店舗経営のDX(デジタルトランスフォーメーション)を科学するウェブマガジン

日本の若者を中心としたFacebook離れは本当なのか? アイキャッチ画像

日本の若者を中心としたFacebook離れは本当なのか?

マーケティング
  • hatena

数あるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のなかでも、Facebookは世界で最も多いユーザー数を誇っています。

しかし近年、特に日本の若者において、Facebookを利用しなくなっているとの声が聞こえてきています。

若者のFacebook離れは本当なのでしょうか?

facebook離れの考察1―世界的なFacebook利用状況

Facebookは、アメリカのカリフォルニア州メンロパークに拠点を置く「Facebook, Inc.」が提供する世界規模のSNSです。

創立者のマーク・ザッカーバーグが、2004年にハーバード大学の学生が交流するために立ち上げた「ザ・フェイスブック」というサービスが今のFacebookの元になっており、13歳以上であることを宣言すれば誰でも会員になり利用することが可能です。

順調な成長を遂げているように見えるFacebookですが、最近は”若者のFacebook離れ”が様々なメディアで取り上げられています。

アウンコンサルティング社の「世界40カ国のfacebook人口推移」によると、Facebookユーザー数が増加したのは中華人民共和国とアラブ首長国連邦のみで、31ヶ国でユーザー数は減少しています。

出典:2018年「公表データ」で見る主要SNSの利用者数と、年代別推移まとめ

利用しなくてもアカウントを削除しない人が多いため、ユーザー数は増えていますが、特徴的なのは、10~20代前半のユーザーが激減していることです。Facebookが普及し始めてから時間が経っているほど、その傾向は顕著です。

例えば、1年前に米国では10代の利用者は7割を超えていましたが、半年後には45%にまで減少しているといいます。

facebook離れの考察2-日本におけるSNSの普及率とユーザー数

SNSの普及率

2017年12月末時点の国内ネットユーザーは10,012万人、SNS利用者はそのうちの72.1%にあたる7,216万人となりました。2017年の年間純増者数は338‬万人で、1ヶ月平均約28万人の利用者が増加しました。

今後はSNS利用者の年齢層が拡大していくため、登録者数・利用者数ともに増加することが見込まれ、2020年末には利用者数が7,937万人、ネットユーザー全体に占める利用率は78.7%に達する見通しです。

出典:ICT総研 SNS利用動向に関する調査

 SNSメディア別のユーザー数

2018年4月度調査において、日本のユーザーで最も利用率が高かったのはTwitterの69.4%、次いでLINEが63.1%、Facebookが57.3%でした。(複数回答を含む)

またSNSの利用時間について1年前との比較をしたところ、利用時間が増えた(「増えた」「どちらかと言えば増えた」の合計)と回答したのは、LINEユーザーのうち40%、Instagramユーザーのうち54%、YouTubeユーザーのうち48%、Twitterユーザーのうち37%となりました。

一方Facebookの利用時間は伸び悩んでおり、パソコンでのユーザーが多かったFacebookと、スマホの普及とともにユーザーを増やしてきた他のSNSの間で差が出ていると考えられます。

出典:ICT総研 SNS利用動向に関する調査

facebook離れの考察3-日本におけるSNSの利用と満足度

SNSメディア別の利用率

SNSを利用する目的について、アンケート対象者の8割以上が「人とのコミュニケーション」を行う目的でSNSや通話・メールアプリを利用していると回答しました。

他の目的としては「知人の近況を知りたい」が39%、「人とつながっていたい」が36%、「自分の近況を知ってもらいたい」が22%、「写真などの投稿を見てもらいたい」「自分の行動記録を残しておきたい」という理由がいずれも19%となっています。

このような目的で利用されるSNSにおいては、知人や友人などの利用者が多くなるにつれて自分も利用する頻度が増えるため、利用者数の多いLINEやTwitterなどの利用頻度が高くなっています。

最も利用率が高いのはLINEですが、急速に利用者を増やしているのはInstagramです。

Instagramは、写真や動画を共有することに特化したサービスで、最近では多くの芸能人や著名人がブログに替わって私生活の写真を公開しており、それを目当てに登録する人も増えているようです。

出典:ICT総研 SNS利用動向に関する調査

SNSメディア別の満足度

主なSNSの利用者満足度に関するアンケート結果は、YouTubeの満足度が最も高く79.7ポイントでした。

次いでInstagramが2位で78.5ポイント、3位のLINEは僅差で78.4ポイント、新興サービスであるTikTokは76.8ポイントで4位につけています。

Facebookは利用率が下がっただけでなく満足度のランキングも落としており、64.5ポイントと主要SNSの中では最下位となりました。

2018年に起きたFacebookの個人情報流出などのトラブルが順位低下に影響したものと推測されます。

出典:ICT総研 SNS利用動向に関する調査

facebook離れの考察4-若者のFacebook離れの理由

大学生の交流を目的として始まったFacebookから若者が離れる理由はどこにあるでしょうか?

その理由のひとつに「SNS疲れ」があると考えられます。

SNS疲れとサービスの変遷

「SNS疲れ」とは、SNSの長時間利用に伴う精神的・身体的疲労のほか、自身の発言に対する反応を過剰に気にしたり、知人の発言に返答することに義務感を感じたり、不特定多数の利用者からの否定的な発言や暴言に気を病んだりしてしまうことです。

2004年にサービスを開始したmixiは急速に普及してSNSブームを巻き起こしましたが、多くの人とインターネット上でつながることで、常に人の目を気にするようになって疲弊するというユーザーが続出しました。

同様の現象は他のSNSでも見られますが、Facebookも同様に利用者が増えすぎ、あまりにも多くの人とつながったため、利用することに疲れた人が多いと考えられます。

匿名性がある程度守られ、”自分の思いやステキと思う事などをつぶやいて発散する場”としての「Twitter」「Instagram」「ブログ」などのメディアや、”仲間や友だちとのコミュニケーションの場”としての「LINE」とは異なり、Facebookは基本的に実名を使用するため、どうしても匿名性が薄く、ネット上でオープンな状態にあるので、会社の上司や取引先の人ともつながりプライベート利用をしにくくなったという声もよく聞かれます。

Facebook離れ≠衰退

データを分析する限り、若者のFacebook離れは現実と言えそうですが、必ずしも「若者のFacebook離れ=衰退」という訳ではなく、オフィシャルなネット上の交流はFacebook、プライベートはLINEなど、様々なSNSメデイアが登場し選択肢が増えたため、ユーザーはそれらを上手く使い分けていると考えられます。

アクティブユーザーが減っているとはいえ、まだFacebookの市場規模は大きく、商業価値は高い状態にあります。実際に、タイムラインを見ていると非常に多くの企業広告が流れています。

情報を配信する企業側も、「ターゲット」や「情報の内容」「情報配信後、ネット上で消費者とどのようなコミュニケーションをとりたいか?」などを考え、各SNSの特徴や機能を踏まえながらメディアを選定していく事が求められてきます。