭してくれるようなアプリが既に提供されています。

顧客はレストランのテーブルに置かれたQRコードを読み込んで、注文アプリをインストールします。このアプリを開くとメニューが表示され、食べたい品をチョイスすると厨房にオーダーが届きます。

しかも決済は自分のスマホから行うことも出来ます。アプリをダウンロードした際に、同時に割引クーポンが付いてくるので、スマホ注文すると安く注文することが出来ます。店舗はいちいち顧客のオーダーを聞く必要もなく、料理に専念できます。レジ会計の処理も不要です。

CRMは企業と顧客の双方にメリットをもたらしてくれます。

UXの改善

こうした心地よい体験があると、顧客はまたこの店を利用しようと考えます。CRMによる効果として、UX (User Experience)の改善があります。以上のような例はまさにUXの向上ですね。

UXが向上すると、顧客がリピーターとなってくれる確率が高くなります。さらにCX (Custmer Experience)と言って、顧客が商品やサービスに感動すると、顧客は固定客となってくれるでしょう。このように、CRMで顧客のスマホをうまく利用することが結果としてUXを向上させ、更にはCXを改善の手がかりにもなるのです。

しかし、CRMを一からスクラッチで開発するには、それなりの投資を伴うでしょう。自社オリジナルのCRMにこだわらないなら、CRMパッケージやCRMのアプリサービスを使わない手はありません。幸い、世の中には優れたCRMパッケージやアプリが出現しています。

これからアプリでCRMを実現している事例をご紹介していきましょう。

アプリでCRMを実現している事例

アプリでCRMを実現している事例

渋谷109

導入目的

オムニチャネル戦略を推進していくために、「デジタルとリアルのハイブリッド」化を掲げ、そのツールとして新たなアプリを導入

主な機能

  • 館内のお知らせ(新店舗情報、キャンペーン情報など)
  • 施設案内(ショップ検索/フロアガイド)
  • ショッピング(109 公式通販)
  • ショップスタッフやコーディネートの紹介企画
  • 館内ブランドの最新情報やクーポン配信
  • 公式ニュースサイト「109 ニュース シブヤ編集部」の閲覧
  • 館内配布カタログ、タブロイド紙の閲覧 など

アプリ開発

アプリ開発・運用・分析をノーコードで提供するアプリプラットフォーム「Yappli」を使用

開発事業者

株式会社ヤプリ

導入効果

「自店で実施しているキャンペーンの認知につなげることができた」「お客さまとのコミュニケーションのきっかけになり、実売を増やすことができた」といったテナントからの好意的な声が多く、スタッフのモチベーション向上にもつながった。
CRYSTAL Wax&Nail(ワックス脱毛・ネイル専門店)

導入目的

予約に対する煩雑の回避
プッシュ通知機能で急なキャンセルに対応(空席削減)

主な機能

  • ポイントカード
  • クーポン発行
  • 最新情報の提供

アプリ開発

パッケージアプリ「アプリメンバーズ」を利用

開発事業者

アイユー株式会社

導入効果

「お客から店のセール情報がいつでも手軽に見える」「メンバーズカードがかさばらない」「予約がとりやすい」といった声がある。

株式会社ジャパンフードシステムズ

導入店舗

レストラン「タパス&タパス」全店舗

導入目的

今まで感覚的にしか掴めていなかったお客さま情報がSHOP FORCEで定量・可視化できることを知り導入を決定

主な機能

  • 店舗アプリ機能
  • スタンプカードやクーポン
  • お知らせ
  • アンケート
  • 店舗メニュー
  • 各種SNS

アプリ開発

SHOP FORCE(スタンプス)を利用

開発事業者

SHOP FORCE

導入効果

戦略的なクーポン販促で来店客数が2.5倍に。レシートに一度きりしか読み取れないQRコードが自動印字され、お客さまが好きなタイミング・場所で読み取ることでスタンプを取得できるのが便利。

CRMのアプリ活用まとめ

以上、アプリでCRMを実現する方法と、CRMアプリがもたらしてくれる効果についてご紹介しました。巷には既にCRMサービスやアプリが多数存在しています。それらの既製品を導入することで、CRMはある程度実現はできることはたしかでしょう。

しかし、忘れてならないことがあります。CRMを実現するのは、ベンダーでは決してないのです。まして、アプリが勝手に実現してくれるわけでもありません。導入する企業や店舗が、CRMで何を実現したいのか、顧客との関係をどのように深めていきたいのかを明確にし、しっかりと目標や目的を持つことが重要です。

売上や利益は顧客満足のバロメーターなのです。そのことを忘れずに、あなただけのCRMを実現してみてくださいね。