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覆面調査とは?マーケティングに活かす方法を徹底的に解説

マーケティング
  • hatena

覆面調査は調査員を選定して、その調査員が店舗などの利用者のひとりとして商品やサービスを体験、評価するものです。

マーケティングに意味のある調査ですが、しっかりとした準備が必要です。この記事では、覆面調査について網羅的に解説していますので、ぜひ参考にしてください。

覆面調査とは?

覆面調査(ミステリーショッパー)とは、調査員が店舗のサービスを受けたり商品を体験したりながら評価する調査手法です。

覆面調査で有名なものは、ミシュランレストランガイドでしょう。調査員が実際にレストランで食事をして、星の数で評価をしていきます。企業がマーケティングを行ううえでの覆面調査は、従業員による不正を防止するために調査員を派遣したことが始まりです。

その後、徐々に顧客サービスを測る調査手法として定着していき、1990年代後半からは企業に不可欠な調査手段となっています。

覆面調査の種類

覆面調査には調査員の選定の違いや調査目的により、以下の種類があります。

・プロの調査員による調査

多くの消費者が気付かないような基準で厳しく審査する。

・一般消費者による調査

店舗が顧客ターゲットしている人物に近い調査員を選定することで、顧客感覚を知ることができる。

・評価目的の調査

従業員の評価やサービスの実施状況を確認する。

・顧客ロイヤリティ改善目的の調査

従業員が具体的な行動変化を促せるように、最終的な印象や数字では表せないコメントが重視される。

・集客型

集客が目的であり、多くの調査員が簡単に参加できる。

・現場改善型

対象となるお店やサービスを利用するにあたり、調査内容が細かく設定されている。

以上のような調査種類から、目的により最適な手法を選んでいきます。

覆面調査の導入背景と導入企業の広がり

覆面調査の必要性やニーズは店舗や企業、業界、業種によりさまざまです。

・飲食

顧客からのいい声やいい意見による従業員の離職率低下。インバウンド需要の取り込み。

・宿泊

提供サービスの品質向上。予約システムの流れの確認や検証。

・小売

ブランドイメージと比較して、商品や接客のイメージがどうか。従業員の商談・購買スキル向上による購買率の改善。

・教育

体験授業の際の保護者からの印象改善。スタッフに対する教育やサポート施策の実施。

 

以上は一部の業界だけを取り上げていますが、それぞれで覆面調査に対するニーズが異なります。

また、覆面調査はさまざまな企業が実施していますが、導入企業が増えている理由は社会や経済の変化によるものです。これまでは商品やサービス自体が重視されてきましたが、今ではどのお店であっても一定の品質の商品やサービスを受けることができます。そのため、消費者は商品やサービスよりも購入後の体験(顧客満足度)を重視するようになりました。購買基準の変化も覆面調査の導入のきっかけとなっています。

昨今、インターネットやSNSの発達により、商品や企業(店舗)に対する口コミが発信されるようになりました。それにより、これまで以上に顧客満足度が重視されるようになったわけです。この顧客満足度を向上させるために、覆面調査が活用されています。さらに、働き手の環境改善を図るために覆面調査を実施している企業もあります。

覆面調査のメリット・デメリット

ここからは、覆面調査のメリットとデメリットをご説明します。

メリット

前述したように、覆面調査を行うことで顧客に対するサービスの改善が見込めます。

調査員は顧客の立場としてさまざまな調査するため、具体的なサービスの改善案が立てやすくなり顧客満足度につなげることが可能です。具体的な要望の内容を試験的に試してみるなど、さまざまな施策がでてくるでしょう。また、調査結果により出てきた企業や店舗に対する厳しい評価(意見)を、現場改革の取り組みに活かすことができます。現場改革の実現により、組織力の向上につながります。

そのほか、覆面調査で得たレポートをしっかりと分析すれば、現場で働く社員やスタッフにフィードバックすることができます。それにより稼働率や顧客数、客単価の向上につながるでしょう。

デメリット

覆面調査で特に注意すべきことは、従業員が覆面調査を粗探しと捉えることです。

覆面調査の目的は、現状の把握や顧客満足度の向上であり、従業員の悪い点をみつけるものではありません。安易に覆面調査することで、経営幹部と従業員の距離を遠ざける場合もあります。ときには、従業員の精神的なストレスとなることもあるでしょう。

ですから、調査後に結果を共有する際は、従業員への伝え方に注意して重圧を与えすぎないように注意してください。

覆面調査の流れ


覆面調査の流れは以下のようになります。

企画と仮説を立てる

覆面調査は企画と仮説を立てることから始めます。

企画の設計時は、「マーケティング課題」「調査目的」「調査で明らかにしたいこと」を明確にしましょう。

(例:複数店舗の飲食店を経営している企業)

マーケティング課題=店舗により売上げの差が激しい

調査目的=店舗Aの売上げの減少理由を知りたい

調査で明らかにしたいこと=店舗Aのサービス品質のチェックと他店舗と差異があるかどうか

以上のように企画を立てるだけではなく、「店舗Aは立地環境が悪い」「マニュアルを守った最低限の接客ができていない」「店舗内の汚れが目立つ」など、さまざまな仮説も立ててみましょう。

調査員の募集と教育

企画と仮説が明確になったら、調査員の募集と教育を行います。

調査員の選定も重要であり、たとえば、顧客感覚を把握する目的であれば商品やサービスのターゲットに近い人物を選びます。なお、一般の消費者から調査員を選ぶ場合は、覆面調査に必要なことを共有する研修が必要となります。自社で調査員の募集や教育が困難であれば、調査会社を利用することも有効です。

調査実施と分析

調査員の選定と教育が終わったら、いよいよ覆面調査の実施です。

調査員がチェック項目を間違えないように区別して、評価の方法もわかりやすいものにしましょう。評価方法には、○×式、数値やアルファベットによる段階評価、調査員の主観による評価・意見などがあります。チェック項目により、どの評価方法がいいか異なるため企画時や調査員の研修時に意見を取り入れながら作ってみてください。また、調査が終わったらレポートからさまざまなことを分析します。

覆面調査をより有効に活用するための心構え

前述しましたが、覆面調査を行うときは改善が必要なことついて「犯人探し」や「あら探し」をしないようにしましょう。

特に「現状の問題点を把握する」と考えると、悪い点やしっかりできていない従業員が目につくものです。ですから、「店舗や企業をよくしていきたい」という心構えが大事です。

たとえば、チェック項目を従業員と事前に共有すると、経営陣と従業員の両者が納得したうえで覆面調査をすることができます。結果報告の際も、従業員を交えた改善策の共有や立案することも解決策のひとつです。一方で調査される側である従業員からは、調査結果に対する言い訳が出る可能性があります。従業員からは「調査の日はたまたま悪かった」など、さまざまな声が予想されます。場合により、上司や経営陣に対する不満の声もでてくるかもしれません。経営陣と従業員の意見が食い違って、分かり合えない状況になることもあります。

しかし、そのような心構えでは、顧客満足度の向上につながりません。「結果が良くても悪くても真摯に受け止めて全員で改善の努力をしよう」と上司が伝えることも大切なことです。また、覆面調査は1度良かったとしても、継続的に良い評価を受けうることが必要となります。

その場しのぎの調査にならないように、経営陣と従業員が覆面調査の意義や目的をしっかりと共有するようにしてください。

まとめ:覆面調査をマーケティングに活かそう

覆面調査は調査員が顧客に粉して、商品やサービス、接客などを体験して評価をする調査手法です。

企業の多くは顧客満足度の向上や差別化を課題としており、覆面調査に対するニーズや必要性は高まっています。覆面調査をする際は、現状の課題や調査をする目的、調査により明らかにしたいことを明確にすることが重要です。また、調査員の選定や教育、調査実施後の分析も大事な調査過程です。

覆面調査は経営陣と従業員との関係性を崩すことがあるため、チェック項目の共有や調査後の課題の共有、改善策のディスカッションなどを行うようにしてください。両者が対する正しい心構えをもつことも、覆面調査には必要です。

この記事を参考にしながら、覆面調査を活用してみてはどうでしょうか。